第25話

そんなこんなで、俺とレイは王様に『まあ、食事でわしがも食べようよ』と言われ、お腹は空いているのでご飯を食べる所に案内された。


ご飯を食べる食堂には、無駄に大きな机と広さがあった。


「ひっろ。」

「そうじゃろ、ここでたまに各国の偉い人たちが集まって食べる場所じゃ。本来なら、もう少し小さな場所でワシは食べるんだが、客人もいると言う事でもてなす為にこの食堂にしたのじゃ。」

「へえ~」

「お父さんは、意外に見栄っ張りな所があるから。我慢してくださいマスター」

「レイよ、私は見栄っ張りなのではない。ワシは、ただ国を代表する物のとしての威厳をだな。分かってくれるよな、やしろ殿」

「ハハハハハ~」


王様は話しているが、それがもう意地を張ると言う事なのではないか?っとツッコミたくなったのだが、それツッコムとめんどくさくなると思ったので、何も言わず愛想笑いをした。


やしろ殿、まあワシの隣の席に来なさい」

「は、はぁ...」


国王様は何故か、隣の席をポンポンと叩きながら呼んでくる。

 俺は、逆らわずに国王様の隣に座った。

レイは、その俺の隣に座った。


無駄に広い机なのに、一塊で居ると奥の方が寂しく感じる。


「本日のご食事はお肉をメインとさせてもらいます。ご食事まで、少々お待ちください。」


と言われて、レイの腹の虫が響き渡る。

 俺も、国王様、メイド達も聞きなれて、気にならなくなっている。


「どうぞ」


っと、メイドの人に渡されたのは漫画肉でよく出るやつと、肉を綺麗に薄切りにし、なにか黒いソースをかけているのを出された。

 見た目と言うか、バランス悪くないか?っと思うのだが、俺は漫画肉と言うインパクトがあるものが出てきて、ちょっと興奮気味。


レイの分も用意されているが、俺の数倍の量を出されている。


俺は、漫画肉をかぶりつくとなかなか美味しい。

 だけど、塩味だけって言うのが...ちょっとな~

この薄く切られた、料理はオシャレだけどおいしくない。この黒いソースは、ワインを少し濃くしただけで、甘さと辛さがあるだけで、お肉のおいしさを不味くしているようだ。


しかし、国王様は美味しそうに食べている。

 ここ人と、俺には味覚が違うのだろうか?


「どうだ、美味しいだろ?」

「ま、まあ~ですが、塩と胡椒とかあったらもっと美味しいかもしれないですね。」

「そ、そうなのか?ワシ結構うまいと思ったけど?」

「あと、このソースあんまりです。もっと、玉ねぎとか醤油とかを加えてアレンジするともっと美味しくなると思うんですよね~」

「マジで!?」


ちょっと、驚いた顔でこっちを見てくる。

 俺の推測だが、国王様はこの料理で美味しいと言わせたかったのだろう。

だけど、この世界ではあまり料理の発展が遅いのかあんまり調味料とかこだわっていないので、あんまり美味しいと感じることが出来ない。


「そうです、お父様。マスターの料理は最高なんです。この、料理の数倍美味しんです。」

「う...ワシも食いたいの~」

「今は無理ですよ。材料とか無いし、今さっき昼ご飯を食べたばかりじゃないですか。」

「ワシのお腹は、腹ペコじゃ!!」


駄々をこねる、子供みたいに駄々をこね始めた。

 レイは、自分の親が駄々をこねている姿を見られるのは恥ずかしく、止めに入っている。


「わかりました。調理場かりますね。」

「うむ、許可する。料理長よ、このやしろ殿の料理を盗めよ。」

「はい!!」


なにか、期待のハードルが高いんですけど。

 って言うか、料理長って俺の後ろに居たの!?

なんか、ごめん。あまり美味しくないとか言って。


っと、俺は心の中で料理長に謝った。

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