【本作】ザ・オール～神と悪魔～

第37話「デウスVSロス」

ジルディオ「ハァ…ハァ…」

倒れるジルディオ

ガングウ「ハァ…ハァ…小童、がぁ！」

倒れているガングウ

ジルディオ「クソ…もう動けねぇ」

ガングウ「暗殺王のわしが…ごふ！！！こんな小僧…にぃ！…」

ガングウ死す

ジルディオ「…」(やべぇ、もう目も耳も死んでやがる…暗殺王は倒せたのか？…いや、感じる、暗殺王は死んだ。あいつらのためになれたみてぇだ…へへ、もう終わりだな。心残りはいっぱいあるけど、一番は…オメガ、お前が俺を超えていく姿が見れねぇことだ。強くなれよ！お前なら…絶対俺よりはるかに強くなれる！前を向いて歩け！）

ジルディオ死す

場変

デウス「ッ！！！ジル！！！」

それを感じ取ったデウス

デウス「なんだこの胸騒ぎ…ジルに何かあったのか？」

ロス「あのさぁ～戦闘中によそ見とかぁ～マジであり得ないんだけど？別の方気にするとかぁ～あり得ないんだけどぉ～？」

デウス「…」

ロス「はぁ～だるい」

デウス(『怠惰(アセディア)』のロス！なぜ何もしてこない？その名の通り本当に怠けて動かない敵と言うことか？)

ロス「速く終わらせて帰りたい」

デウス「来ないならこっちから行くぞ！」

向かうデウス

ロス「ん～？」

デウス「セフトスラッシュ！」

振るうが手元に杖がない

デウス「な！！」

ロス「何してんの？」

デウス「『魔法杖(テンペスタ)』が…」

ロス「はぁ～？」

後ろに引くデウス

デウス「『魔法杖(テンペスタ)』！」

武器を出す

デウス(どういうことだ？！武器をひっこめたつもりはないぞ？！)

ロス「はぁ～…寝ていい？」

向かうデウス

デウス「分かるまで試すしかないか？セフトスラッシュ！」

振るうがまた武器がない

デウス「な！！！」

ロス「だからぁ～何やってんの？」

デウス「また…消えた！！」

ロス「えい」

ド！

蹴り飛ばされるデウス

デウス「ごぁ！！！」

ドーーーーーーーーーーーン！

ロス「…怠惰だねぇ～」

煙が晴れる

デウス「ゴホゴホ！く！！生身で受けてしまった！…」

ロス「ｚｚｚ」

デウス(本来、人は生命エネルギーであるオーラを常時纏って戦う。オーラを纏った拳と生身のガードではブルドーザーと卵並みの差があるほど！しかし、俺はオーラの流れを解除した覚えはないぞ？！なぜ…)

ロス「ダメだ～なんか寝れないわ。ダル～」

デウス「能力！」

ロス「そ、能力～。能力名はないよ、怠いから覚えてない。ただ効果は相手が怠ることってのは覚えてる」

デウス「怠る…強制的に怠惰にさせられるということか」

ロス「ま、そんな感じ～」

デウス(なるほど、だから『魔法杖(テンペスタ)』を出したのにそれを怠ることにされ、武器の準備不足に持っていかれたのか。そしてオーラも然り)

ロス「寝れないのはいつもと環境が違うからかぁ～？」

デウス「なんともやりにくい相手だ」

ロス「なんか言ったぁ～？速く死んでくれよぉ～」

向かうデウス

デウス「能力は大体わかった。そういう能力は打撃には弱い！」

ド

ロスに一撃

デウス「…効いてない？！」

ロス「オーラ流すの怠ってるじゃん。そんな蚊の止まったようなパンチで何が出来んの？」

デウス「く！！」

ド！

後ろに引くが遅い

蹴り飛ばされる

デウス「ぐふ！！！」

ロス「打撃に弱い～？どこ情報だよそれ」

デウス「ハァ…ハァ…」

膝をつくデウス

デウス(まずいな、接近戦も長距離戦もダメ。打つ手はないのか？)

ロス「考えてるねぇ～。無駄だよ。早く終わらすには君が倒れることだ」

デウス「く！」(最初にかけた幻術も、さっきからかけてる幻術も効果が出ない！意図的に準備不足状態にさせられているな)

ロス「よっこいしょっと」

背筋を正すロス

ロス「めんどくさいけどぉ～早く終わらせたいから動くね」

向かうロス

デウス(考えろ。どんな能力にも必ず弱点はある！)

ロス「ほいさ」

デウス「『魔法杖(テンペスタ)』！」

ロス「！」

後ろに引くロス

デウス「？」

ロス「はぁ～…やっぱ怠い」

デウス(今なぜ引いた？！明らかに不自然だった！)

ロス「…」

デウス「ハ！キメラ召喚！」

ロス「？」

デウス「出ない！」

ロス「フフ」

デウス「なら、ランサベルフララスティ！！」

光線放つ！

ロス「ふわぁ～」←あくびをする

ドーーーーーーーーーーーーーン！

光線はロスの真横へ

ロス「どこ狙ってんのぉ？」

デウス「…」

ロス「ん？また考えてるの？」

デウス「く！」(本当に打つ手がない！…)

ロス「んじゃぁ行くね」

向かうロス

デウス「ッ？！」

ロス「ほい！」

ド

ロスの蹴りをガードする

デウス「く！」(オーラが流れてる！)

ロス「ほい！」

デウス「セフトスラッシュ！」

かわし後ろに引くロス

デウス「…」

ロス「フヘヘ」

デウス「なるほど、大体わかった」

ロス「あ？何がぁ～？」

デウス「能力の弱点だ」

ロス「弱点ん～？そんなのないよ」

デウス「…」

ロス「あれ？来ないの？」

デウス「…」

ロス「じゃぁこっちから行くね」

向かうロス

デウス「フ」

デウスも向かう

ロス「ん！」

後ろに引くロス

デウス「やはりな」

止まるデウス

ロス「…へ？」

デウス「お前の能力は一人が頑張りもう一人が怠けることで成立する能力だな」

眉をピクッと動かすロス

デウス「互いに頑張る者ではダメ。怠けるものでもダメ。だからお前は俺が動かない時に自分から動き、俺が攻撃態勢になれば身を引いた」

ロス「チ！」

デウス「これは俺の仮設だが制限付きでもあるな。その制限以内でなければ自分に大きな反動が来る！違うか？」

ロス「あぁ～ダル！すっごい怠いよ君！…正解。そしてその反動は…死！今互いにべらべら喋ってるだけの怠け者同士。あと10秒それが続けば死ぬ」

デウス「…」

ロス「だから…抗ってみせるよ！怠いけどね！！」

向かうロス

デウス「ふむ、仮説が当たっていてよかった。能力が発動していないその瞬間を何も考えずに狙えた」

ロス「へ？」

デウス「もう、お前は俺の幻術の中だ」

ロス「ッ！！！」

ザシュン

縦に真っ二つに裂かれたロス

デウス「七人の大罪者、お前たちは大人しく残りの余生を過ごすべきだったな」

ロス「…だ、る！」

ロス、死す

デウス「…俺もまだまだだな」

口から血を流し膝をつくデウス

デウス「く！援護に向かうには少し時間がいるか」