第59話「当たり前のこと」

消滅したオメガの腕を治すゼウス


オメガ「おぉ!ありがとう!本当神様って何でも出来るんだな!」


ゼウス「何でもは出来んぞ」


オメガ「え?でも俺が何度も死んでも生き返らせてくれるじゃん!」


ゼウス「あれは生き返らせてるんじゃない、その事象を無しにしてるんじゃよ」


オメガ「いや十分すごいけど!!w」


スサノオ「で、最後の試練どうすんだジジイ」


オメガ「そうそう!最後の試練めっちゃ気になってた!」


ゼウス「最後の試練は…ゲームをする!サッカーをする!食事をするじゃ!」


オメガ「…は?」


ゼウス「ゲームをする!サッカーをする!食事をするじゃ!」


オメガ「いや繰り返せって言ってんじゃねぇよ!なんだそれ?!ふざけてんのか?!」


ゼウス「いたって真面目じゃが?」


オメガ「…昔の俺みたいなこと言うなよ!そんな当たり前のことできるに決まってんだろ!どこが修行だ!!」


ゼウス「当たり前のことを当たり前と思うな、それにこの試練は今までで一番キツイものじゃぞ」


オメガ「キツイって…そんなの!…」


ゼウス「じゃぁ今やってみるのじゃ、神の力を解いてな」


オメガ「…」


ゼウス「出来るじゃろ?」


オメガ「お、おう!やってやるぜ!」


ゴッドソウルを解く


オメガ「へへ、最初にここへ来た時よりだいぶ楽に感じる!よし、まずは腹減ったから飯だ!てか俺何週間も食べてないのによく餓死しなかったなw」


スサノオ「胃袋が天界の光で守られてんだよ」


オメガ「す、すげぇ…」


ゼウス「ほい、残さず食べるんじゃぞ」


オメガ「おう!いっただきまぁす!」


ひょい


オメガ「あれ?食べ物がつかめねぇ!ふ!…ほ!」


ゼウス「じゃ、わしらは退散じゃ。遊具とゲームは用意しておるから好きに使え」


去る二人


オメガ「あれ?!全然掴めねぇ!なんだこれ?!重たいとか特にないけどなんか掴めねぇ!ていうかなんだぁ?!急に箸が重たく感じるように…うぐ!体こんなに怠かったっけ?…」


場変


スサノオ「なぁジジイ。ぬるくねぇか最後の試練」


ゼウス「わしらにとっては当然のことじゃろうが、あやつは人間じゃ。所詮神の力なしではここにいることすら困難じゃろう」


スサノオ「まぁな。普通は肉が爆ぜて死んでるもんな。だからこそだ、能力の効果もあるだろうがあいつはここに馴染んできてる。すぐにクリアすると思うぜ?」


ゼウス「果たして、どうかのぉ?」


場変


それから何日何週間何カ月とオメガの試練は続いた


オメガ「いただきます!」


ひょい


オメガ「…」


ひゅ


オメガ「💢」


ひょい


オメガ「だぁああああああああああ!!!やってらんねぇええええええ!!!マジで全然変わってねぇじゃねぇかよぉおおおおおおおお!!!目の前にはおいしそうな飯があるのに…食うことが出来ねぇなんて…く!箸使わずそのまま食おうとしても歯が折れそうなくらい固いし!当たり前のことが…当たり前にできねぇ…」


「あれからサッカーもゲームもやってみたが全然ダメだった。サッカーをやるとボールが思うように飛ばないし蹴れない。ゲームをやると起動させるだけで一週間かかった。起動出来たは良いものの、プレイ中に手が思うように動かなくなったりゲームのカセットが勝手に出てきたりでストレスがたまるだけだった…」


オメガ「クソ!全然わかんねぇ!…当たり前のことって当たり前じゃないんだな…」


~回想~


闘魔「ゲームするのが修行か?」


オメガ「考える力、鍛える!」


闘魔「サッカーすることが修行か?」


オメガ「足の筋トレ!」


闘魔「大食い選手権出まくることが修行か?」


オメガ「胃袋の修業?」


闘魔「馬鹿弟子ぃいいいいいいいい!!!」


オメガ「うぅ!!!」


~回想終了~


オメガ「zzz…な!!しまった!いつのまにか寝てた!…あれから何日経ったんだ?体感としては1年は経ったと思うけど…」


オーディン「1カ月半だ」


オメガ「ッ!あんたは…」


オーディン「やはり無駄なようだ。食事も道具も全て片付けに来た」


オメガ「待ってくれ!まだ試練は…」


オーディン「人間界では1日経過してる。君はここにいようがいまいが無駄なことには変わりない、早く帰れ」


オメガ「帰れるかよ!まだ…終わってねぇんだよ!」


オーディン「威勢のいいバカはすぐ命を落とすぞ?」


オメガ「うっせぇなぁ。俺は俺だ。やると決めたら最後までやるんだ!」


オーディン「ならあと5分やる。出来るものならやってみろ!」


オメガ「やってやるよ!」


箸をつかむオメガ


オメガ(当たり前のことを当たり前にやってても意味がない!師匠、そうだよな?当たり前にできないことを取り入れることで知らない自分の力も、経験も知識も武器にすることが出来る!)


箸にオーラを流し込む


オーディン「…」


オメガ「…きっつ!ハァ…ハァ…行くぜ!」


ご飯を食べるオメガ


オメガ「…上手い!!けど味が薄い?」


オーディン「フン」(時間の無駄だな)


オメガ「なら!」


オーラの割合を起用に移動させるオメガ


オメガ「うん!味が変わった!すっげぇ好みの味だ!!」


オーディン「な!」


オメガ「こっちも!すげぇ…オーラってこんな使い方もありなのか!」


オーディン「…」


ゼウス「人だけでなく神や悪魔の生命エネルギーでもあるオーラ。それは生まれつき誰でも持っている当たり前のものじゃ。その当たり前のものを変化させることによって、見えなかったものが見えるようになる。どうじゃ?オメガは」


オーディン「ゼウス殿、いつから…」


ゼウス「さっきじゃよ、それよりどうじゃ?お主が最後まで否定していた人間は」


オーディン「…ロイヤル・オメガ・レジェンド!」


オメガ「ん?」


オーディン「君は今のままで満足か?」


オメガ「いいや!俺はもっと強くなりてぇ!誰も失わないくらい強く!」


オーディン「…君に俺の試練を与える!それが最終試練だ!」


オメガ「え?!試練してくれるのか?!」


オーディン「あぁ、引き受けよう。君がやるというのならね」


オメガ「もちろんやるぜ!お願いします!」

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