第44話「今一つになる時」

オメガ「嘘だろ?!無傷かよ!!」


タツヤ「…」


ブラフマー「本当学習能力ねぇなぁ。俺の能力の前じゃ無意味なんだよ」


オメガ「…」


タツヤ「オメガ、ここからはタッグで行くぞ!」


オメガ「嫌だ!あいつは俺がぶっ飛ばす!」


タツヤ「そんなこと言ってる場合か!お前の仲間のタイムリミットも近い!あいつもまだまだピンピンしてる!二人じゃねぇと勝てねぇぞ?」


ブラフマー「俺はいいぜ?ま、二人でかかってきても俺には勝てねぇがな」


タツヤ(確かに…俺が入っても勝てる確率は1%も変わらない。こいつを負かすにはどうすればいい?)


ブラフマー「オーラを大分使ってるが減ってねぇな。能力で回復しながら戦ってるのか?」


オメガ「だったらなんだ!」


ブラフマー「悲しいよなぁ。余力はあるのに時間は刻々と進む。あと7分だぜ」


オメガ「くぅ!!」


向かうオメガ


タツヤ「おい馬鹿!!」


オメガ「グランツェエエエエエエエエ!!!」


ブラフマー「ハハ、必死だなぁ」


オメガ「限界突破!『潜在能力全開放(イグニッション)』!!ソウルスクエアー!!」


不発


オメガ「な!!!」


モードも強制解除させられる


ブラフマー「消えろ」


ドドド


オメガ「ごふ!!!」


タツヤ「ただのパンチだぞ?!」


ブラフマー「いや、今のは骨を潰すパンチを想像した。そして骨と内臓を潰した!」


タツヤ「オメガ!!」


倒れ、気絶するオメガ


ブラフマー「どうだ?絶望を味わう気分は?」


オメガの真上に槍が現れる


ブラフマー「タツヤ、お前は生かしてやる。だがこいつは殺す」


タツヤ「変物!キャッチ!」


しかし不発


タツヤ「な!!」


ブラフマー「終わりだ」


オメガ「…」



~オメガの心理世界~



オメガ「ん?ここは…」


Ω「よぉ相棒」


オメガ「もう一人の俺!ってことはここは俺の心理世界」


Ω「正解、今日はお前にお別れを言いに来た」


オメガ「お別れ?何を言って…」


Ω「あいつに勝ちたいか?」


オメガ「あいつ?俺は今まで何をしてたんだ?」


Ω「お前は仲間を救うために敵地に来た!お前は今生と死の狭間にいる!」


オメガ「え?!俺の心理世界なのに?!」


Ω「お前がここに来ることができるのはお前が死を感じたとき。もしくは自分が強さを求めた時だ」


オメガ「強さなんていくらでも求めたさ、俺は弱い…だからもっともっと強くなりてぇ!仲間を守れるぐらいに!」


Ω「…今のお前は50%の力しか出せない」


オメガ「え?」


Ω「お前の能力も体術も、全部が全部半分の力がお前の全力だ」


オメガ「じゃぁ残り半分はどこに…」


Ω「俺だ」


オメガ「…」


Ω「お前という存在は一人だろ?二人はいない…話を戻すぞ?俺はお前にお別れを言いに来た」


オメガ「お前…」


Ω「俺とお前が一つになればお前は本当の全力で戦える!能力の使い方も今まで以上に脳裏に浮かび、戦闘スキルが上がるだろう。そして…神の力をお前の意志で発動する事も出来るようになる」


オメガ「神の力は使わねぇ。仲間は俺の力で守るんだ!」


Ω「勘違いをするな。神の力もお前の力だ。それに目を背けるのはただの現実逃避だぞ?」


オメガ「う…」


Ω「なぜ神の力を否定する?」


オメガ「そんなの、俺は人間だからだ。人間なのに人間が本来持ちえない力使うなんて…ズルいじゃねぇか」


Ω「なら仲間を守るために利用しろ。お前の力なんだ。使う使わないはお前の自由だが守れる力があるに越したことはないだろ?」


オメガ「まぁ…」


Ω「俺を否定するな」


オメガ「ッ!!!」


Ω「…」


オメガ「そう、だよな…お前なんだよな。悪い!目が覚めたぜ!」


Ω「フン、鈍感な奴だ」


手を前に出すΩ


Ω「手を重ねろ」


オメガ「…こうしねぇか?」


握手を促すオメガ


オメガ「こっちの方がいい!」


Ω「フ、ワガママな奴だ」


手を重ねる


Ω「俺はお前と一つになるが油断はするな。お前は弱い!強さを求める気持ちを忘れるな」


オメガ「おう!」


~オメガの心理世界、終~


ブラフマー「終わりだ」


槍を放つ


タツヤ「ッ!!!」


オメガ「終わらねぇよ」


バリィン!


槍が砕ける


ブラフマー「ッ?!」


オメガ「ふ!」


ド!


殴り飛ばす


ブラフマー「ぐ!!」


オメガ「終わるかよ…まだ救えてねぇ!まだ守れてねぇんだよ!」


ブラフマー「あぁ?」(なんだ?!オーラの質が変わった?!何をしやがったこいつ…)


オメガ「グランツェ、さっさとお前倒してルミカを助ける!限界突破!『潜在能力全開放(イグニッション)』!!」


向かうオメガ


ブラフマー「速い!!」


ドドド!


ブラフマー「あが!!…」


ドドドド!


ブラフマー「くぁ!!」(見えない!!急激に成長しやがったのか?!)


オメガ「ソウルスクエアー!!」


放つ


ブラフマー「ぐぅぅぅぅ!はぁあ!!」


技をかき消す


オメガ「ふ!」


ドド


ブラフマー「ぐぅ!!」(俺の創造が追い付かねぇ!!)


オメガ「うぉおおおおおおおおおお!!!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!


オメガ「ふ!」


ドーーーーーーーーーーーーーーン!!


殴り飛ばす!


オメガ「…グランツェ、お前の能力の弱点はお前の創造のラグだろ?」


タツヤ「なるほど、自分の創造する事象が追い付かなければそれは反映されないってことか」


煙が晴れる


ブラフマー「ハァ…ハァ…」


オメガ「当たり、みたいだな。創造でダメージが消えてねぇ」


ブラフマー「お前、いったい何をした?」


オメガ「相棒に別れを告げた!」


ブラフマー「ふざけてんのかテメェ」


オメガ「グランツェ、もうお前には負けねぇ!」


ブラフマー「く!イキがりやがって…」(戦闘スキルが格段に上がってやがる!マジで何をしたんだこいつ)


タツヤ「オメガ、俺は…」


オメガ「タツヤ、手を出さないでくれ!こいつは俺がぶっ飛ばす!」


タツヤ「分かった、俺は他の奴らの援護に行く!ここはお前に任せるぞ」


オメガ「あぁ」


タツヤ「負けるなよ」


走り出すタツヤ


オメガ「あぁ、絶対勝つよ」


ブラフマー「フフフ」


オメガ「何がおかしい?」


ブラフマー「勝つ?お前は馬鹿か!俺に勝っても俺の計画にはお前は負けたぞ」


オメガ「ッ!」


ブラフマー「ルミカが死ぬまであと10秒だ」


オメガ「な!!!!!!!」

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