第52話播磨国・備前国
「ここからは播磨だぞ!気を引き締めろ!」
ああ、暴れん坊が兵に向かって怒鳴ってる。
結構、離れているのに聞こえてくるとは・・・
俺は、足軽の
「おい!お前は新入りか・・・」
「いや、加賀から来た古参だよ」
「ほう・・・加賀から来たのに足軽のままなのか」
「色々あるんだよ」
途中の寺で一休みだ。
前もって決められた使者が影武者に向かって
「行って参ります」と言い残して去ったよ。
影武者は、声を掛けそびれてたぞ。空しく差し伸べた手が・・・
播磨の城持ちの国人に使者を送りつけたんだよ。
あ、新たな使者が影武者の前で跪いたぞ。
「某は、三木城の
「そうか・・・体を大事にな」
「ありがたき言葉に・・・それでは、行って参ります」
今度は、声を掛けられてホットしてるぞ。
まだまだ修行が足らないなーー。もっと頑張ってくれよ。
あ!いつの間に忍者のムササビが俺の後ろに居たぞ。
「播磨国は、てんやわんやで御座います・・・それと宇喜多が不穏な動きが御座います」
「なんだと・・・あの狡猾な宇喜多か・・・」
「播磨に攻め入るかも・・・」
「確かな情報を掴んで来い」
「は、はーー」
あれ!もう居ない。
三木城の城内では、別所安治と使者が対面してた。
その場で使者に「どうか領地の安堵をお願い出来ないか」と言ってきたぞ。
しかし、俺は知ってるぞ。
木下秀吉に味方する素振りをみせて裏切ったりする者が続出。
もう、やってられない程に織田信長は、怒ったらしい。
だから裏切りを前提に、領地安堵を許す作戦を決行。
使者も前もって知ってるので、すんなりと約定を交わしてた。
そんな国人の約定を携えた使者が戻って来た。
そんな使者の書状を読んでる最中に、それは起きた。
「なんだ!あの軍勢は・・・」
「旗での判断では、宇喜多軍のようです」
「まんまと罠に入ってきたのか・・・愚か者が・・・」
宇喜多軍は、奇襲の積もりのように攻め入ってきたぞ。
柵が無いので勝ったように威勢がいい。
しかし、
その塹壕から顔を出してライフルを構えてる。
「撃て!撃って、撃ちまくれ!」
銃声が鳴る度に、宇喜多軍の兵は倒れ続ける。
「なぜだ!!奇襲なのに・・・見破られていたのか・・・軍勢を引かせろ!撤退だ!なんて失態だ」
撤退場所も想定済みだ。
その退路にも塹壕が掘られていた。
合図の花火が「パン、パン」と2度打ち上げられる。
最新のボトル・アクション・ライフルを持った兵が塹壕から狙い撃ちだ。
スコープで狙いを定めて、眉間を狙い撃つ。
武将は、馬上から転げ落ちる。
あっちでもこっちでも武将が転げ落ちたぞ。
とうとう
「殿!・・・」
「三郎!殿は!」
「もう、死んでいる」
宇喜多直家が支配した備前国まで攻め入ったぞ。
大方の武将は撃ち殺したので、呆気なく城を手に入れた。
乙子城、富山城、天神山城、亀山城が落城。
岡山城を包囲されて大砲の出番だ。
「準備にかかれ!」
「砲弾ヨシ!狙いヨシ!準備が整いました!」
「撃て!」
撃ち出された砲弾は、城の中で「ドカン」と爆発したぞ。
突然の爆発で城内はパニックだ。
「三言さま、
「でかしたぞムササビ、あれが子の万吉と次郎か・・・どっちが黒田官兵衛なんだ。やっぱ長男が怪しいが2人とも雇えばいいか・・・」
あ!小さい兄弟がお辞儀をしたぞ。
「万吉で御座います」
「次郎で御座います」
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