第3話もらい過ぎだ
如徳寺の蔵の中には、腐る程の米俵が積まれてた。
え!6:4で6割も税として取られてたのか、4割で1年の生活は辛いぞ。
「2割を持って帰ってもいいぞ」
「米をですか・・・それでは困りませんか?」
「
「ありがとうございます」と繰り返して、持って帰るお百姓さんは嬉そうだな。
寺の住居の隠し蔵には、金が唸るほどあったし後は何人か雇って暮らせばいいかな。
だだぴろい寺に1人残されてしまって、なんだか淋しい。
それってなに・・・?
なんでなのかな・・・・・・この大勢のお百姓さんは。
如徳寺の支配する村って1つじゃーないのか・・・
はい、はい、好きなだけ持って帰って下さい。
加賀は、冬は寒いから気をつけてね。
翌日には、村の顔役なる者が6人もやって来た。
「これからどうなさいますか・・・」
「そうだな・・・村の発展に
「具体的には、どうようなことをなさいますかな。こうなれば
「それって聞き捨てならない内容のようだね・・・ここへ来て間もないので、詳しい村事情は知らないんだよね。出来れば詳しく教えてほしい」
「それでは腹を割って話しましょう。
え!そうなんだ。あまり考えもしなかったが本願寺門徒か・・・中々の問題だな。
だけど俺が知ってる話だと、織田軍によって皆殺しにされる運命しかないはずだよ。
織田信長は「極楽浄土へ送ってやったから我は神に等しい」と、言ったような言わなかったような・・・
「分かった。本願寺門徒が来たなら、如徳寺を改めて
俺のことを隠れて三言さんって呼んでるのは知っている。
呪文のように同じ言葉を3回も唱えていたから仕方ない。
だから、寺の名前も三言寺にしたんだが、良いのか悪いのかよく分からん。
「某も手助けしますが、よろしいのですか・・・」
「拙僧がしたことだから拙僧がなんとかする。なになに、悲しそうな顔をするな・・・なんとかなるって、心配無用だよ」
最初に出会った村人の田吾作じいさんが泣き崩れた。
「申し訳がありません。こんな目に合わせてしまい・・・なんと言えばいいのか」
「これも
あ、6人が揃って「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と唱えだした。
そして、すっきりした顔で帰った。
三言寺の近くは、手付かずの土地がいっぱいあった。
なので俺1人で耕す。
ええ!大きな石も簡単に持ち上げられるぞ。
LV3なら、それもありかも・・・
この木も邪魔だな抜いてしまえ、あっさり抜けてしまったぞ。
抜いた木は60本に、いやいや抜き過ぎだよ。
それなのに疲れることもないぞ。
5日後に田吾作じいさんが駆け込んできた。
「三言さま、とうとう来てしまいました。どうしましょう」
え!もう三言と呼ぶのか・・・それも構わないけど。
「心配ないよ。遠くで見てるといいから」
「そうですか・・・では、あそこで見てます」
ああ、田吾作じいさんは、抜いた木で作った丸太小屋からチラッ、チラッと見てる。
「おいおい、お前がクソ坊主か、一生忘れない天罰を下してみせよう」
なんだよ、下手糞な言い回しは・・・
あ!
なんて
連れて来たのは、僧兵30人とゴロツキ170人だ。
ゴロツキどもは、槍を持参してる。それも、いっぱしの足軽の格好だ。
本当に戦国時代に来てしまったようだぞ。
俺1人にたいそうな数だな・・・
ザザザザと走って来たぞ。
俺は寺の壁を背にして、後ろからの攻撃を阻止。
一斉に槍を叩きつけてきた。
お前たちの勝手にさせるか、刀でババババと槍先を切り落とす。
10本の槍を使い物にならない。
新手の槍が来たが同じ結果だ。
ひるんだスキにスパッ、スパッ、スパッ、スパッとゴロツキを斬って捨てた。
そのまま駆け抜けてスパッ、スパッ、スパッと斬り抜ける。
ピコンと鳴った。
おかまいなしに斬って斬りまくる。
残り40人。
後ろから突く槍をかわして、振向きながら斬ってジャンプ。
ちょうどいい木を蹴って、如安の後ろに着地しながら斬った。
「ギャー!」と悲鳴が・・・
長刀を振り下ろす僧兵も、軽いステップでかわしながら斬り捨てる。
まだやるか「エイ」こいつには、膝蹴りだ。
気が付いたら終わっている。
「三言さま、御無事で」
「ああ、大丈夫だ。返り血だ。どこも怪我はないよ」
【LV4になりました】
【植物魔法を取得】
【LV5になりました】
【土魔法を取得】
こんなにもらってもいいのか・・・もらい過ぎだ。
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