第50話丹波国
盆地の間に山地が隔てている。
それが丹波国だよ。そこに攻め入った。
「なんだあの山城は・・・」
小さな万里の長城を思い出すような景色だぞ。
「八木城で御座います。城主は
内藤忠俊は、なんと丹波守護代である内藤国貞の娘婿。
8年前に国貞が討死すると八木城に入り、子・千勝(貞勝)を内藤の家督を継がせたらしいぞ。
内藤忠俊は、その後見を務めているのだ。
それに三好氏の重臣である松永久秀の弟・松永長頼の息子なのだ。
つまり三好の手先なのだ。
「それにして山城を複合的に土や石で、見事に囲っております」
そうなんだよ。
俺も驚くような囲いで鉄壁に守ってるぞ。
ササササと駆けよる者が・・・ムササビだ。
「三言さま、黒井城を暴れん坊が攻め落としました」
「何!もう、落としたのか・・・」
「赤鬼と呼ばれる程に暴れまくった攻め方で御座います。半数以上を1人で殺しまくったようです」
又も暴走したようだな。
「もう、八上城へ向かっているようです」
ほほーー、そんなに頑張ってるのか・・・
「三言さま、八上城の城主は
つまり三好の敵になるのか・・・
俺は、この八木城を巨大カタパルトでめちゃくちゃにするのは、もったいないと思うよになったよ。
普段着のままで1人で門まで歩いていった。
何度も何度もとめられたが「大丈夫だから任せろ」と言ってなだめたよ。
もう心配症なんだから・・・
「頼もう!
あ、門が開いたぞ。
「早く入れ!」
ああ、好奇な目で見られてるな。
そんな目線を無視して、時限式ガス噴射機をアイテムボックスから瞬間移動で見えない位置に瞬間移動だ。
粘着両面テープでしっかり付いたぞ。
それを繰り返しながら案内された。
「お主が加賀三言寺の使者か・・・」
俺から離れた位置に座ってるのが内藤忠俊。
それを守るように座ってる連中も
「某は、紀伊国屋文左衛門です」
そして、懐中時計をチラリッと見た。
懐からガス噴射機を出して、前に置きながらコックを開いた。
「シューー」とガスだ噴出。
俺は、瞬間移動で八木城から一瞬で消えた。
「奴が消えたぞ」
「これはどうしたことだ!」
「あ!体が!これは妖術で御座います。お逃げ・・・くだ・・・」
八木城の兵は、全て捕縛。
目を覚まして時には、負けたことを知るのだった。
「いつの間に縛り付けたのだ」
「殿、アヤツは紀伊国屋文左衛門ですぞーー」
「お前は、あの時の・・・もしや・・・三言か」
ちょっとバツが悪いような顔しながら言い放つ。
「たしかに三言だ。もう三好には将来は無いだろう。よく考えよ・・・そなたに選択を与えよう・・・金で雇われる身分か丹波国からの追放のどちらかだ。好きな方を選べ」
正確に日本地図を見せながら説明してやったよ。
初めて見る地図だから驚いていたな。
そして、領地にした国々大きさの比較してやった。
「これが丹波国だと・・・嘘だーー」
「現実を見ろ。どう考えても三好の石高と加賀三言寺の石高でどっちが強いかハッキリしてるぞ」
現実を知った内藤忠俊は、泣き出したよ。
そして、泣きながら「家臣にお願いします」とポツリと言った。
「三言さま、あれに見えるは
え!少ない軍勢で休憩していたら、ちょうど良い機会だと奇襲して来るとは・・・バカ奴らだ。
まんまと罠にはまったぞ。
「ほら貝を鳴らせろ!」
遠くまで響くほら貝の音が響き渡った。
隠れていたライフルを持った兵が現れて、空砲を放った。
もう、周りを囲むように味方があっちこっちから現れて驚いてるぞ。
数を数えるまでも無く、こっちが圧倒的な数だと分かるほどだ。
しまったと思った瞬間には手遅れだ。
「こんなに隠れて居たのか!してやられたぞ」
「これは・・・罠だったか・・・」
「殿、全てが鉄砲で御座います。このままでは全滅です」
「分かってることを言うな・・・」
武装放棄して降参して来たぞ。
「某が赤井忠家で御座います」
「そなたの選択は、金で雇われる身分か国外追放のどちらかだ。好きな方を選べ」
「領地安堵は、無理ですか・・・」
「そなたは逆らったのだ。1度逆らった者が2度目があると考えないのか・・・意味することは分かるな」
「分かりました。雇われる身分でかまいません」
これで丹波国26.4万石が手に入った。
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