第6話

「ふああ~あれ、マスター起きてください」

「ん...?」


俺はすることもなく、外に出ると危険なので車で閉じこもって居たらいつの間にか寝ていたようだ。


「マスターご飯です。ご飯を下さい。」

「おい、この残骸を見ろ」

「はい?」


俺は、元は食料が入っていた袋などを指をさした。

 すると、レイは首を傾げた。


「おいおい、お前が俺が持っている食料を全部食べたんだろが!!」

「えええ!!」


っと、自分で何故か驚いている。

見た目は、美人なのだがアホなのか?


「もうないんですか?」

「無い。」

「そ、そんな~....グスン...」


っと、悲しそうにしているが、これはお前がやったことだろっとツッコミたくなった。それと、(あ、やっぱこいつアホだ。)とも思った。

あんなに、戦闘力がある人でも欠点はあるんだな~っとレイを見ているとおそう思えてくる。


「じゃあ、今日の夜ごはんはどうするんですか!?」

「我慢だな」

「そ、それは無理です!!」


(ぎゅううう~~~~!!)っと、けたたましいほど大きな音が、レイの方からする。


こ、こいつの腹の中に何か化け物でも飼っているのか!?


「じゃあ、そこに川があるから魚でも取ってきてくれ」

「わかりました~マスタ~」


と言って、車から出るのに苦戦していたが外に出て川に向かった。

 俺も、魔物とかに襲われてもこいつが何とかしてくれるだろうと俺も川の方に向かった。


「川の水綺麗やだな~」


俺は、川を見た感想だった。

レイは川に入り、化け物じみた身体能力でまるでクマのように魚を俺が居る方に飛ばしてくる。


この世界の魚は、見た目はほぼ同じのようだ。

ニジマス・鮎などが、川から飛んでくる。

俺は、川魚を飛ばしてくる物珍しい光景を見るのもいいが、レイを助ける為に車をぶつけて助けたので、車が壊れていないか見ることにした。


「ああ~絶対に凹んだりヘッドライト割れてるだろうな~」


っと思い、車の前の方を見ると凹んでいるどころか傷一つない。

あんな、険しい道で草などでかすり傷のような物が本来なら出来ても当然なのだが出来ていない。


どういう事だ?


っと、そう思い車を見ていると、どうやら魚を取り終えたらしい。


「マスター魚とれました~」

「ん~...ん!!い、いや、おま、取りすぎだろ」


目を離している隙に、魚が山のように積み上がっている。

 合計で100匹は居るんじゃないかと思うくらいだ。


「こんなに食べれない。逃がしてきなさい」

「大丈夫です。マスター私なら全部食べれます」


っと、言って聞かないので俺は早速川魚を料理しようとすると、レイが内臓などを取らずに丸かじりをしていた。


「おい...なにをしているんだ?」

「え、夜ごはんですけど?」

「え、?内臓とか取らないの?」

「内臓?取る?なんですか?」


っと、衝撃的なワードが飛び交った。

こいつ、料理どころか味覚に異常があるのではないか?いや、こいつはアホだ。もしかしたら、料理と言う事をしらないのではないか?


そう思い、いったん食べるのを辞めさせることにした。

と言うか、もう三匹も食べている。


「いったん食べるのを辞めよう。俺がもう少し美味しくするから」

「本当ですか!?」


っと、目を輝かせている。

俺は、100匹も料理をするのは無理。腕が死ぬので、俺は大きな魚20匹を選び包丁で内臓などを取り出し、持っていた串を刺し塩を塗りたくり下準備が完成した。下処理をしている間、外が暗くなり手元が見えないので、キャンピングカーのヘッドライトで明かりを確保した。


「なあ、火とか出せる?」

「出せますよ?ファイアー」


っと、レイが呪文を唱えると指先から火をだした。

やっぱり、異世界だから魔法が使えるんだな~っと思い、地面に石で囲った簡易的な焚き火台に炭を置き火をつけてもらった。


「じゃあ、この魚を焼きます」

「早く早く!!マスター早く!!」


レイが言葉と腹の虫とで、焦らせてくる。

俺は、地面に串の付いた魚を突き刺し焼けるのを待った。


焼ける間、レイのお腹の虫がうるさすぎて魔物でも呼ばないかとヒヤヒヤしていると、ようやく焼けたのでレイに渡すと一気にかぶりついた。


「あふ、あふ」

「冷ましてから食いなよ」


っと、言いながら俺一口かじるとめっちゃくちゃ美味しい。

皮はパリッと、中は魚の油がじゅわ~っと広がりとっても美味しい。


2本目を食べようと10本くらい焼いてあった魚がもう、レイによって食い尽くされている。俺は、さらに10本焼き食べるのだが、レイは料理と言う物をせずに食べて来たのか「美味しい」と連呼して食べている。


「マスタ~お代わりです。」

「ヒィイイ~!!」


俺は、余った魚を全部処理して焼くことになり俺は悲鳴をあげながら腕が死んだ。

それに、せっかく袋ごとあった塩が全部なくなってしまった。

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