第68話インドⅡ
俺が入ろうとした店は、火縄銃を持ったシパーヒーにあっという間に制圧。
「よくもインド人をバカにしたなーー!安く買い叩き、我らインド人から金を搾り取った・・・こんなのゆるされねーーぞーー!」
なんと物騒な・・・
ここは俺が入って、なんとか説得するしかないだろう。
「ここは俺に免じて穏やかに対処した方が良いって・・・このままだとイギリス国が介入して来るぞ」
「しかし・・・もう、仲間が白人の屋敷を襲ってるハズだ」
えーーー!もう、そこまでやってるのかよ。
その屋敷まで急いだ。
屋敷に向かう途中で、ある事件を思い出した。
2015年に起きたモハンマド・アクラクという農場労働者へのリンチ事件だ。
彼が牛を殺して牛肉を冷蔵庫に保管しているという噂が広まった後、殴られて殺害された。
それも数十人によるリンチ殺人だ。
その後の検査により、その肉はヤギの肉であることが確認された。
殺した事より、ヤギの肉を牛肉と間違えたことに反省してると弁明したらしい。
このヒンドゥー教徒の暴徒の恐ろしさを表している。
あ!屋敷だ。間に合ったぞ。
ああ、ロープで女や子供までグルグル巻きだ。
子供は泣き止まない。必死に母親がなだめてるぞ。
インド人は、よっぽど頭にきたのだろう。
あっちこっちからインド人がやって来て・・・
屋敷は荒らされて略奪放題。
どこのおっさんなのか、家具を抱えて逃げて行ったぞ。
それも100人を超す人達だ。
ああ、これを止めたら暴動に発展するぞ。
インドの各地に散らばった店や農場も同じ目に合うのは明らかだろう。
このまま放置すればイギリス軍がやって来る。
「白人を殺せ!そして自由を手に入れるぞ!」
「そうだ、そうだ」
「俺らは自由だーー!」
「まあまあ待て!ここは俺に任せろ!」
「何か考えがあるのか・・・」
レヴァント会社の代表と会う。
「なんだよ・・・お前が
あ!
顔はアザだらけで話せる状態でない。
仕方ないから治す。
「
嘘のようにアザが消えてしまう。
「え!そんな・・・どこも痛くないぞ!」
それを見ていたシパーヒーは「おお!ここに神の使いが・・・あなた様は、なんの神であらせますか・・・」
「私は日本の三言という神に仕える者だ。遠い東の国からやって来た」
ああ、そこからが大変だったよ。
足が変に曲がった老人が担ぎ込まれて治す羽目に・・・
「おおお、ここに神が・・・神の使いが・・・」
「ありがたや、ありがたや」
高熱でうなされる子供や目が見えない老婆まで治すことに・・・
もう、毎日が治療に明け暮れてた。
1ヶ月も経つと三言教がインド全土に広がってたよ。
もう、60%のインド人が三言教の信徒になって、俺が治療する建物に御参りするようになった。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
そななお経があっちこっちに聞こえだす。
レヴァント会社の代表も信徒だ。
建てられた病院も、この人が資金を出してくれたよ。
なので適正価格の商売をするようになってる。
あのままイギリスに報告してたら、会社はイギリスに潰されていただろう。
インドも支配出来ない会社には、用はないって感じで・・・
そして新たな会社を立ち上げて本格的に植民地にしてただろう。
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