第17話米作り指南書と寺子屋
『米作り指南書』を
もう、なれた手つきで指南書を何冊も作ってるよ。
出来立てホヤホヤを俺の領地にくっばたよ。
勿論、絵入りの指南書だよ。
今まで無い農業改革だ。きっと頑固なお百姓さんも居るだろう。
そう思っていたのに当てが外れたよ。
全てのお百姓さんが言うことを聞くって、宗教のなせる力だよ。
もう良い米が出来ると喜んでいるお百姓さんも居るぐらいだからね。
なので次の段階に進むしかない。
急いで作成した
もう説明して製作するのも大変だったよ。
戸籍原簿であって租税台帳にもなる人別改帳だからね。
そして検地帳でもある。誰がどれだけの田や畑を持ってるか事細かくかいたよ。
町、村の町年寄や名主や庄屋が変更時に4月に報告する義務が発生するんだな。
婚姻や誕生に土地を離れる際に届けでしないといけないなどなど・・・
その人別改帳で改めて、田の大きさで稲の苗を算出。
その稲の苗は、全てが品種改良された病気に強く美味しい米になる予定だ。
それも実る量も半端ない米が生産されるぞ。
植え方も均等にスキ間をあけて植える方法だよ。
これで風通しの良い田になるだろう。
すくすく育ち、もう米は3倍の生産量だよ。
錬金術で肥料も万全だ。
水路も水車を使って、低い土地でも水が流れるようにしたからね。
雨が降らなければ、雷魔法で降らせるから・・・
石高3倍計画の最大のネタは、俺が「
勿論、植物魔法で成長促進、害虫駆除など様々な魔法を駆使してるよ。
俺の声は1里をこえるから、簡単に隅々まで回れるって訳だよ。
下手したら収穫までに2~3回も歩きまわれるかも・・・
変形した田をなくして出来るだけ四角の田にしたよ。
歪な田はそれだけ時間と労力が掛かるから・・・面倒なことだらけだからね。
それに『米作り指南書』が全てお百姓さんに読めるように、区間を決めて寺子屋を作ったよ。
大なり小なり読み書きや計算も出来ない人って居たから・・・
才能が開花したら登用してあれこれさせるのも良いな。
教える先生は、後家さんだったり庄屋か国人にさせてもいいぞ。
どうせ暇してるから、給金はこっち持ちだな。
名誉職だと言えば喜んでやってくれるだろう。
午前から夕暮れまで2交代の子供達だ。
夜間は大人達だ。LED照明も製造済みで設置も完了だよ。
くるくる回る小型風車発電機が頑張ってくれてるから、ガンガン照らして明るいから・・・
いざやったら大人に人気があったぜ。
漫画絵をふんだんに使った教科書だから、持って返って勉強する程だよ。
「1銭なり、10銭なり、13銭なり、願いましては何銭」
「はい」
「はい、はい、はい」
「はい」
「ため吉君、いくら」
「はい、24銭です」
「正解です。良く出来ましたね」
「先生、ありがとうございます」
「今日は手渡したい物があります。竹製の定規です。50センチ定規と言います。家に持ち帰ってなんでもいいから測ってください。これは宿題ですよ」
「はーい」
「それでは今日は終わります。明日も元気で来るのよ」
「起立、礼、先生さようなら」
「皆さん、さようなら」
田吾作じいさんが又も変なことを言い出したよ。
寺子屋で歌を進めてはって・・・どこで仕入れてきたんだよ。
一番勉強が好きなタイプだよ。
そんでもってこっちに丸投げするなんで、しょうがないじいさんだよ。
あ、そんでもって思い出したよ。
高校球児の甲子園での国歌独唱『君が代』。
楽器を使わなくて歌えるし短いからね・・・
君が代は
だから歌って見せたんだ。
歌ってみて、え!もう終わったよ。1分も時間が経ってないよね。
「なかなか良い歌です。心にしみーる歌です」
田吾作じいさんは気にいったようだぞ。
しかし、孫娘は
「八千代ってなに・・・」
「八千年。または、きわめて多くの年月って意味だな」
「細石と巌ってなに・・・」
「細石は小石だな、成長して大きな岩となり、それに苔が生えるまで頑張ったよって意味だよ」
「君は代はってなに・・・」
疑問が尽きない子だね。
「この歌は、祝福を受ける人の寿命を歌った歌なんだよ。だから祝福される人のことだね」
「良い歌だね~」
ありがとうね、お嬢ちゃん・・・
それでもって、さざれ石ってあるか調べてみたんだよ。
京都のなんちゃら神社にあるらしい。
小石が集まったような、結構大きかったね。
それに、さざれ石の由来は、古代の民間信仰にもとづいているらしいだな。
なんか内容が奥深くて含みもあってヤバイ話になってるよ。
歌は『君が代』だけじゃーないよ。
『迷子の子猫ちゃん』を歌ったよ。あれ!この歌のタイトルって『迷子の子猫ちゃん』だったかな。
まあ、いいや。
またまた、孫娘から質問攻めだよ。
おまわりさんってなに、犬が話せるのかって・・・
ていねいに上手く誤魔化せたと思うよ。知らないけれど。
田吾作じいさんも困った顔をしてたよ。
あんたの孫娘だからね。
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