第26話
俺は、お城の調理場に入って見ると多くの調理器具や食材が揃っている。
見たことない食材など美味しいそうなものもあるのだが、調味料が塩と胡椒しか無かった。
日本ならば、鶏ガラの粉末とか醤油とかウースターソースなど色々な調味料が揃い美味しいのが作れるのだが...
塩コショウだけで、調理するとなるとどうすればいいのだろうか?
考えていると、料理長の顔が『ふん、どうせ口だけの男だろう』という視線が痛い。
数分考え、ようやく作る物を決めた。
デザートだ。
デザートは、甘いものでアマスギから作り出した砂糖を使うことによりプリンを作ることにした。
プリンの材料は、牛乳と卵と砂糖さえあれば出来る料理。
俺は早速、卵をとき牛乳を入れ砂糖を多めに入れ多分耐熱であろうコップに移した。
プリンの元が入っているコップをフライパンの上に置き、3分の1程度の水をフライパンに注ぎ蓋をして中火で蒸した。
15分後火からフライパンを取り出し、10分放置した。
「レイよ、なかなか甘い香りが漂って来るのだが」
「はい〜とっても美味しそうです!!」
王様とレイは食事した場所で待っていたらいいのに、プリンの甘い香りにつられ調理場で遠くから見守られている。
10分ぐらい置いている間に、プリンの頭にかけるキャラメルを作ることにした。
子供に頃、プリンのキャラメルは苦く美味しくないと思っていたが、大人になるとこの苦味も美味しく感じるので、俺は多めに作る事にした。
砂糖と水を火にかける混ぜると完成。
焦げないように、クルクルと回すだけで簡単に作ることが出来る。
「ほお〜少し苦そうな味だんな〜」
「これをどうするですかね?」
2人は喋っている。
料理長は、『なんだ!?コレは』と言う感じで、近くでガン見されている。
フライパンから、固まったプリンを取り出しさらに粗熱を取った後、コップからティーカップの下に敷くお皿にプリンをコップからトントンと後ろを叩きプリンを取り出した。
取り出したプリンの上に、先程作った黒いキャラメルをトロ〜っとかけ完成した。
俺は、お盆に乗せ4人分を持って先程食事していたところに持っていった。
レイと国王様はルンルンで自分の席に向かっていった。
「料理長さんも座って俺が作ったプリンを食べてください」
「は、はい」
俺は、みんなの前にプリンを置きスプーンで食べ始めた。プリンは、プッチンプリンのようにプルプルではなく、木綿豆腐のように固めであるが、甘くキャラメルがいいアクセントになっている。
「うっま」
「マスター最高です!!」
「なんですか!?私が色々な料理を歩き回ってこの国の料理長になったはずなのだが、めっちゃくちゃ上手い。初めて食べました!?しかも、料理は簡単。アマスギから作ったという砂糖は万能薬ですか!?」
と、驚いてみんなは無心で食べてくれている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます