第64話明



今の中国は、明の時代だって。

皇帝は、誰なのって聞いても庶民は知らないって。


そんな中国の海沿いの都市に、三言寺の中国支店の四言寺が建ったよ。

役人に賄賂を手渡すのは、当たり前の風習だから「郷に入れば郷に従え」だよ。

寺の住職は、商売で知り合った李浩然リーハオラン

商売の話以外で宗教で盛り上がった。


三言宗教の信徒になった。

そして、名を改めて淳于ジュンウ


ああ、寺はいいな。

中国の寺は赤く塗ってるから、四言寺は木目を生かした柿渋塗料を塗ってるよ。


「これで防水、防虫、防腐は万全だな」


なにやら声が・・・


「お願いで御座います。我が息子を助けて下さい」


門前が騒がしい。俺はたまたま視察に来てたんだ。

背負って来た息子を一目見て盲腸と判断。


「医療班、盲腸だ。炎症を起こした状態だから危ないぞ」


医療班が医療病棟から飛び出してきたぞ。

担架にゆっくりと乗せて運び込む。


俺は親に「あんなに酷い状態まで放置してたら死ぬ所だったぞ」


「私は、霊仏寺に御払いをしてもらいました。数日で治ると・・・」


そんなバカな・・・

御払いで治るハズがないぞ。


「案内しろ!俺が説教してやるから」





「頼もう!我は四言寺の知り合いだ。霊仏寺では御払いで病気が治るなどデマを言うな!」


親御さんは、オロオロしてるぞ。

なんだなんだ。大勢の坊さんにとり囲まれたぞ。


「お前!四言寺のまわし者だって!みなーーやってしまえ」


え、急に暴力かよ。



右パンチを左手でいなして、ガッと掴んで捻った。


「痛たたたた」


さらに捻って「ボキッ」と折った。

もう一瞬で気絶したぞ。


後ろから羽交い絞めした奴は、脇を締め付けて「ボキボキ」と両手を折る。


「ギヤーー」と泣き叫ぶ。


棒で殴ってきた坊さんを、棒を掴んで投げ飛ばす。

あああ、建物に当たってうなってるぞ。


あ!今度は同時攻撃か・・・スッと仰け反って攻撃をかわす。

そして姿勢を低くする。


頭上に弓矢が「シュッ」と通りすぎた。


俺を殺す気だな。

地面の落ちている石を拾い「シュッ」と投げる。

「ギャーー!」と叫び声とガガガガと屋根から転げ落ちたぞ。


まだ殴りかかる坊さんを、ガシッと掴んで背負い投げだ。

地面に叩き付ける。


なんだよ・・・受身がなってないから気絶だ。


武器を持った坊さんは、驚愕して見てる。

そして坊さんが逃げ出したぞ。



「さあ、帰ろう」


親御さんもノコノコとついて来た。





病棟で寝ている息子と対面だ。


「治ったのですか・・・」


「目覚めても屁が出るまで辛抱だからね」


「ありがとう御座います。息子の命の恩人です」





あの1件後、霊仏寺は廃れた。元々評判も良くなかったらしい。


そして近くの農場では農業革命が・・・


中国ならラーメンだよね。

だから小麦粉の畑をじゃんじゃん増やした。

勿論、米も作ったよ。豊作で大勢に感謝されたよ。



ついでにラーメンをつくっちゃえ!。


店の名は、「来来軒」だ。

豚骨や鶏のガラを煮込む・・・

玉ねぎやネギも入れてしまえ。昆布も鰹節もさばいわしも入れちゃえ。

生姜も入れてコトコトと煮込む・・・



スープは醤油味だ。


そんな来来軒も大流行だよ。

長蛇の列ができてラーメンを食ってる。


「焼き餃子、3人前。醤油ネギ多め、味噌、塩を急いでよーー」


「あいよーー、醤油ネギ多めだ」


来来軒のメニューは、


醤油ラーメン


味噌ラーメン


塩ラーメン


焼き餃子


焼き飯


トリのから揚げの6点のみ。

もう、あっちこっちから食べに来てる。





もう、四言寺の評判はうなぎのぼりだ。

信者も増えてバン!バン!万歳だ!!。


四言寺の拡張工事も始まってる。

お祈りに来る信者が後を絶たないし、病棟数も足らない。


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