第26話 その先に視えるもの
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「おや、これは
「『どうかしたのか』もないものだわ、クロノス…あなたやるにしてもせめて『
「ははは、それはすまなかったね、丁度こちらの
「どうだか―――それより私の『
「気に、なるのかい…君程の
「“なる”わよ、なにしろ
「“大詰め”を迎えている―――
今現在クロノスの“固有領域”で
それにしても“何故”―――?クロノスは
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[勇者]の歩むべき道から“転落”した者は我が身を呪い、
もうなにもかもがどうでもよくなり
「(く…)なぜだ―――何故当たらない!」
『フン―――そんなの当然だろ、『数撃ちゃ当たる』…そんな
「(こ、のっ―――)ふざけおって!」
『『ふざける』…?何を言い出すやら、ふざけてんのはお前の方だろう―――『殺人剣』とは言え一つの流派を
―――えっ…―――
『何を
その
「ちょ、ちょっと待ってくれ―――私はお前から剣の
『随分な余裕だなあ、おい……わたしは言ったはずだよな、『これからの休憩は一切なしだ』と、まさかアレか?お前…時間切れを狙って済ませようって
「ちっ、違う!わた―――」
『違うならさっさとかかってこい!四の五の言ってる暇があったらなあ!』
“戦場の剣”―――と聞こえはいいがそれは他人を
それに比べて[
「―――くはっ!」
本来の因縁の
“弱い”―――“弱い”のは[
『おいおいどうしたよ―――たんまり休憩は与えてやったはずだぜ?おネンネにはまだ早いだろうが!』
私―――は…私は[勇者]から“転落”してしまった『
『―――はッ…!なんだまだ立ち上がってそんな目で
あれから、どれくらいの時間が
―――“秒”?“分”?“時間”?“日”?“月”?“年”?―――
どれくらいの時間が
既に、体力も―――
[
『(……)ほおう―――へへ…やりゃ出来るじゃねえか。』
そう、言われて、【清廉】と向き合った時、
『何故』―――?『どうして』―――?そうなる前までは、どうやったら【清廉】に一矢報いれるだろうと…そんな事ばかりを考えていたものだったのに―――
『何故』…?『どうして』…?何も考えずに放った剣筋が―――
―――「当たった?!」―――
『フッ…そりゃ当然だろ―――なにしろお前は
「そ―――そんな事…で?」
『今お前が放ったのはまさしく『
私は―――
そう思った処で【清廉】からの『
「な…なぜ私の―――先程まで
『お前は
私が【清廉】に放ったのは気の遠くなる年月を経てようやく到達する事ができる“
そしてこれ以降『同じ土俵』に立ったと言う事で【清廉】からの一撃一撃は
『始めた最初から比べたら“固さ”が取れた―――と言ってやりたい処だが…なあお前、“あいつ”が憎いんだろう?栄光ある[勇者]様が“転落”するまでになっちまった原因をこさえたあいつの事が―――』
「(く…っ!)だから―――“あいつ”とは誰の事を
私はこの瞬間まで、その存在の事は『
『“あいつ”は―――
「【緋鮮】?【緋鮮】…と言う事は―――」
『ああ、わたし達と同じ『
「ヤツもまた―――私の様に
『ま、こっちも事情なりとあったもんでな―――それに…わたしが
その途端に身震いに襲われた―――太古に一つの流派を
事情を知らない
そして私の身には巡り始める…私の魔“力”を“通”じさせる≪“神”通力≫が―――
フ・ン―――ようやくか…
私は、私の
『そいつは違うなあ…お前が得たのは≪“神”通力≫だろう?片や私のは単に魔力を通すだけだった…だけど今は違う、わたしの
私―――は…どうしてその事に今まで気付けないでいたのだ、だが…ああそうか、私は自分の魔力を操る事も未熟―――だからその事にも気付けるはずもなかったと言う事か…
けれど至った―――判ってしまったから
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一方のその頃―――
『いかがですえ?今のあんたさんの
「この痛みくらい……あの人が
『口でその
この
けれど―――しかし、いまだに“きっかけ”さえ
『(…)なあ―――あんたさん?いまだわっちの剣閃、目で追うてはりますやろ。』
なん…で―――この方…
『そんなんじゃいつまで
『剣術に関してはあんたさんと一緒―――ずぶの素人なんですからなあ。』
「けど…どうして
『そんなん簡単やわ、今のあんたさん―――かつてのわっちにそっくりや、その昔仲の
「『いまだに目で追っている』……」
『そこでわっちは『両の眼を閉じてこれまでの稽古の反復』をしたもんです、そしたらなあ……』
この―――方…まさか
『わっちの事を避け始めましたんや、【
『ああら、どこへと逃げ
―――それでも なお―――
『自分の魔力を
頭の中が“こんらん”をしている今の
『やぶれかぶれ』―――
けれど…どうしよう―――どうするべきか…一時的なその場
―――『じり貧』……ですか、この状況あの時の事を思い浮かべますね―――
あの時はまだ―――[
『おおや―――もう無駄な抵抗はしまへんのえ?なんや残念やわあ…わっちも、もうちぃとばかし楽しめるもんやと思うとったのになあ……』
だって
―――……それでいいの?カタラチ、本当にそれで―――
個人が死を迎えるに際しそれまでの記憶が
けれど【神威】にとっては関係がない、その一生を斬る事にのみその楽しみを見い出した『神をも
その理由は明白―――カラタチは、己の
あれあれほんま…やきもきさせられるわ、ようやく―――ようやく気付きはりましたとはなあ…そや、絶望の淵に追い込まれたらその二択しかあらへん、諦めてそのまま
『けど―――今のが
―――防いだ?―――
―――
―――【
―――どうやって?―――
けれど
その時ふと思ったものです、『このままでいいのか』と、『このまま』…諦めてしまって“あの人”と二度と会えなくなってもいいのかと。
しかしそれこそが『無意識』『無念』『無想』である事を
『どうやら、その様子では
「え…―――」
『とは言え、言うても≪心眼≫は飽くまでもの“一つ”に過ぎませんえ?あんたさんにはまだまだ
「あの…ひとつご質問を?」
『なんやろ?わっちに答えられる事しか答えられんけどなあ。』
「あの…あなた様は
『そうでも言わんと“死に者狂い”にはならんやろ?事実≪心眼≫は絶望を拒絶したその先に
―――
『それに、そこんところもわっちによう似とる…わっちもその背を追いかけとる人がいた―――けどな、憧れだけで追いかけとっても中々その差は縮まらへん、その人の
その語りは、『凡人が英雄に成った』その事を言い現わしているのだと言う事が理解出来ました、そう『凡人が英雄に』……ならばこの
『せやけど、あんたさんはまだ成り立てや、生まれたての小鹿や小馬がどんなんか知ってるか?足は“ガクガク”、膝も小刻みに震わせて視てられへんのもあったもんやないわ、まあ要するにこれからが本番―――わっちもようやく手加減ナシに出来るさかいに、あんたさんも死なんよう
ようやく―――ようやく…出発点に辿り着けた、と言ったところでしょうか…けれどこれからが
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