第67話インド
インドネシア
ベトナム
タイ
ミャンマー
それらの国々からポルトガル、イギリス、オランダの西洋人を追い出す作戦を開始。
主に支配してるのは、港と大きな街だ。
輸出品は買い叩かれて、逆らえば痛い目にあうのは当たり前。
「オラー!店先が散らかってるだろうがーー、早く掃除をしろーー」
尻を蹴られる現地民。
完全な殖民地ではないが、似たような雰囲気が漂ってる。
これって西洋主義でアジアにとってはダメだよ。
だから俺らが不平等な貿易だと追いやった。
開放された国々は、改めて独立宣言を勝手に宣言。
俺ら日本の後押しで、ヨーロッパの交渉に挑む。
そして、仏教発祥のインドへ・・・俺らはやって来た。
インドでブイブイと威張ってるのはイギリスだ。
これがイギリスのレヴァント会社なのか・・・
イギリスの会社で我が者のようにインドを食い物にしてる連中だ。
インドから綿の布や香辛料を安く買ってる会社だ。
まだ産業革命が起きてないから安い賃金で布を織ってから、本国に輸出してるらしい。
たしかに・・・香辛料の匂いがプンプンしてる。
あれれれ・・・インド人が銃を持って警備してるぞ。
俺を見て睨み付けてきたよ。
それも1人だけじゃーない。あっちにもこっちにもいる。
ここは店に入らずに帰った方がいいな。
インド人の溜り場まで避難。
人が一杯だぞ。こんな昼なのに・・・
なんか鍋に水を注ぎ粉々の紅茶を入れてかき混ぜる。
直火で炊き込んでぐるぐると混ぜ合わせる。
紅茶の露店らしいぞ。
え!あれって砂糖か・・・そんなに入れて甘くないのか・・・
そんな熱い紅茶を客に手渡した。
ああ、これがインド紅茶なのか・・・
コップを2つを使って高い位置から、もう1つのコップに降り注いでるぞ。
コップは素焼きの土のコップだ。
ああやって紅茶の中に空気を入れるのがインド風。
美味そうに飲みながら、しょうもない話に盛り上がってる。
「俺に紅茶をおごらせてくれ」
「なんだ見ない顔だな・・・どこの国から来たんだ」
「ここから離れた日本から来た者だ。紅茶ぐらいおごっても良いだろう」
「あんたをシパーヒーと勘違いしたよ」
「え!シパーヒーって何・・・」
「それも知らないのか・・・白人に
成る程、レヴァント会社に雇われた兵をシパーヒーと呼んでるのか・・・
シパーヒーとはウルドゥー語で「兵士」「軍隊」の意味だとは知らなかったよ。
そんな話を聞きだした頃、素焼きのコップを地面に投げ捨てた。
「パンシャン」と割れてたぞ。
「何を・・・」
地面には、割れた素焼きのコップが散乱してる。
これって、ここの風習・・・
「これは後の客のためだ。2度と使えなくするのが作法なのだよ」
これが2度と使えない容器なのか、めっちゃもったないなーー。
「なんだお前は・・・」
俺の袖を引張る子供が、身なりはボロボロで黙ったまま見上げてくる。
俺は何かを感じた。
もう、引張られるままついて行く。
連れて行かれた路地裏に待っていたのは、3人のインド人の男だ。
これってテンプレか・・・
「あんたは、アジア方面で活躍した男だな・・・俺らは、シパーヒーだ。アジアのことを考えると、このままで良いとは思わなくなった。どうか俺らを助けてほしい」
テンプレではなかった。
イギリスの兵に成り下がったのに、この人達なりに考え悩んでるようだ。
へ~ここが彼らの隠れ家なのか・・・
あれれ、又もや人が入ってきたぞ。
こんな狭い部屋に50人を超す人が集まっている。
「この方がアジア開放のリーダーだ。レヴァント会社の行いに疑問を持つ者も多いだろう。だから今からこの方の話を聞いてくれ」
そんなの聞いてないよ。
もっ話し合って最善の策を煉るのが普通だぞ。
「何をしている。はやく話せ」と
「君らが使ってる火縄銃の火薬、あの火薬を保存に使ってる油紙、あれって豚や牛の
「なんだと!俺はヒンドゥー教徒だ。神聖視する牛の脂を・・・何を考えてるんだ」
「それだけでない。イスラム教の我らが不浄の豚の脂なんか使えるか!こんな仕打ちを黙って見過ごすのか・・・」
「そうだ!ここで立たないと教えに反するぞ!」
あの紅茶の立ち話でシパーヒーの大半がヒンドゥー教徒とイスラム教徒だった。
だから脂の話をしたのだが、こうも激怒するとは思わなかたよ。
手に持った火縄銃を握りしめて考える。
この銃なしでレヴァント会社と戦えば負けてしまうだろう。
「脂問題はあるがレヴァント会社に騙されたことには違いない。ここは、この火縄銃でインドの誇りを掛けて戦うべきだ!」
「そうだな・・・それしかないぞ」
俺1人を残して皆は急いで出ってたよ。
「我らに誇りを!我らに正義を!」
そんな声が聞こえてきたぞ。
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