第31話観光スポット




三言寺のお参りする人が多くなって困ってるよ。

なので城壁の正門外に新たな観光スポットを作っちゃいました。



京都の三十三間堂を真似たものだよ。

長い廊下の片側に二十八部衆の像が鎮座ちんざしてるんだ。


それも黄金の輝きを放ってるぞ。

なぜってLED照明でライトアップしてるからだよ。


それだけじゃーーない。

本物の金を使ってるんだ。



海の海水を大量に取り込んで、錬金術で分解。

大量の真水を確保。


本当は塩を大量に作りたかったんだ。料理には塩が必要だからね。


それで、あらゆる物質が手に入ったよ。


その中に金もあった。


全て金で二十八部衆を作ってないよ。

銅で作って3ミリの金コーティングだ。神々しく輝いてるぜ。

これを見たら、きっとひざまずくだろう。


その黄金の像がずらりと並んでるんだ。

勿論、盗まれないように強化ガラスでおおわれてる。


それに忍者も見張ってるからね。



那羅延堅固ならえんけんご 上半身は裸で力士のように筋肉もりもりの姿   金剛力士(仁王)の阿形そっくり


難陀竜王なんだりゅうおう 武装像で両手で竜の体部を支える   【千手経】の受持者を守る龍王


摩睺羅まごら   目が5つもあって頭には蛇が乗っていて琵琶を抱えている   八部衆の1人


緊那羅きんなら  女神で両手にシンバルのような楽器を持つ   八部衆の1人


迦楼羅かるら   顔が鳥で横笛を吹く   八部衆の1人


乾闥婆けんだつば   羯鼓かっこを叩く動作をする   八部衆の1人


毘舎闍びしゃじゃ   上半身は裸で右手は肩の辺に上げ輪宝を持つ   悪鬼


散支大将さんしたいしょう  武装像で右手は腰辺に構え独鈷杵とっこしょを持ち、左手でげきを支える   夜叉神


満善車鉢まんぜんしゃはつ  武装像で右手は肩辺に上げ独鈷杵を持つ   満善と車鉢羅婆の夜叉神


摩尼跋陀羅まにばだら 武装像で右手は胸の辺に上げ独鈷杵を持つ   八大夜叉大将の1人


毘沙門天びしゃもんてん  武装像で右手で戟を支え、左手に宝塔を捧げる   四天王の1人で北方を守護(多聞天)


毘楼勒叉びるろくしゃ  武装像で右手は振り上げて剣持つ、左手は腰にあてる   四天王の1人で南方を守護


婆藪仙ばすせん   上半身は裸の老人で右手で杖をつき、右腕の上に左腕を乗せ経巻を持つ   千手観音の脇侍


大弁功徳天だいべんくどくてん 唐装の女神で両手を胸の辺に上げ、右手に剣、左手に宝珠を持つ   千手観音の脇侍


梵天王だいぼんてんおう  衣の下に甲を着する、右手に宝鏡を持つ   帝釈天と一対で安置されることが多い


帝釈天王たいしゃくてんおう  衣の下に甲を着する、右手に宝鏡を持つ   梵天と一対で安置されることが多い


持国天じこくてん 腹前で両腕を交叉させて左手に短刀を持ち、右手は太刀を地面に突く   四天王の一で東方を守護


毘楼博叉びるばくしゃ  武装像で兜を被り右手は腰前に構え独鈷杵を持ち、左手で戟を支える   四天王の一で西方を守護


薩遮摩和羅さしゃまわら 上半身は裸で右手は肩の高さで掌を開き、左手には鳥のついた杖を支える


五部浄居ごぶじょうご  武装像で左手は胸辺で剣を縦に構える   八部衆の「天」に相当


金色孔雀王こんじきくじゃくおう 武装像で顔面が裂け、中から別の顔が現れる異相、右手は振り上げ剣を持つ


神母女じんもにょ   老女で合掌している   鬼子母神の名で知られる安産、子育ての女神


金毘羅こんぴら   武装像で兜を被り両手を腰の辺で構え、右手に矢、左手に弓を持つ   海神


畢婆伽羅ひばから  武装像で左手に剣を持つ


阿修羅あしゅら   三面六臂の異形   八部衆の1人


伊鉢羅いはつら   武装像で右手に小槌、左手に蛇を持つ


娑伽羅龍王さがらりゅうおう 武装像で頭上に5匹の蛇があり、右手に剣、左手に蛇を持つ   八部衆の「竜」に相当


密迹金剛士みっしゃくこんごうし 上半身は裸の力士で口は閉めて、右手は腹の高さに上げ掌を開き、左手は腰の辺で拳をつくる   金剛力士(仁王)像の内の吽形像に相当



ああ、凄いよ。

金閣寺も見劣りするね。





大勢の人がお参りしてるよ。

ここの山門には、風神と雷神が睨みをきかしてよ。


後ろから棒で支えてるが、空中に浮かんでいる演出をしてるんだ。


たまに風神から風が吹いたり、雷神ではピカピカっと光ったりしてる。

忍者が遠隔操作してるけど、決まった時間でないので、待ち続ける人が続出。


誰が広めたのか風に吹かれると無病息災になるらしい。

風に吹かれたからって病気にならず、健康であるなんて嘘だよ。



あ!誰だ。賽銭箱を置いたのは・・・

もう、さい銭を投げ入れて拝んでるよ。


「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」



ああ、田吾作じいさんが来たよ。配下10人を連れて・・・

賽銭箱の裏側でスコップで銭をネコ車に「ジャラララジャラ」ってぶちまけたよ。

何台もネコ車が運ばれだした。


「ああ、腰にくるねーー」


「かわりましょうか・・・」


「これも御仏に仕える修行だから、おまえさんは運びなさい」


「仰せのままに福門主ふくもんしゅ


なに・・・福門主って・・・聞いてないよ。


なんやかんや田吾作じいさんは、ここに居るからね。

まあ、聞かっなかったことにしよう。

それとも小言でもいっておくかな・・・





三十三間堂にも多くの参拝者が来てるよ。


看板に『金色こんじきに輝く二十八部衆』って書いてあるからね。

長い長い列が出来てるよ。



左には、金閣寺。

金色に輝いてるよ。


それに池の中にぽつんと建っている。

だから金閣寺に入るには、池に入るしかない。

あの池、結構深いからね。



池に映しだされる金閣寺と相まって、いい眺めだよ。

なので、来る人来る人が見てざわつくんだ。


え!池に、さい銭を投げ入れている・・・もう、しらん。



ちょっと歩き続けると銀閣寺が見えた。

銀色に輝いてるね。


数年すれば、変色してしまうだろう。

そのつど錬金術で蘇らせるのも・・・それはそれでありかも・・・

翌日に、輝きを取り戻した銀閣寺は、更に噂になるかも・・・



やっぱ金閣寺の方が見栄えがいいよね。



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