第15話飛騨




越中攻めに参加した者を見渡しながらねぎらう。


「本当によくやってくれた。感謝してるぞ」


もう、晴れ晴れした顔が俺を見てる。


「拙僧は、飛騨に行く。前に言ったように休んでから来い。ムチ打って来ることはないように」


そういい残し走りさった。


どれだけタフな俺なんだ。めちゃ元気に走ってるよ。

もう見えない位置まで来たかな、そのまま瞬間移動だ。




かねてからの作戦通りにやってるいるように見える。

飛騨の対して少数によるゲリラ作戦。


あっちこっちで黒煙があがっているぞ。

あれは、陣中の中ではないか・・・


時限爆弾による破壊工作。

荷台の焼き討ち。

罠の数々のゲリラ作戦。


時限爆弾は、アメリカのダークサイトで製造方法が載ってたよ。

たまたま見つけて会員制だったが、なぜかIDからパスワードが丸わかりだったよ。


又、見にいったがもうなかった。あ、違うな見つけ方がわからなかっただけだ。




あ!服部城より火縄銃が撃ち鳴らす音が絶え間なく響いているぞ。

飛騨の総攻撃がはじまったようだぞ。

あれで何回目の総攻撃なんだろう。

服部忍軍が頑張ってんだ。



そんな光景を見続ける俺は、ふつふつと怒りを込み上げるのを感じていた。

なんの関係もない飛騨がなぜだ!!なんでちょかいを出してんだ!!。

俺が何かしたか!!なのになぜだ!!。



ダダダダと駆け走り大きくジャンプ。

着地しながら飛騨の兵どもをバッタ、バッタ、バッタと斬った。

鬼きり丸と命名した鬼きり丸で斬って斬って斬りまくってやったよ。

もう豆腐を斬ってるようにスッパ、スッパと斬れるよ。


最後は回転斬りをやって一気に数十人を斬ってやったよ。





姉小路良頼あねこうじつぐよりは、ガバッと立上がった。


「なぜだ・・・1人突然来てあれよあれよと総崩れになるなんて、ありえん。夢に違いない。夢なら早く覚めてくれ」


そこに数人の武将が駆け寄る。


「殿、お逃げ下さい。ここぞと後方の5千が崩れ込んで来てます。このままでは、ここも危のう御座います」


「その方が勝ち戦で間違いと言ったではないか・・・それなのに」


「三方攻めに賛成したのは、殿ご自身です。某では御座いません」


「なに!このしれ者が」


蹴りを入れている最中に、俺が参上!!

誰が総大将か見たら分かった。そのまま鬼きり丸をいだ。

首が切断されて、切断面から血が噴出す。


「おい、こいつの名を言え!」


俺の恫喝どうかつにびびりまくりだ。


おののきながら「当主、姉小路良頼様で御座います」


横にあった槍で突き刺して、天高く見せびらかす。

なぜ、そんな行動をしたのか、後になっても不思議であったよ。


「姉小路良頼の首をとったぞ!!お前らは終わりだ。天罰が下るだろう」


その声は1里に達した。


そうなってしまって逃げ出す者は多数。

5000の兵は、後を追って追撃戦で思う存分に活躍だよ。


そのまま兵を引き連れて、あっちこっちの城は攻め立てる。




あ!山城だ!攻めにくいぞ。

もっと近くまで邪魔な木を引っこ抜いてしまえ!

スッポン、スッポン、スッポンと抜いてやった。

大地に手を触れて広い道を作ってしまえ!


この距離なら充分に狙えるぞ。

俺は兼ねてから作っていた巨大カタパルトをアイテムボックスからドンと出したぜ。


「準備しだい撃ち放て!!」


2つの巨大カタパルトから石が交互にボン、ボンと飛び出す。

大きく飛んで柵を簡単に壊す。

バージョンアップされたカタパルトだから飛ぶわ飛ぶわでよく飛んだよ。

角度調節で、高い山でもよく飛ぶようにしたからね。


後は、撃ち出しながら距離や高さ調整をすればいい。


「もっとじゃんじゃん撃ち放て!」


もう、門も半壊だよ。


適当な石が無くなると小石を麻袋に詰めて撃ち出す。

空中でばらけてバラバラと山城に降り注ぐ。

ああ、可哀想に・・・たまったもんじゃないよね。

それでも止めないよ。


「三言さま、休ませて下さい」


「休みたいのか・・・1時間の休憩だ」


ちょっと休憩してたらゾロゾロと投降して来て、泣き崩れてるんだよね。

それで許してやると笑顔で「ありがとう御座います」と喜ぶんだよ。


もう、あっちこっちで降参だよ。

誰も助けてくれないからね。


呆気なく飛騨討伐は終わった。


姉小路良頼の家族や家臣は「好きなだけ財産を持って、この地から去れ。1日の猶予をやるから」

ここで俺もようやく落着きを取り戻したよ。


「ねえねえ、飛騨の忍者赤影って居る」と聞いたんだよ。

「居ません」って返事が返って来た時は、がっくりだよ。

ちょっとは期待してたから・・・『赤影参上』の決まり文句が好きだったな。

だから服部には『服部半蔵見参』にしたのに・・・




服部忍軍が報告にやって来た「全てが飛騨から立ち去りました。残った者は金で雇われることを承知しました」


「ご苦労だった」


それを聞いたのが2日の昼だったよ。

そばに居た青葉一あおばにのまえに飛騨を任せた。

加賀国でめきめきと才覚をあらわした20歳の男だ。


同じ年代から慕われているいい奴だ。


「え!某がですか」


「ああ、そうだよ。任せてもいいよね。後で頼れる者をつけるから楽しみにしてね」


「もっと適任者がおります。某に勤まるとは思いません。その頼れる御仁に任せては」


「なにを言ってるの・・・じじ臭いことを言うな。やって砕けろだよ」


「・・・・・・分かりました。やってみます」


「ここも越前と美濃と信濃の3国に接してるから注意が必要だよ。なんかあったらSOSで知らせるように、分かった」


「お任せ下さい」


「よく言った。石垣職人を寄こすから3~4日までろう城出来る城にしてくれると助かるよ」


「は、はーー」



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