第33話近江
なんで一色義龍と共同で近江侵攻しなきゃーーいけないんだよ。
長島侵攻が終わった時だ。
陣中に帰蝶が陣中見舞いに現れたよ。
信長に戦勝おめでとうって言ってたな。そのまま黙って見てたよ。
織田信長に伊勢侵攻を任せると言った途端、織田軍を引き連れて行ってしまったよ。
短気過ぎる。影武者も驚いてたよ。
その後、帰蝶は一色義龍の手を引張って俺の前に来たよ。
そして天幕をひらりとめくって開いた。
え!って驚いたよ。目と目が合った。
「三言さま、誤魔化してもこの帰蝶には分かっております」
一色義龍も驚いてたよ。
陣中の幕の外に聞き入っていたのに・・・見破られるとは・・・
帰蝶は、ただ者ではないぞ。
帰蝶「この兄、一色義龍にも近江侵攻をお任せ下されませ。浅井と六角を攻め滅ぼしてみせます。三言さまは、伊香郡、高島郡の高島七頭をことごとく手に入れませ。三言さまが出れば戦わず高島、朽木、永田、平井、横山、田中、山崎など軍門に下るでしょう。そのかわりライフル隊500人をお貸し下さい」
ライフル隊を貸せだと・・・なんと田吾作じいさんと同じだよ。
よせ、そんなに見詰めるなよ。
とうとう根負けしたよ。
「そちらが失敗しても責任は持てないよ。それでも良いのか・・・」
「それは覚悟してます。そうですね兄上」
「ああ、覚悟は出来てます」
侵攻日を決めて同時に攻め入った。
美濃の一色義龍と帰蝶は、何やらやってたみたいだ。
忍者からの報告だと・・・
こっちも忍者軍をつかって噂を流したからね。
南無阿弥陀仏の旗をたなびかせての近江侵攻。
赤の旗もあれば黄色の旗もあるからね。遠くからもよく見える。
ことごとく軍門にくだって来たよ。
伊香郡の者が馳せ参じたよ。速いねーーって感心してしまう。
領地安堵を願いでて来たんだよ。今回は許そう。
そして、全て影武者が対応したよ。
もう、楽できて良かった。
陣中の天幕の穴からのぞいた。
あれが高島七頭の面々か・・・影武者に対して名を名乗ってるな。
「
凄いこと言ってるね。
今、聞いた話だと高島の分家が朽木、永田、平井、横山、田中らしいぞ。
そこに違う所から山崎氏を一族に組み入れたみたいな。
あの男が高島か、手前に居るのが朽木か・・・
朽木は将軍が逃げ込む領地だよな。信頼できる人物だったらしい。
たしか時代小説で書いてあったよ。たしか徳川幕府にも仕えていたらしい。
1万石だったかな・・・
ああ、滋賀郡の者が先行部隊と戦ってるって・・・ええ!って感じだ。
こっちは大国なのに、のほほんとしてたのか・・・情報に
本体が行くまでに全て終わっていたよ。
ああ、ここは飛び地になるのか・・・
遅れてやって来た田吾作じいさんは「これが淡海乃海なのか」とのんびりした意見を言ってる。
色々と仕事があったみたいだけど、琵琶湖を見た事がないからなのか・・・
「三言さま、報告に伺いました」
誰かと思ったら
急に現れるから・・・心臓に悪いことするなよな。
「どんな報告だ」
「一色義龍が浅井親子が焦ってる中、浅井家中の者を寝返りさせて小谷城を攻め落としました」
「それで親子は・・・」
「その場で殺したそうです」
「ほう、殺したのか・・・」
「それだけでは御座いません。野良田の戦いでライフルによって六角を打ち破りました。その勢いのまま次々と城を攻め落とし、観音寺城を昼夜ライフルで攻め立てて落城させました」
「観音寺城を落とした・・・」
「はい、夜は闇夜にまぎれて火炎瓶なるものを投げ入れて火を放ちました。もう、よく燃えまして御座います」
それでは、おちおち眠れないぞ。
「そして、3日過ぎには城内から奇声が発せらて、それを合図に総攻撃してあっという間で御座います」
徹夜続きでストレスがたまって、どうしようもない状況だったのか・・・
「親子ともども討ち死にしました。そして甲賀も手に入れました。その甲賀を三言さまに差出すと申してます」
なんと・・・忍者軍団を集めているのがばればれなのか・・・
あまり秘密にはしてないが・・・
帰蝶は、絶対に忍者を雇ってるはずだ。
「甲賀・・・甲賀忍者の甲賀か」
「はい、さようです。甲賀忍軍はすでに諦めたようで抵抗することなく降伏したようで御座います」
「抵抗しなかったのか・・・」
「なんでも山に隠れていても、ライフルによって遠い所から撃ち殺されてどうしようもなかったようです」
倍率の良いスコープをつけたからね。
あれって良く見えるんだよね。双眼鏡もわたしてるからね。
双眼鏡で探しだして指示したのだろう。
もう、狙撃者に近いね。
あ!一色義龍は、鉄砲の産地
まあ、今更だな。
鉄砲の産地ってもう要らないから、自前で良いの作ってるから。
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