第56話「見えぬもの」

天界


オメガ「え?ここは…」


ゼウス「ここはチルドルーム。お主ら人間界では子供部屋と言うんじゃったか?」


オメガ「いやなんで子供部屋?!」


ゼウス「ここには神でありながら名前のない小人が居てのぉ。その小人の相手が試練じゃ」


オメガ「なんだその試練!!」


ゼウス「ちなみに全部で13体おるぞ、全員捕まえるのじゃ。人間界では…鬼ごっこ?という遊びじゃったか?それに小人じゃからとなめてかかったら…死ぬぞ?」


オメガ「…」


ゼウス「この試練はわしは見守らんから、死んだらお疲れ~ってことで」


オメガ「マジかよ!!w」


ゼウス「せいぜい励むがよい」


去るゼウス


オメガ「…よし、やるか!ゴッドソウル!」


キャッキャ


オメガ(声はするんだよなぁ…でも気配が全くねぇしどこから声がするのかも分からねぇ!一通り探し回ってみるか?)


探し回るオメガ


オメガ「…全然いねぇ」


「僕らのおもちゃが来たね」


「今度のおもちゃは壊れないかな?」


「すぐ壊れるから遊びたくない!」


オメガ「ん~…マジでどこから声がしてるんだ?部屋自体狭いし殺風景だし、そんなに見つけられねぇって感じはしないんだが…まさか!微生物よりも小さいレベルなのか?!だとしたら無理だぞ!」


小人1「僕ならここです」


オメガ「デカァ!!!小人じゃねぇじゃん!!」


シュパ


オメガ「消えた!…体のサイズを自由自在に変えられる能力なのか?」


「能力?なにそれ?新しいおもちゃ?」


オメガ「うっせ!こそこそしてねぇで出てこい!」


キャッキャ


オメガ「笑ってんじゃねぇよこの野郎…」


ブシュ


肩から血が出る


オメガ「ッ!!!」


「あぁずるい!新しいおもちゃ最初に触るの私がよかったのにぃ!」


「早い者勝ちだよぉ~」


キャッキャ


オメ(そうだよな、こいつらも一応神様。ゼウスのおっさんの言う通り油断してたら死ぬな)


キャッキャ


オメガ「んじゃぁこの部屋壊すことにするけど泣きわめくんじゃねぇぞ!ゴッドブロー!!」


ドォン!!!


煙が晴れる


オメガ「…な!!!」


部屋は無傷


オメガ「おいおい嘘だろ…結構力入れたんだぞ!」


「今のおもしろぉい!もっかいもっかい!」


「僕はつまらなかったぁ!他のことしてよぉ~」


オメガ「完全に遊ばれてるな…つーかなんで姿見えねぇんだ!」


「おもちゃが考え事してる~!おもちゃは突っ立ってるだけでいいのにぃ~!」


「ダメだよ!動かないと面白くないでしょ!」


ザシュ


オメガ「ぐ!!」


ゾクッ


オメガ「ッ!!!」


後ろに下がるオメガ


オメガ「ハァ…ハァ…」


「あぁ逃げちゃった!」


「おもちゃが何勝手なことしてるの?」


オメガ(今のはやばかった!死を感じるほどの恐怖!マジでこいつらどう相手すればいいんだよ!…)


場変


ゼウス「…試練をやめたのには理由があるのじゃろ?」


ポセイドン「理由…あなたなら分かってるでしょう?」


ゼウス「まぁの。じゃがそれでもわしなら続けるぞ。あやつが見えないものが見えるようになるまで、何時間でも何日でもな」


ポセイドン「相変わらずお優しい。ですが時にはその優しさが不幸を招くのです」


ゼウス「そっちは相変わらず真面目じゃのぉ」


スサノオ「なぁポセイドン!オメガとかいうやつとはもう戦わねぇのか?んじゃぁ次は俺で良いよな?な?」


ポセイドン「私は構わない。私の試練はもう終わった。再試練を与えるほど甘くはないのだ」


スサノオ「長々よくしゃべるやつだなぁ!んまぁ次は俺ってことで決まりだな!」


ゼウス「その前に、小人どもに殺されなければよいがのぉ…」


スサノオ「はぁ?あんなゴミみたいな戦闘力の奴に負けねぇだろwさすがの人間も!」


ゼウス「…見えるようになればの」


場変


それから数日、ずっと戦い続けたオメガ


オメガ「ハァ…ハァ…ぐ!!」


倒れるオメガ


「おもちゃが壊れた!」


「馬鹿、まだ壊れてない!倒れただけだ」


オメガ「ハァ…ハァ…ゼウスのおっさんから力貰ったって言っても、敵が見えねぇんじゃ意味ねぇよ!ハァ…」


「僕たちのこと見えてないんだって!すぐそこにいるのにねw」


「目が悪いんじゃないの~」


オメガ「ハァ…こいつらの悪口にももう反撃する気力もねぇよ…」(サモン、姫…俺強くなれるのかなぁ?)


サモン「目で考えるな」


オメガ「え?」


サモン「目で見ることに囚われすぎだろオメガw」


オメガ「サモン!!!」


サモン「よ!」


場変


ゼウス「ぬ?彷徨い魂が一魂来たのぉ。生死のギリギリを彷徨ってるものがおる」


オーディン「そんなの一人しかいませんよ」


ゼウス「おぉオーディン!久々!」


オーディン「そんなに経ってないでしょw」


ゼウス「そうか…小人でも無理なのかのぉ…」


オーディン「所詮人間です。期待などしないでください」


ゼウス「…」


場変


オメガ「本当に…サモンなのか?!」


サモン「あぁ俺だ。お前に伝える!見えるものが全てじゃねぇ。目で見るんだ!」


オメガ「目で見てるわ!眼科行けって言いてぇのか!w」


サモン「人の話を聞け!w言ったろ?見えてるものが全てじゃねぇ!見えねぇもん見るために…目で見るんだ!」


オメガ「意味わからん!心の目ってやつか?それもやったけど見えん!」


サモン「心の目…当たってるが出来てねぇ!お前は見ようとしてるだけだ!感じろ!その場の空気を、視線を、目で見て感じ取れ!そしたら見える!」


オメガ「お前…なんか詳しいな?w」


サモン「死んだ後色々見てきたからなぁwこの天国で」


オメガ「ここ天国だったのか!w」


サモン「正確には天国へ行く入り口がこの天界だな。天国はこのさらに上にある。そこに姫ちゃんもクレイジーたちもいるよ」


オメガ「そうか…ま、元気そうでよかった!ありがとな!」


サモン「お前は今生死の狭間にいる!まだこんなとこで死ぬんじゃねぇ!俺はそれを一番に伝えたかった!」


オメガ「サモン…」


サモンが消えていく


オメガ「サモン!」


サモン「そろそろ目が覚めるころだろう。オメガ、お前はまだまだ強くなれる!その力で仲間を、OYNを守っていけ!」


オメガ「…あぁ!」


「あれ?おもちゃピクリとも動かなくなったよ?本当に壊れたんじゃないの?」


「はぁ~つまな!またすぐに壊れる…おもちゃなんて大っ嫌い!」


オメガ「悪いな、続きやろうか」


立ち上がるオメガ


「おもちゃが生き返った!!」


オメガ「死んでねぇ!w」


「このおもちゃ…ちょっとはやるかも」←小声


オメガ「待たせたな、遊んでやるよ」

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