第24話三河
田吾作じいさんは、まだまだ反省してないのかトンでもないことを言って来た。
「これは仕方ないことなので、どうか今川家をお取りになって下さい。それが民のためになることを良くご存知のはずです。武田に向いた意識こそ今がチャンスなのです。相模武田に対して兵を集めている今が手薄になった三河国、遠江国を奪い取ってしまうのです。最後には、駿河で決戦して今川を滅ぼすのです」
きっと今川も、なぜ小田原城が呆気なく落城したと思っているだろう。
もう恐怖でしかない思いだ。
「越後は大丈夫だと思うが、越前、美濃、上野はどうする。スキをついて攻め入って来るかも・・・その場合はどうする」
「その場合は、三言さまの得意な南無阿弥陀仏で解決できるでしょう」
何を言ってんだ。
うん? もしや瞬間移動を知ってるのか・・・・・・
あんなに上手く隠していたと思っていたの・・・あっちこっちで調べた歩いた。
俺の戦いぶりを詳しく調べれば、矛盾点が出るのは明白だよね。
A地点からB地点に現れる時間経過が、数分であることからして矛盾だらけだよ。
まあ、言われた通りにするしかない。
SOSで知らされたら、瞬間移動で行ってパパッと解決して戻ればいい。
「武田は、どのような行動に出るのだ。武蔵、
「よくお分かりで、さすが三言さまです。すでに
「それも田吾作じいさんの悪知恵かな・・・」
「まっとうな交渉術です。三言さま」
「仕方ない。私兵2万を集めよ。国々の監視をおこたるな、何かあればSOSで緊急連絡するように徹底するのだ」
信濃に私兵1万が常駐。
前回の戦でめちゃくちゃになった田よ畑の修復中だった。
家の修復までさせていたのが良かった良かった。
とりあえず1万で今川討伐に出発したよ。
残り1万もそうそうに来るだろう。
「前方に今川の兵発見」
あそこが100人、こっちは300人・・・合わせて5000人ぐらいか・・・
高い木によじ登った俺は、双眼鏡で数を数えていたよ。
なんか坊主の数が多いな。
もしかして三河一向一揆か・・・加賀から来たっと知って敵討ちに来たのか・・・
「三言さま、危のう御座います。早くおりて下さい」
もう、うるさいなーー。子供じゃーーあるまいし。
ピッヨンとくるくると回って着地。
体操競技の得点なら9.99かな・・・
「敵兵の数5000人。ライフル隊は射程距離に入ったら撃ち放てーー」
こんど持って来たライフルは、今までの鉄砲と訳が違うぜ。
18世紀後期の先込め式ライフル:カンタッキー45口径を模して作ったよ。
特徴は、銃身の内側に真っ直ぐ斜めに彫られた数本の浅い溝だ。
一般的なライフリングだよ。
火薬を銃口から入れるのは、火縄銃といっしょだ。
違うのは、弾の形状だ。
口径よりちょっと小さい弾で、先が尖っていて底がカップ状にくり抜いたミニエー弾。
火薬の熱でカップの底が膨張して広がり、銃身内の溝にしっかり食い込みながら発射。
回転しながら弾は飛びだす仕掛けだよ。
そのことで飛ぶ距離や命中率が飛躍的あがったよ。
あ!撃ちだしたよ。
ああ、可哀想に心臓部分を狙われて、バタバタと倒れたぞ。
もう、容赦なしだよ。
このライフルも、火縄銃とかわらない製造方式だよ。
銃身は俺が担当。後は職人任せだ。
それが2000丁もあるからね。
1発撃てば2000人が倒れる計算だ。
あ!逃げ出したぞ。
え~と、3200人ぐらいかな・・・1人に2発もぶち込んだのか・・・
誰が誰を撃つのか分からないからね。
あ、又も撃った。
1500人まで減ったぞ。
「三河!三河から攻め落とすぞ!!」
徳川家康は、武田の防衛に向かったみたいだな。
忍者軍団の情報で、なんだかホッとしたよ。
しってる人物を殺したくないからね。
「泣かぬなら泣くまで待とうホトトギス」徳川家康
今回は、待っても無駄になるかも・・・三河を取ってしまうから・・・
あれが井田城か・・・え!
酒井って家康の徳川四天王の1人だよね。
「三言さま、先程から徳川家康と名が出てきますが、そんな方はおりませぬ。
え!徳川でなく松平なの・・・
中に居る兵も少ない。
ちゃちゃって門も開けてくれているよ。
やっぱ
あ、変な所から火の手が上がってるよ。
「突撃だ!!」
門の中で沢山の人が倒れてるぞ。
え!吹き矢で眠らされてるだけなの、鼻に手をやると息をしてる。
「真田幸綱、この者を
「はは」いい返事だ。面倒な事は任せるから・・・
ああ、1時間で終わったよ。
「三言さま、岡崎城が見えてきました」
「適当に巨大カタパルトで撃ちだす石を集めろ」
ここが1番狙いやすい場所だな。
アイテムボックスからドンと3台を置いたぜ。
評判が良かったから1台追加で作ったぜ。
おお、カタパルトの撃ちだし担当がテキパキと働いてるよ。
え!準備出来たの・・・
え!もう撃つの・・・門に直撃だ。
門の片方が吹っ飛んだぞ。もう片方は、ブラブラとぶら下がった状態だよ。
兵から歓声が上がったぞ。
カタパルト担当が距離を調整したぞ。
撃ちだすのは、小石の詰まった麻袋だ。
飛騨の城攻めで、小石がもっとも怖かったと敵兵が証言してたからね。
逃げ場がない程の小石が向かって来るんだ。まさに恐怖だよ。
「三言さま、ご報告があります。西尾城の城主、
めちゃくちゃ寝返るのが早いね・・・
今は許そう。後で邪魔な存在になったら地方の辺ぴな所へ飛ばせばいい。
「真田幸綱、領地安堵を許すと面会で話してやってくれるかな・・・面倒な人みたいだから任せるよ」
「お会いにならないのですか・・・」
「今は忙しいって言っておいてよ」
「分かりました」
サササと下がって行ったよ。
吉良義昭って忠臣蔵の吉良か・・・なんか悪そうなイメージ満載だよ。
地元の領民からは好かれていたみたいだけど・・・
「そろそろ時間だ。全員休憩だ!!降伏して来るから受付班は準備をしろよーー」
30分後には、恐ろしいものを見るように出て来たよ。
頭に血を流しながらも出てきた。
ああ、あの人は足を引きずってるよ。
これで三河は手に入れたぜ。
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