【本作】ザ・オール～神と悪魔～

第58話「第二試練」

向かうオメガ

オメガ「ふ！」

かわす

スサノオ「どうだ？見えてるか？」

オメガ「ふ！」

かわす

スサノオ(こっちの声が届いてねぇ？集中力すげぇな)

オメガ「ゴッド…」

スサノオ「フェイントだろ？」

オメガ「ふ！」

かわす

スサノオ「見えてねぇなこりゃ」

ドドド

オメガ「ぐ！！」

スサノオ「かわしてみろ」

ド

オメガ「ぐぁ！」

ドド

オメガ「うぐ！！」(かわせねぇ！…かわしても交わしたその場所に打撃が…)

スサノオ「ほらよ！」

ド

ドォーーーーーーーーーーン！！！

スサノオ「このスタイルを組み込めばお前もだいぶ強くなるんだがなぁ…やっぱ難しいか？」

煙が晴れる

オメガ「ハァ…ハァ…く！全然見えねぇ！！」

ゼウス「ふむ、いったん中止じゃ」

スサノオ「はぁ？勝手に決めんなジジイ！」

ゼウス「相変わらず口悪いのぉクソガキ！」

オメガ「中止って…待ってくれ！また試練を落とされるのはごめんだぜ！まだやれる！俺は…」

ゼウス「そうではない。お主に会わせたいものをここに呼ぶ」

オメガ「会わせたい奴？」

ゼウス「よし、来たぞ」

オメガ「はや！ｗ」

姫「やぁ久しぶりオメガ君！」

オメガ「ひ、姫！！！」

姫「神様、僕を最愛の人に会わせてくれてありがとうございます！」

ゼウス「気にするな気にするな」

スサノオ「ん？」

ゼウス「最愛の人じゃって！甘酸っぱいのぉ～」←小声

スサノオ「恋なんて興味ねぇわ！」

姫「サモン君にも会ったよね？どうだった？」

オメガ「どうって…久々に会えて嬉しかったぞ」

姫「君らしい回答だｗ僕らが君の前に現れたのは意味があるんだよ？」

オメガ「意味？」

姫「サモン君は君に目で見えることが全てじゃないことを伝えた。僕は先読みスタイルを君に伝えに来たよ」

オメガ「姫、先読み出来るのか？！」

姫「先読み出来ないよ」

オメガ「出来ないのに教えるのぉ？！ｗ」

姫「まぁ能力がそれに似てるからねｗ」

オメガ「あぁ寸止めか。言われてみれば確かに似てるな！でも能力の力だろ？それとこれとは違くねぇか？」

姫「まぁその通りなんだけど、分かることもあるかもよ？」

オメガ「まぁとりあえず聞くよ」

姫「僕が能力を発動してる時の感覚は相手の動きがスローになる！相手がどこに動くか、相手の脳の伝達信号が先に見える感じなんだけど…その時にね、目を凝らして絶対に相手から視線を外しちゃダメ！目の端とかで見るとこっちの伝達信号が遅れて隙を突かれるんだ。僕が殺し屋に負けたのもそのせいだし」

オメガ「でも相手が早すぎたら？」

姫「そのために心の目があるんだよ」

オメガ「なるほど、切替型ってやつね」

姫「そ！ちょっと先読みやってみる？」

オメガ「あぁ」

姫「行くよ」

オメガ「…」

姫「ふ！」

オメガ「…なぁ姫」

姫「ふ！」

オメガ「幽霊だから俺に当たって無くね？ｗ」

姫「…ダメだねｗ」

オメガ「おい！ｗ」

スサノオ「時間がねぇぞ、早くしろよ」

オメガ「お、おう！でも実践できねぇし…どうすれば…」

ゼウス「実践は出来なくても何となく知識は身についたじゃろ？知ってるのと知らないのとでは行動は全然違うのじゃ！わしはもう十分、この者の役目は果たしたと思っとるが？」

姫「…」

オメガ「…だな、ありがとう姫！勉強になった！」

姫「ううん、これくらいお安い御用さ」

ゼウス「…時間じゃの」

姫が消えていく

姫「オメガ君、頑張ってね」

オメガ「あぁ、天国で見ててくれ！」

消える

オメガ「…」(根本的なことは分からなかったけど、相手を目で捕らえる！視線を絶対に外すな！これを心の目で感じることが出来れば…)

スサノオ「…さぁ、続きだ」

オメガ「あぁ」

スサノオ「お？」(流れが変わったな)

オメガ「…」

スサノオ「…」

かわすオメガ

オメガ「ふ！」

ドド

オメガ「ぐ！！」

スサノオ「甘い！」

かわすオメガ

ド

いや、かわしきれていなかった

オメガ「く！！」(まだだ！見ろ！心の目で見ろ！！感じろ！！相手の動き、一つ一つの事象、周りの空気、環境！すべてを感じ取れ！)

スサノオ「ふ！」

倒れるオメガ

スサノオ「あ？」

ドォ

アッパーをくらうスサノオ

スサノオ「ッ！」

ゼウス「ほぉ」

オメガ「見えた！お前の先が！」

スサノオ「…へへ」

オメガ「ふ！」

ドドド

オメガ「うぐ！！」

スサノオ「甘い甘い！そんなんじゃこの俺は倒せんぞ！！」

ドォ

オメガ「ぐぁ！！！」

スサノオ「オラァ！」

ドォーーーーーーーーーーーン！！！！！

オメガ「はぁ！！」

かわす

スサノオ「クハ！！」

かわす

ドドド

オメガ「うぐ！！」

スサノオ「ハハァ！」(少しずつだが確実に当ててきやがる！こいつ…天才だ！！)

オメガ「ふ！」

スサノオ「はぁ！！」

ドォン！

ぶつかり合う二人

オメガ「ッ！！！！！」

ぶつかり合ったオメガの腕が消滅する

スサノオ「あ！しまった！やりすぎた！！」

ドォ！

スサノオを殴り飛ばす

スサノオ「ぐぉ？！！」

ドーーーーーーーーーーーン！

オメガ「ハァ…ハァ…」

ゼウス「…終わったのぉ」

煙が晴れる

スサノオ「…クハ！自分の腕が消し飛ばされたのに、何の躊躇もなく相手から目を離さずぶちかますとは…今の一撃、俺には先が見えてなかった。ロイヤル・オメガ・レジェンド、お前のその戦闘の才能は神の力によるものだろう。だが、それもお前の力、お前の才能だ！誇れ、お前は…ちゃんと強い！合格だぁ！」

オメガ「…合格！」

スサノオ(さすがはジジイの力を持ってるだけはある！ジジイと初めて戦った時のこと思い出しちまったぜ…)

ゼウス「途中からお主前が見えなくなって本気に近かったじゃろ？流石にわしも止めそうになったぞ」

スサノオ「ん？そうか…嬉しくて夢中になりすぎて前が見えなかったのか俺。そりゃ先読み忘れるわけだわｗ」

ゼウス「じゃが、それほどの相手じゃったという事じゃなオメガは」

スサノオ「あぁ、あいつはすげぇ速度で成長してる！今ならポセイドンの試練もクリアできるんじゃねぇか？」

ゼウス「じゃろうのぉ…じゃが、次の試練はポセイドンでもオーディンでもない」

オメガ「そうだよそれそれ！次の試練なんなんだよ！最後なんだろ？オッサンと戦うとかか？」

ゼウス「まず腕を治そうか」

オメガ「あ、お願いします」