高校生の鯉幟大知くんは、ラノベが好きなオタク男子。
そして同じクラスの雛祭ちかなさんは真面目女子。
タイプの全然違う二人は同じクラスという以外接点がなく、絡むことなく過ごしていたわけですけど、ある日雛祭さんが転んだ拍子に記憶喪失になってしまったことで状況が一転。
いえ、性格には記憶喪失ではなく、異世界から別の人の魂がやってきて、雛祭さんにとりついてしまったのです。
まあ現実的に考えるとそんなわけないのですが、雛祭さんはそう言い張っています。
普段の真面目な彼女からは考えられない発言に、その場に居合わせた鯉幟くんは混乱。以後様子のおかしくなった彼女の面倒を見る事になるわけですけど。
触れ合う事で見えてきた、雛祭さんの素顔や事情。
自らを異世界からの転生者だなんて言いだした雛祭さんですけど、話を読み進めていくうちに、そうなってしまったのには理由があるのかもって思ってきました。
高校生に悩みはつきものですけど、友達と協力してそれを乗り越えていくのも、青春ものの定番。
はたして鯉幟くんは記憶喪失の雛祭さんを、元に戻すことができるでしょうか?
そして彼女の抱えていた悩みに、一緒に向き合っていってくれるのか?
少し変わった青春ラブコメです。
「———わたしの転生先、ここですか?」
突然そんなことを言い出した、クラスメイトの雛祭ちかなさん。
聞くと彼女は異世界の住人で、色々あってこの体の中に転生してきたようなのです。
病院の検査の結果、雛祭さんは「一過性全健忘」、つまりは記憶喪失と診断されますが、自分は読んでいて、異世界からこっちに転生するなんて普段見ているラノベとは逆のパターンだ、なんて呑気なことを思っていました。
しかし、当人や周りの人にとってはもちろんそんなことを言える状況ではありません。
本作の主人公でありラノベ好きな少年、鯉幟大知くんは、そんな雛祭さんから何かと絡まれるようになるわけですが、元々人付き合いがあまり得意ではなかった彼は一苦労。
この症状も医者はすぐに治ると言っていたのに、数日経ってもこのまま。
いったいいつになったら記憶喪失やそれに付随した転生者設定は元に戻るのか。
そもそもどうしてそんなややこしい記憶喪失が起きてしまったのか。
傍から見ると面白くもある設定ですが、当人たちにしてみれば、真面目に大変で不安もある。
当たり前の学校生活に起こったこの異常事態、いったいどんな結末を迎えるのでしょう。