第36話勧誘




越前49.9万石を俺の土魔法で、未開の土地を開拓して10.1万石もバク上げしたよ。

ここが済んだので三河に瞬間移動で行った。





へーー!この子が日本槍柱七本にも数えられている本多忠勝ほんだただかつなのか・・・


槍の【蜻蛉切】は有名だ。

槍の先に止まったトンボが真っ二つになったという逸話があるんだ。


「蜻蛉が出ると、蜘蛛の子散らすなり。手に蜻蛉、頭の角のすさまじき。鬼か人か、しかとわからぬ兜なり」と忠勝を読んだ川柳もあるぐらいだよ。



本多忠勝は、三河一向一揆で多くの本多一族が敵となったのに一向宗(浄土真宗)から浄土宗に改宗して家康側についた。

宗教に、こだわりがない人物だったようだな。




「歳はいくつだ」


「11で御座います。名は本多鍋之助で御座います」


ほう、いっちょまえに大人言葉を話せるのか、叔父の忠真がしつけたみたいだな。

父親は、1歳の時に戦死。戦国時代あるあるの話だ。


「ここに新たな開拓した土地が1万石がある。どうだこの1万石で仕える気はあるか・・・」


「はい、お任せ下さい。松平は滅びましたが遺恨は御座いません」


「よく言った。しっかりと頼むぞ。それに名を忠勝とすると良い。勝の字は縁起がいいからな」


早く名を変えさせてやったよ。

あれ!離れた先には、心配そうに叔父が見てるぞ。




寺の住職が手をつなで来た子も11歳と聞いた。

そのノコノコと歩く姿は可愛いではないか・・・


「この子はよく本を読んでます。そして書く文字も達筆で御座いまして、お眼鏡にかなうかと・・・」


坊主だからって、なんでもかんでも殺しはしないぞ。

汗をかきながらブルブルと足を揺らすなよ。

まるで俺が恐喝きょうかつしてるみたいだぞ。



「和尚をいじめないで下さい」


ほらほら誤解されたぞ。


「小平太、いじめられてないから・・・さあ、あやまるのだ」


「なぜ、あやまる必要があるのだ。悪いことはしてない・・・それに和尚、悪さする者には注意するように言ってるではないか・・・」


「申し訳御座いません」


「気にするな・・・その子が榊原長政さかきばらながまさの次男か・・・」


「はい、さようで御座います。父親は、先の駿河の戦いで戦死しております」


「あの時は、留守をしてたから・・・あのようになって後悔してるよ」


「そうで御座いましたか・・・して、この子をどのように・・・」


「加賀三言寺で召抱える積もりだ。1万石で仕官する気はあるか・・・」


「和尚、この人に俺を売るのか・・・」


「何をバカな・・・なにぶんにも子供ですのでお許し下さいませ」


「和尚も、孤児として育てているのだろう。後見人となって育ててほしい。それにな・・・和尚の教えが悪いものでないことも分かってる積もりだ」


「ありがたき幸せです」


和尚が泣いてどうする。

将来、徳川四天王と呼ばれる榊原康政さかきばらやすまさが困った顔をしてるぞ。


確証は無いのだが、この子しか生きてないからね。

先行投資のつもりだよ。


徳川四天王の事は、よく知ってるんだよ。

徳川オタクが自慢げに話してた。


榊原康政と本多忠勝は、同じ歳で仲が良く親友同士だったらしい。




ああ、忙しい。

ここ三河も29.1万石を44万石まで開拓したよ。



急いで遠江25.5万石を35万石にしたぜ。

残るは駿河。





駿河に来た途端に潮の香りがしたよ。

もう、夕暮れにちかい。


駿河湾と秋と言えば桜えびの漁が思いだす。

日中は、200~300メートルの深海に生息しる桜えび。

夜になると餌を求めて浅い場所まで浮上。


なので、桜えびの漁は夜なんだ。



俺は、漁村にやって来たぜ。

漁師を集めて桜えびの話をする。え!反応がイマイチだぞ。


「三言さま、桜えびってなんだ。あまり知らない・・・」


そうなのか・・・桜えびを取ってないのか・・・


桜えび漁をするために、2艘曳そうひき網漁が最適だ。

海にドンと2艘をだす。


「なんだこれは・・・」


「とんでもない奇跡が・・・」


「四の五の言わずに乗れ」


もう、無理やり乗せたよ。エンジン始動。


向こうに乗った連中にもレクチャー済みだ。

始めはゆっくりと出航だ。


「おお、勝手に動いてるぞ」


「これは、どうな仕組みなんだ」


もう、騒いで仕方ない連中だよ。


ああ、暗くなった夜は、ライトが必要だ。

ライトのスイッチをオン。


「なんだ、この光は!」


「海のおばけだ!!」


「違うって、これはライトだよ」


もう、騒いで困るよ。



桜えびは、錬金術を使って居場所つきとめたぜ。

熟練度が上がったからね。



1回の網で150箱を水揚げしたよ。

1ケース15キロ。中々の大漁だ。


「さあ、引き返すぞ」


桜えびは、日本国内では駿河湾のみしか水揚げされない。

なぜなんだろうな・・・



陸に立った俺は、料理をするぞ。


小麦粉をまぶして馴染ませる。

そして、てんぷら粉を薄っすらからませる。

ごま油がたっぷり入った鍋で温度は190度。


お玉の桜えびを投入。

ぱちぱちとあがってる。

真ん中をハシて突く、ばあっと広がるからハシで丸くする。

中まで火を通すには必要。いい形になったぞ。

そして、ひっくり返す。


いいぐらいになったぞ。

油をきる。


皿に大量に盛りつける。


俺は、天つゆ派だ。天つゆにつけて「あふあふ」って食べる。

ああ、新鮮だから美味しいぞ。たまらん旨さだ。


「なんだ、お前らも食いたいのか・・・料理の仕方は見て分かってるな、好きなだけ揚げて食え」


早速、漁師達はやってるぞ。


「こんな旨いもの食ったのはじめてだ」


「俺にも食わせろ」


静かに食えよ・・・生桜えびの海鮮丼も食べたよ。




今回、今川氏が支配した領地の石高合計は、69.6万石。

三河29.1万石

遠江25.5万石

駿河15万石



対して尾張は、57.2万石。

結構、尾張はいい線いってる。


なのに今川の猛攻撃にピンチになった。

今川の数が1万~4万5千とも言われてた。

対する織田は、防戦したがその兵力は1万も達してない。

弟の戦いも数年前で、尾張がまとまってなかったのが原因だろう。


まとまりが無いと弱くなるんだな。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る