第58話毛利Ⅱ
「百地殿、ここに配置してはどうかな」
「成る程、いい考えだ。少しこちら側にも兵を」
天幕が開き「火急の事態です」と息を切らしている。
「出雲方面より敵軍2万が向かっております」
「なんだと・・・備中へ行ったのではないのか」
「備中へ行き途中で引き返したか・・・我らが罠にはまったようだな」
「百地殿、我にお任せ下され。
「出来るのか・・・」
「2万もの兵なら敵城も手薄にて攻略は容易いと・・・」
「ならば任せる。ここは百地が引き受けよう」
「それでは御免!」
もう、姿を消す薬袋であった。
湊山城を目の前に
「あんな秘密兵器をだして来るとは・・・なにか良い手はないのか」
「ドバーン」と爆発が近くで起きた。
そして、頭上にパラパラと土が降った。
「ここまで飛んでくるのか・・・たった1台の大砲で・・・なんと忌々しい」
「殿、ここも危険で御座います。後方へお逃げ下さい」
「逃げるだと・・・」忌々しく湊山城の方を睨んだ。
「行くぞ!ついて参れ」
薬袋庄馬は、出雲出兵で兵を出さない国人と会っていた。
「それでは、米を2倍に出来る話は本当なのか、嘘は言ってないと・・・」
「まことのことよ・・・ここで一旗上げてみるか、そのほうが良かろうて」
「仲間になる奴は、まだ居るぞ。仲間に引き入れるなら乗ってもいいぞ」
「ああ、いいとも。仲間が増やせ」
すでに我楽忍者によって
吉川元春は、湊山城から離れ過ぎた場所で立っていた。
何度も逃げる度に、心が痛んでいる。
もう、ここで終わりにしたいと思う。
後方で陣中を張り終えて時に、1人の男が駆け寄ってくる。
吉川元春は、嫌な予感がした。
「なにようだ」
「月山富田城、牛尾城、熊野城、三沢城、赤穴城が落城してると報告が、このままで出雲の全てが危うい御座います」
「なんと・・・これまでか・・・」
「殿、いかがなされますか・・・」
「無駄に配下を殺すのも忍びない。降伏すると使者をだせ」
「は、はーー」
出雲と伯耆が負けた瞬間であった。
「このままでは毛利は滅びるのは必定・・・なにとぞ無念ですが周防、長門で我慢をして下さい。お願いで御座います」
「大砲とは、どうのような武器なのじゃ」
「大砲は恐ろしいものです。大爆発が起きて周りの者を呆気なく殺してしまいます。それも聞くと2里も離れた所からでも飛んで来ると・・・あれには勝てませぬ。ここでは、言い難いのですが連れて行った兵の多くが
「なんと、そのような武器があったとは・・・」
「元春が言うなら本当のことなのだろう。2人もここで諦めてくれぬか・・・この通りじゃ」
「父上、某も反対はしません」
「某も・・・」
- - - - - - -
織田信長は、必死に馬に乗って駆けている。
後ろを振返ったが余りにもまばらな人数だ。
それでも走り続けるしかない。
あの一揆さえなければ・・・
備中に入っても戦いはない。
「なぜ戦ってないのだ」
- - - - - - -
三好は、長宗我部元親を討ち取って勝ち
「えいえい、おーー!!えいえい、おーー!!」
伊予に協力を仰ぎ土佐を手に入れたのだ。
「後は毛利か・・・」
「殿、ご報告があります。毛利が降伏したようです」
「なんと言った。もう1度言ってみよ」
「毛利が降伏しました」
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