第62話南下と北上




織田信長、一色義龍、三好長慶、毛利隆元らが九州攻略中の頃に・・・


青森方面より南下した三言加賀軍。

総大将は、暴れん坊の名を改めた無妙むみょう


単独で暴れることもなく、大砲1門で城の門を破壊。

その後に使者を送くって降伏をうながす。


「なあ、あの暴れん坊が大人しくなったよな・・・」


「お前は何も知らないようだな・・・前の城攻めで怒り狂った領主が、「来るな!この化け物が!」と言って息子や娘を殺してから自害する光景を見たそうだ」


「え!そんなことがあったのかよ・・・なぜ、助けなかったんだよ」


「暴れん坊も人間だったんだな・・・その凶行を見て動けなかった・・・そして、悩んだらしい・・・それで三言さまに聞いたそうだ・・・なぜに我が子をああも無残に殺せるのかと・・・」


「それで、それで・・・はやく言え・・・」


「それは、お前の怒りがそうさせた・・・と言ったそうだ」


「なに、それって禅問答・・・?」


「まあまあ、俺の話を聞くんだ。風になびく旗を見ながら、1人の僧が旗が動いていると言ったそうだ・・・そして、もう1人の僧が嫌々風が動いているから旗が動いたと言い争いをしていると、通りかかった僧侶は「旗でも風でもなく、あなたたちの心が動いているのだ」と言った」


「それで・・・」


「お前は、ここで感動する場面だぞ・・・相手の意見を聞かずに自分の意見を押し通しても何も得られないって意味だよ」




- - - - - - -



その頃、上杉軍が北上。


その数は7万にも達している。

越後平野の開拓が成功して、農業革命で農業に従事する数もめっきり減っている。

なので7万もの数で北上出来たのだ。


その情報を知った最上義守もがみよしもり伊達晴宗だてはるむねが早くも上杉軍に参陣。


上杉軍は、戦う事もなく出羽国や陸奥国を平定。


南下して来た無妙と出会った場所で話し合いとなった。


「上杉殿は、ここまででよろしいですか・・・」


「仕方ない。それでいいだろう」



- - - - - - -




その頃の武田信玄は、下総国や常陸国を電光石火の如くに攻め滅ぼしていた。


「攻めろ!攻めて、攻めまくれ!」


「遠からんものは音にも聞け、近くば寄って目にも見よ、我こそが甘利信忠あまりのぶただなりーー!」


「ああ、またやってるよ」


「奴は好きだからねーー」




忍者軍団によって情報操作して、敵側をかく乱。


「この裏切り者が!」


「お前が裏切ったからだぞ!」


同士討ちまでさせて一気に攻めた。



下総国の国人は、恐れおののき領地安堵を願い出た。

安房国も同様に領地安堵を願い出た。


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