第10話 ウソ告してないヤツは……
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作者から
第1話の直後の時点になります。
光樹君は、お家へ帰りました。お家に帰るまでがウソ告です。
……って、そんなことはないか(笑)
それでは、お楽しみください。
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自分の机に向かってノートを取り出して、ウソ告してきたやつらのリストアップをしようと思った。
けれども移動教室からこの方、一ヶ月ちょっとで怒濤のウソ告が繰り返されたせいで「してない女」を書き出す方が簡単だった。
なんてこったいw
と言っても、学年全員分の名前を思い出すなんて不可能だから、移動教室の「しおり」にある部屋割り表を使って、チェックしていった。
「おっと、こいつだけはチェックをするまでも無ないな」
まず、「木山 乃々佳」がトップにくる。さすがに、あれからさらにウソ告をしてくるほど悪質な性格でもなかった。
でも、あれだけ見事にオレのコトを相手にしてないワリに、ちょくちょく話したそうに近寄ってくるのがムダにウザイ。もちろん、オレは三十六計逃げるにしかず。
しかも、ウソ告に加担している(当社比)から、ぜったいに近寄らない。それどころか何か言われる前に、すぐに逃げ出しているおかげで、その後のショックは受けてない。
幼馴染みだし、かつては好きだったんだけどな〜。
性格も良いと思ってたんだよ?
軟式テニス部のキャプテンもやってるし、声まで透明感があるし、ピアノも得意だ。スポーツも音楽もできて社交的なんだもん。ムダにすごいと思う。富士川中四大美少女の一人でもあるのは幼なじみながら、すごいな。
「それと、ウソ告してないって言えば、こいつだ」
サッカー部のマネージャーをしているおかげで、トップカーストの一員である「須藤
裏で糸を引いてるのは知ってるけど、メギツネ自らウソ告をする気にはなれないらしい。
次が合唱部長の「高木ひな」。
「合唱のこと以外で話したことないけど、この子って、実は美少女だよね」
サイドテールがポイントの美少女だ。まあ、実はも何もない。この子も富士川中四大美少女の一人なんだから。微乳だってウワサだけど、みんな、どうやって確かめてるんだろ? やっぱり体育か? ついでに言えば、親は、どっかの社長さんらしい。オレとは小学校が違うけど、けっこういいとこのお嬢様らしい。
そしてウチのクラスの41番。
「この子も、話したことがないなぁ、っていうか、顔もろくに見てないぞ?」
転校生で前髪を下ろしているから、顔を見たことがない。
「紺野つばさ」だ。
山形によるプールの時間の目撃情報によれば「四大美少女のランクが変わるかも」ってほどらしい。山形が言うくらいだから、胸はデカいに違いない。なにしろ、あいつにかかると、胸さえあれば全部美少女にしてしまう、生粋のオッパイ星人だからな。あまりあてにならないか。
「そして最後は、2組の、この子だよね」
生徒会長をしている「若葉
若葉さんも何気に美少女なんだよね。この子も富士川中四大美少女の一人だ。しかも、最強の名をほしいままにする弓道部の主将も務めてるんだからすごい。いや、何が「最強」なんだよとは、聞かないでくれ。
「こうやって考えると、四大美少女クラスともなればウソ告なんてマネはしないよな〜」
となると、四大美少女なのにウソ告してきた杉山さん、ちょっとヤバい性格だったのかも。
同じ図書委員で、大人しい性格なのを知っていたからショックはデカかったよなぁ。
「ウゲッ」
いてぇえええ!
「おにぃ」
「未玖か。いきなり背中を叩くなよ」
「叩いたりしてない」
「え? でも、今背中が」
「ヒジを入れただけ」
「あ、そっか。ヒジなら仕方ない…… って! ヒジもダメ!」
「わかった。次はヒザにする」
「ヒザもだめだからね?」
「わかった。おにぃがそれほど言うなら仕方ない。次は ボソボソ……」
「ん? なんて言ったの?」
「なんでもない。キモい。何も言うな」
『聞こえてなかったんだ。良かった。ふふふ。おにぃがぜーんぶダメって言ったから次は仕方ないよね? おにぃのせいなんだから。次は、オッパイアタックがありってことだからね? この間のショック状態の時は、けっこう効き目があったし。私、この一ヶ月で、すっごく大きくなったんだから。きっと効果は……』
「ところで、おにぃ。このリストは何?」
「ん? これは、まだ、オレにウソ告をしてきてない人達だ」
「え!!!!!」
未玖は目を丸くした後で、次に顔を真っ赤にした。
あ、これ、ヤバいパターン?
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作者より
毎回、クレクレをしてしまって申し訳ありません。
ご面倒をおかけしますが
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減らすと作者が泣きますが (>_<)
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