第51話丹後国・但馬国




丹後の寺で陣中で休憩してる中で、ダダダダダッと走りながら通信担当がやって来たぞ。


「大変で御座います」


「何を騒がしくしてるのだ。三言さまの御前であるぞ」


「しかるではない。急ぎの連絡でもあったのだろう」


「加佐郡建部山城主たけべやまじょうしゅの丹後国守護一色義道いっしきよしみちがこちら側に落ちました」


「なんだと!・・・それって海から攻めた軍勢がやったことなのか・・・」


「そのようで御座います。丹後の国人の全て従うと・・・はせ参じているとの知らせです。そして但馬国も同じように従うと・・・」


それって本気か・・・





仕方なく寺に滞在。

丹後、但馬の人々を来るの待ったよ。


1番にやって来たのが一色義道。



家臣の稲富直秀を引き連れて部屋に入ってきたよ。

3メートル離れた場所に姿勢を正しながら座ったぞ。



「某が一色義道で御座います。宿敵の若狭武田を成敗したことを心より祝福しております」


「将来的に将軍とも仲違いするやもしれぬが良いのか・・・」


「それも時代だと悟っております。あのような弱い将軍では、下克上では生きるのも無理かと」


「それで、金で雇われる身分で良いのか・・・」


「手柄をたてて三言さまに有用な人物と認められれば、領地が与えられる道があるかと・・・」


「まあ、それもあるな・・・」


「それならば雇って下され」




遅れること2日後に、但馬の人々がやって来たぞ。


但馬国守護は、山名祐豊やまなすけとよだったが全然まとまってない。

但馬国内でも祐豊が完全に掌握しょうあくできているのが出石郡のみだよ。



養父郡は八木豊信やぎとよのぶ

気多郡は垣屋光成かきやみつなり

城崎郡は田結庄是義たいのしょうこれよし

朝来郡は太田垣輝延おおたがきし

養父郡は八木豊信やぎとよのぶ

三含郡に垣屋豊続、七美郡には田公豊高。


どうも尼子晴久あまごはるひさの謀略のせいらしいぞ。

分断して攻め入る予定だったが、反対に毛利に攻め取られた。



山名「どうか毛利から我らを守って下され」


毛利に対して危機感があるみたいだな。


八木「三言殿には、田畑の知識が豊富と聞き及んでます。どうか我らの農地にも、その教えを広めて下され」


こっちは農業か・・・





そんな訳で田吾作じいさんと千秋がやって来たぞ。

千秋は農協団体を指揮して農業改革に取り組んだ。


お百姓さんを集めて講義。


そして、田畑を見回って「この区域とこっちを統合して田を広げます」


「そりゃーー困るだ」


「なぜ?」


「あっちは、天秤屋てんびんやの田だ」


「だから、こっちで面積を割り出して分配するので大丈夫よ」


「それは、どうやって」


ノートに計測されあた数値を書きだし、面積を求めだした。


「これが答えよ」


「この数値がオラの土地か・・・」


「そうよ・・・わかった」



そうなのだ。

この時代の和算は、『九章算術』などで連立方程式なども解ける実力があったのだ。

土木・建築・財務・暦の計算などにある程度の数学が頻繁に使われていた。



約術 : 数値の簡単化の方法

招差術: 方程式の係数の決定法

角術 : 正多角形の各数値の関係式問題

円理 : 円や曲線の諸問題


様々な分野において、数学の研究あるいは新たな発見をしている。




新たな田に耕運機が「ダダダダダ」と動きだすとお百姓さんの驚きは半端無い。


「こんなに簡単に耕せるなんて・・・」


「さあ!あなたもやるのよ!」


「オラがやるのか・・・」


「ダダダダダ」と動きだすと「誰か止めてくれーー」



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