第54話「届かない強者」

1週間後


オメガ「…え?」


ゼウス「お!起きたか。よく寝たのぉ」


オメガ「え、え?!あれ?!俺ポセイドンの試練で立ってたんじゃねぇのか?!」


ゼウス「そのあと気絶したのぉ。わしの回復でも起きないくらい」


オメガ「…気づかなかった」


ゼウス「一週間も寝てたぞ」


オメガ「一週間?!!」


ゼウス「とは言え天界の一週間と人間界の一週間は違うから安心せい」


オメガ「人間界では何日経ってるんだ?」


ゼウス「時間のことはクロノスしかわからん。わしが聞いた話によるとバラバラらしい。ここの一週間が人間界では5分だったり1カ月だったりするらしいぞ」


オメガ「大分バラバラじゃん!!」


ゼウス「ほっほ、時間も気紛れと言うわけじゃなw」


オメガ「て言うか試練は?俺早く強くなりてぇよ!」


ゼウス「焦るでない、もう少し休め」


オメガ「おい!w急に試練始めたのそっちだろ!w今試練したいのに今は休めかよ!w本当気まぐれだなぁ!w」


ゼウス「よし、始めるか」


オメガ「どっちだ!!w」


シュン


一瞬で移動する


ポセイドン「目覚めたか」


オメガ「あぁ、今度はこうはいかねぇぞ!」


ポセイドン「威勢はいいな。だが何も変わってない」


オメガ「ッ!!!!」(重い!!!…いや考えろ!奴から目を離すな!動け…動け!動けよ俺!!)


ポセイドン「…」


オメガ「お、オーラ…」


ポセイドン「…」


オメガ(くそ!!口を開けるのでさえ苦しい!しゃべることも息をすることも…なんで当たり前にできてたことがこんなにできねぇんだよ!!動けよ俺の体!!)


ゼウス「そこまで」


オメガ「?!」


ポセイドン「ん?」


ゼウス「少しハンデをやろうではないか」


ポセイドン「ゼウス殿、甘すぎませんか?」


ゼウス「よいではないか、このままだと1000年たっても進まんぞ?それでもずっと相手してられるのか?」


ポセイドン「しますよ、どうせ心が折れる方が先だ」


ゼウス「ほっほ、その通りじゃろうがそう言ってやるな。オメガよ、神の力を発動せい」


オメガ「お、おう。ゴッドソウル!」


ゼウス「最初からその力で挑むがいい」


オメガ「…」


ポセイドン「本当に甘いお方だ」


オメガ「でも俺…」


ゼウス「その先は言うな。お主が一番わかっておるはずじゃ、自分の力ではどうすることも出来ぬ相手と」


オメガ「…分かった」


ポセイドン「さぁ、見せてもらおうか」


向かうオメガ


オメガ(だいぶ楽になった!動ける、動けるぞ!)


ドドド


オメガ「あぐ!!!」


倒れるオメガ


ポセイドン「隙だらけだ」


オメガ「ぐほ!!!…がふ!!!…」(やべぇ!!血が止まらねぇ!!…死ぬ!!!)


シュン


オメガがさっき立っていた場所に戻る


オメガ「…え?」


ゼウス「安心せい、わしが居る限り死なせはせん。血も回復しておいた」


オメガ「…」(全然見えねぇ!神の力使ってもここまで力の差があるのかよ!)


ポセイドン「…」


オメガ「な、なぁ。一つ聞いていいか?」


ポセイドン「なんだ?」


オメガ「あんたは神の中で何番目に強いんだ?」


ポセイドン「考えたこともないな…私はまだまだ未熟な方だ。順位など考えるだけ…」


ゼウス「何番かは分からんがトップ10には確実に入るじゃろうなぁ」


オメガ「トップ10…5には入らねぇのか?」


ゼウス「5はキツイじゃろ。ポセイドンはまだ若いしのぉ」


オメガ(少なくともこれ以上の奴が5人以上いるのか!神様ってすげぇな!)


笑っているオメガ


ポセイドン「なぜ笑う?」


オメガ「いやぁすげぇなって思ってよ!こりゃ人類が手におえるわきゃねぇわなw」


ポセイドン「フン、その人類を作った我々が反逆されては元も子もない」


オメガ「ごもっともwさぁ神様!こっからは俺も未知の世界!全力の全力でぶつかるぜ!!」


ポセイドン「…」


オメガ(ずっと考えてたことがある。モードにモードを掛け合わせると肉体はどうなるのか、成功はするのか。神の力、ゴッドソウルに…俺の力を!)






「限界突破!『潜在能力全開放(イグニッション)』!!!」


ゼウス「ほぉ、神と人の力を掛け合わせたか!神の血筋であるお主にしか出来ぬ所業!あっぱれじゃ」


オメガ「よし、成功!」


ポセイドン「…少しは面白くなりそうかな?」


オメガ「あぁ!余裕な面が消えるぜ!」


向かうオメガ


ポセイドン「…」(いい動きだ)


オメガ「ふ!」


攻撃を止めかわすオメガ


オメガ「ゴッドブロー!」


バァン


不発


オメガ「ゴッドクライシス!」


全てかわされている


ポセイドン「…」


オメガ「くっそぉおおおおおおおおおお!!!」


ドド


オメガ「うぐ!うぉおおおおおおおおおおお!!!」


速度が上がる


ポセイドン(限界のその先を超えるか…フフ)


ギュルン


ポセイドン「?」


オメガ(引き寄せられねぇ!でもこの距離なら奴の動きも鈍くなってるはずだ!)「ソウルインパクト!!」


ドォ!


ポセイドンに一撃


オメガ「よし!!」


ポセイドン「…これが全力か?」


オメガ「な!!!」


ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!


一瞬で殴り飛ばされる


ゼウス「…こんなものか」


煙が晴れる


オメガ「ぐふ!!…ハァ…ハァ…本気の本気でぶつかってんのに!神の力も使ってんのに…ダメージ与えるどころか一歩も動かすことできねぇのかよ!」


ポセイドン「諦めるか?」


オメガ「諦めねぇ!オーラ刀剣!」


向かうオメガ


オメガ「ふ!」


何度も刀剣を振るが当たらない


オメガ「どうなってんだ!!ただ突っ立ってるだけなのに全部当たらねぇ!!」


ゼウス「ポセイドンはちゃんとかわしておるぞ」


オメガ「な!!!」


ゼウス「目で見すぎじゃ、心で見ろ」


オメガ「く!!」


後ろに引くオメガ


オメガ「心で…」


ポセイドン「相手が皆、待ってくれると思うなよ?」


ザシュン


体を真っ二つにされるオメガ


オメガ「が!!!!!!…」


ポセイドン「…」


ゼウス「最初にポセイドンをぶつけたのは失敗じゃったかのぉ…」


オメガ(…死んだ…)



ポセイドン「来ないのか?」


オメガ「…え?」


最初の位置に元通りになっている


オメガ「あれ?俺今真っ二つに…」


ゼウス「ポセイドンの圧で幻覚を見たんじゃよ」


オメガ「…」


ゼウス「仕方ない、あれをやるか」

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