【本作】ザ・オール～神と悪魔～

第53話「第一試練」

ゼウス「感謝の話は終わり。次はお主を強くすることの意味じゃ。人間界では『宣戦布告(スレイブディラー)』が二つ出ておったじゃろ？」

オメガ「あぁ、神と悪魔のだろ？」

ゼウス「ふむ、おそらくサターンの奴も同じ考えじゃろうな。近いうちまた神魔戦争が始まる！自陣の血筋を強くして戦争に参加させる！」

オメガ「俺は嫌だぞ！巻き込むな！ｗ」

ゼウス「まぁそうじゃろうのぉｗ神魔戦争に参加させて戦力を上げる、それもあるが一番は別のことじゃ」

オメガ「別？」

ゼウス「お主には悪魔の血筋を殺してほしい」

オメガ「な！！！」

場変

魔界

サターン「神の血筋を殺せ！そのためにお前をここに招き試練を与えるのだ」

サタン「オメガを…」

サターン「お前の闇は十分大きくなった。一番の友に手をかけることなどもう簡単であろう？それに誰のせいでお前の人生が狂った？よく考えろ」

サタン「…」

場変

オメガ「サタンを殺すことなんてできねぇよ！」

ゼウス「そうは言うてもそれが運命なのじゃ。従うほかないぞよ？」

オメガ「そんな運命ぶっ壊してやる！」

ゼウス「アニメか！ｗ」

オメガ「ゼウスのおっさんの話を聞いて神と悪魔がもとから仲悪いわけではないのは分かったし、戦争もしなくちゃいけないほど追い込まれてたのも分かった。けど、俺はそれでもあいつを殺すなんて選択は出来ねぇ！あいつと一緒にいることで俺が死ぬんならそれでもいい！」

ゼウス「身内はどうする？お主の兄弟、母、父、仲間！お主一人の命で収まるようなことではないぞ？」

オメガ「…それでも、俺はあいつに手を差し出す！あいつは俺のいとこであり兄弟であり、大切な仲間なんだ」

ゼウス「…そうか、人間は愚かじゃ。じゃがお主のようにまぶしい存在が羨ましい。お主のような者ばかりならのぉ…」(現実は光り輝くものになっていたのかもな)

オメガ(今ならわかる、サタンがなぜあの時あぁ言ったか。俺が…俺が絶対手を引いてやる！)

場変

サタン「あぁ！断ち切ってやるよ！俺はオメガを殺す！そのための力を、試練を！俺に与えろ！」

サターン「フン、いい目だ。失望させてくれるなよ？」

場変

ゼウス「さて、他に話すことはないの！さっそく試練を与えるぞ！」

オメガ「待て待て待て！その試練の説明を詳しくしろよ！ｗ」

ゼウス「3闘神と戦うのじゃ」

オメガ「すっげぇ具体的！ｗ」

ゼウス「お主らの言葉では修行と言うんじゃったか？それと一緒じゃ」

オメガ「そ、それだけ？！」

ゼウス「うむ、わしら神の試練はそれだけじゃ。決して考えるのめんどくさいとか一番サボれるとかではないからの？」

オメガ「全部出てるよ！あんたの本心全部出てる！！ｗ」

ゼウス「さぁ！まずはポセイドンじゃ！」

ポセイドン「神の血筋、如何なるものかお見せいただこう」

オメガ「え！も、もうかよ！ゼウスのおっさんの長話でちょっと疲れたぞ！ｗ」

ポセイドン「違うな。お前が疲れているのはこの天界にいるからだ。天界と魔界は人間界の1080倍の重力だからな」

オメガ「な、なるほど。気にしてなかったけど気にするとすげぇ重く感じるぜ！…」

ゼウス「むしろよくここまで耐えてたのぉ。それだけですごいんじゃないか？」

スサノオ「多分能力が支えてんじゃねぇか？」

オーディン「…」

ゼウス「ふむ、なるほどな。そうらしいのぉ」

オメガ「どういう事だ？」

スサノオ「人間の中で司る能力を持つものはその場所と環境によって呼応するものがある。お前の能力、『オーラを司る者(アルティメトラ)』は場所や環境が変わろうがオーラがある場所ならその場所に対抗できる、能力ってのはそう言うところも含めて能力なんだよ」

オメガ「へぇ～すげぇ！」

オーディン「だとするとおそらく魔界に招待された悪魔の血筋の能力は『闇を司る者(ダークネス)』！」

ゼウス「じゃろうな、そこも含めてわしらの転生が成功したのかもしれんな。お主らがここに来るのは必然だったかもしれん」

オメガ「お前すげぇな！他に人間の能力とか知ってるのか？」

スサノオ「お前って言うな殺すぞ！」

ゼウス「お主が知りたいのは絶対能力じゃろ？」

オメガ「おぉ！正解！！神様ってみんな心読めるのか？！」

ゼウス「まぁの。絶対能力は10個ある。わしらはその者のことを十鬼聖と呼んどる。」

ポセイドン「私の試練、やらなくていいみたいですね」

ゼウス「待って待って！ごめんて！戯れはもうやめるからすねるでない！」

ポセイドン「では、第一試練ポセイドン。どこからでも来い」

オメガ「お、おう」

ポセイドン「…」

オメガ「…」(隙がねぇ！ていうかオーラを全く感じない！瞬きしたら死ぬやつだこれ。相手の動きが読めねぇし、そもそも今動いてるのか動いてないのかすらわかんねぇ！)

ゼウス「一本！」

オメガ「ごふ！！！」

倒れ気絶するオメガ

ゼウス「馬鹿者！手加減せんか！」

ポセイドン「神魔戦争で手加減して深手を負わされたのはどこの神様でしたっけ？」

ゼウス「うぐ！痛いところついてきよる…」

オメガ「…あれ？」

無傷のオメガが立ってる

オメガ「え？…えぇ？！俺今死ななかった？！普通に無傷で立ってるんですけど？！」

ゼウス「死にかけじゃったな。わしが回復して立たせた」

オメガ「…」(バケモンかよ！！攻撃が見えねぇとかそんな優しいレベルじゃねぇ！回復もいつした？！俺を立たせた？！どうやって？！…これが神！！)

ポセイドン「さぁ、構えて」

オメガ「く！」

ポセイドン「…」

オメガ「ッ！！！！！！！」(なんて圧だよ！！ただ立ってるだけなのに心臓が潰れそうだ！！)

膝をつくオメガ

オメガ「ハァ…ハァ…」

スサノオ「ほぉ～、さっきは気づかなかったのに今度はポセイドンのオーラを認識しやがった」

ゼウス「若いっていいのぉ。成長が早くて」

オーディン「…」

オメガ「ハァ…ハァ…」

立つオメガ

ポセイドン「…」

オメガ「…」(重たい！オーラに当てられただけでここまでかよ！！あいつ立ってるだけだろ？！なんでこんなに…ダメージがあるんだよ！！)

ポセイドン「…所詮は人間、この程度か」