第9話ズワイガニ




暗殺者40人が血を流してあっちこっちに倒れてる。


どこの誰に雇われたのかも分からない。

きっと尋問して白状しても嘘の白状なら・・・疑心暗鬼になる。

それくらいなら知らない方がマシだ。


全て俺が倒してやった。このクソ野郎が・・・中々転ばなかった。

後で分かったことだが、阿片アヘンを使っていやがった。



火縄銃が2丁も使われた。

堺の経験ですぐに臭いに気づき行動。

風上に居ることがバカでしかない。

猟師なら誰でも知ってることなのに・・・本当にバカだよ。


瞬間移動して火縄銃を持つ2人を斬った。

え!なぜって顔をしてたけど、そんなの知ったことではないぞ。

そして、手の持っていた火縄銃を見た瞬間、根来ねごろで作られた火縄銃と確定。


国友、堺、根来の全ての火縄銃は、入手済み。

その特徴は、3つとも違うことは研究済み。

最大の武器を調べるのは、当たり前で俺も考えてるよ。


▼『孫子』謀攻篇

彼を知り己を知れば、百戦あやうからず。

敵についてよく知り、自分についてもよく知っていれば、何べん戦っても負ける危険はないって意味だな。



その後は乱戦だが、一方的な殺戮さつりくといってもいいかな。


最後の1人は優秀だった。

しかし、相手が悪かった。最悪の相手をした気分だろう。


「末代まで呪ってやる」と言い残したのが印象的だったよ。


服部半蔵には、あっちこっちの忍者に声をかけて召抱えるように仕向けてる。

今は、1つと話し合い中だって。

それで全ての忍者集団無理らしいが、数人でも引張り込めばいい。

それを使って情報網のネットワーク的なものを形成する。


後は、情報操作や情報収集も楽らくだね。

だって忍者って忍者同士で情報の売り買いもしてるとかしてないとか・・・


これで、俺の暗殺情報も手に入りやすくなるだろう。



そして、ゆっくりと確認する。



【LV9になりました】

【雷魔法を取得】



なんと雷魔法で雨まで降らせることが分かった。

めちゃくちゃありがたい魔法だ。

雨が降らない日々が続いても、雨乞いをしなくてもいい。


「雷よ、雨を引き連れて来い」


それだけで、雨が好きなだけ降ちゃうなんて凄すぎる。



「三言さま、この者達は」


「あ、御坂左門みさかさもんか、こいつらは暗殺者だ。何か持ってないか調べてくれ」


「は、はー、かしこまりました」


左門は、配下数名と死体を丸裸にして徹底的調べてるけど、普通そこまでするかな・・・

死んだら文句も言えないけど・・・


銭はたんまり持ってた。

折角だから左門に全ての銭をやったよ。

物凄く喜んでる。

火縄銃は持って帰るけど、いいよね。




「それで、あれが左門の船か・・・」


「はい、そうです」


大きからず小さからず微妙な船だよ。

加賀一の船らしい。


他の船は、長さ4.5メートル~9メートル、幅1.5ぐらい。

帆も1本で手漕ぎも可能で、帆走時には舵としても使われるみたいだな。



「それでは出発だ!」


最初は漕ぐんだ。

入り江を出て2本の帆を張った。

なんか上手く使ってるんだな。



「ここが、海が深い所なんだな!」


「はい、海をのぞいても見えない程に深いと思います」


「それでは、ブイを投げるぞ!引張られないようにカニカゴを投げ入れろ!」


赤玉の旗がついたブイを投げ入れる。そして同時におもりも投げた。


それに引張られてようにロープがスルスルと引張られる。

焦ったのは左門だ。


タイミングを合わせながらカニカゴを投げる。

投げ終わっても安心できない。

次のカニカゴがあるからだ。

慌てて足を滑らせる。いわんこっちゃない。


なんだよ海の人間が・・・足腰がなってないぞ。

そんなにのんびりしてられないぞ。

俺も慌ててカニカゴを片手で掴んで投げた。


危なかったぜ!間に合ったぞ!


投げ入れたカニカゴは100カゴ。

1時間の作業だ。

この方法は、ベニズワイガニ漁だが、カニだからいいか・・・


「さあ、帰るぞ」



▼ベニズワイガニのカニカゴ

底の直径は130センチ。

上の直径は80センチで高さは80センチ。

上にはカニの入口があって餌も仕掛けてる。

入ったらちょとやそっとでは逃げられない。


しかし、ちょっとした仕掛けがある。

直径10センチの逃げ穴が用意。コガニの乱獲を防ぐ仕掛けだ。




数日後、カニカゴを引張り上げるとカニ、カニ、カニと大漁だったぜ。

左門にとって、あまり見たことがないズワイガニだったらしい。


中には、お決まりのはさみに挟まれて痛がる者も・・・

もうりないね。




だから、カニ鍋にして食わした。

もう食べる食べるで大はしゃぎだよ。

ただの水で煮ただけだが美味かった。塩をつけて食べた。


やっぱり昆布かカツオかイリコが欲しいよな。

醤油も欲しいし、ポン酢も欲しい。




勿論、ズワイガニ50匹を生きたまま、網カゴを掴んで瞬間移動。


三言寺でカニ鍋パーティーだ。

持ち寄った材料が放り込まれる。

火縄銃で撃ち落とした鳥の肉だったり、白菜、大根などなどだ。

田吾作じいさん、中村甚五、服部半蔵、稲葉歳三も喰ってる。

やいのやいので大勢が「ズワイガニって何」と聞きに来て喰いだす。


俺は、喰い飽きたから見てたけど、ああ、冷凍庫が欲しい。



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