☀︎2話 徹夜
今日はダンジョン探索実習がある。この実習は比較的安全なダンジョンで戦闘力とサバイバル力を高めるために行われる。そして隣にははしゃいでいるバカがいた。
「お泊まり!お泊まり!楽しみだねトラウム!」
「君ははしゃぎすぎじゃないかラム。一応ダンジョンは危険なところなんだぞ。」
「大丈夫ー。去年も来たからね全然怖くないね!」
「落ち着きと緊張感がない人が一番危険な目に合うって先生言ってたけどね。」
「そんな時は騎士様が守ってくれるんじゃないのー。」
「君の方が強いんだから君が危険だったら僕にはどうしようもできないんじゃないかな。」
「誰も君とは言っていないのだよ。トラウム君。自意識過剰じゃないか。」
ムカつく一言だ。この一言で余程危険じゃない限り助けてあげないことにした。
「…以上で実習の注意点は以上になります。繰り返しになりますが洞窟型のダンジョンのため足元にはよーく気をつけるように。それでは各班順番に移動してください。」
長い話が終わった。全部しおりに書いてあったから説明しなくても良いのではないかと思いつつ、実際しおりも読んでいないだろう人がいるのでしょうがないことかと心得ておく。
「今失礼なこと考えてたでしょ。」
変なところ勘付くよなラムは。
「まだ、失礼なこと考えてるね。
あ!もう移動だよ。行こ!出発ー!」
凄い勢いで走っていった。これだと多分…
「あー!イタタ。」
やっぱり転んだ。目を離したらいけないな。
「はい。立ち上がれるか?」手を差し出す。
「ん。ありがと。よいしょっと。」
「じゃあ、他のみんなもこいつみたいにならないように慎重に進むように。出発するぞ。」
この実習は4人班で行うので後二人いる班員に気をつけるように声をかける。ちなみにあまり交流がなかった二人だった。優しく笑っていて悪い人じゃなさそうだ。
「トラウム君のライトってなんかみんなと違う色合いしてるよね。私のよりちょっと暗くない?」
「ラムのは明るいよな。性格が反映されるのか?」
「違うと思うよ。ちょっと暗めな性格のダンジョン学の先生のはすごく明るかったから。」
「確かに。まあ魔法には個人差が多いらしいから一概に言えないんだろうな。」
そんな話をしながら着々と実習を進めていく。このダンジョンの低層にはスライムぐらいしかおらず四人もいればすぐに処理できてしまう。
「ラム。疲れました。今日はこの辺で野営ではないですかー。」
時計を見る。午後の7時もう地上は夜になっている時間だ。
「よし。ここで野営をしよう。」
「やったー。夜ご飯だ!」
今日のご飯は干し肉とパンか。口が乾く編成だ。
食べ終わったら交代で見張りと仮眠をする。ダンジョンの中だからしょうがないが、できれば夜はゆっくりしたいものだ。
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