第25話 英 (エインフェリアル) 霊
いつもと変わらぬ“朝”―――いつもと変わらぬ“日常”―――そして…いつもと変わらぬ“大切な人”
それだけがあれば今の
―――いつもとは違う―――
そう感じたのはいつからだったでしょうか……
けれどそう思い
―――……『この先の『未来』を
その手がありましたか、それにこの感覚だとすでに何度か繰り返されてきている…それも
他の方々はそうではないみたいでした、ヴァニティアヌス様もヘルマフロディトス様も…
けれど―――だとしたら?だとしたら一体誰が……そう言えばフレニィカさんがお会いしてきたのは『時空』を
そういう事でしたか……全くあれほど
けれどその事を言わないのがフレニィカさん―――
カラタチが
そして“またいつもの”が始まる時に、
そこで思い立ったが
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あの―――ヴァニティアヌス様少し相談が…」
「ああ、カラタチ殿か、あいつならば少し用向きでな。」
「いえ、
「ん?ああそうか―――それで相談とは何だ。」
「実は―――
「そうか
「『不思議』…とは?」
「いやなに、カラタチ殿はこれまでにも一度たりとて
今回
そしてヴァニティアヌス様のお力を借り
{久方ぶりだな、カラタチ…
「はい、これも
何の落ち度もない
{なんと―――目的はこの
「折角ご無理を承知でお会いして頂いたのに、連絡番のような事をさせて…申し訳次第もないと思っております、ですが
{別に
この
{いいのよ、そろそろ来る頃合いだと思っていたから。}
この
{―――ねえ?それよりもあなた…あなたの本当の目的は、
その時
{うふふふ…その
{
「やはりそうなのですか!?
{『やはり』とは…しかしこの事は直接お前に作用しての事ではない、お前自身深く関わり合いのある者により『引っ張られている』と言う感じだ、つまりお前はその者により『巻き添え』を喰わされているに過ぎない…この
「いえ、それには及びません…それとその人との
{ふうむ、いや、しかしなあ―――}
「これは
{(…)なあカラタチ、
なんて畏ろしい
けれどこれで疑問は晴れた―――少なくとも
* * * * * * * * * *
「
「あなたが言おうとした事、“野暮”だったからよ。」
「はあ…いや、ですが―――」
「ふふふ―――本当に男の子って仕方のないわね…あなたもあの
「『あの
その事が判っていないようだからあなたも
まあ以前は
その補足として今回の―――
どうやら今回の『お祭り』は、予想以上に楽しめそうだわ。
―――ねえ…『ウラヌス』―――
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ここ最近自身に纏ろうようになった凶兆の原因を探る為、カラタチは以前までいた
しかし近未来に起こる自分の不幸に抗する事など無理な事、いくら―――何度“やり直し”をしても
また―――まただ…また、私の実力が足らない
もう……イヤだ―――イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ!
もう見たくない…カラタチの無惨な姿など―――
私の実力不足の
そうした想いが―――望みこそが“絶望”……絶望の淵に立たされていた私は、いつ踏み外してもおかしくない場所に立っていた、そこでふらつこうが…
なにが[勇者]だ―――なにが[英雄]だ、大切な者一人を
―――『
ああ…なんだ―――そう言う事か…私が―――私こそが『紅き
幾度となく≪
『
彼の者の目的―――
* * * * * * * * * *
『待ちな、どこへと行く―――』
「何だお前は、私の目的を邪魔するのか。」
『あんたの目的なんざわたしの知ったこっちゃない、けどなあ…随分とまた
[勇者]から転落してしまった『
それに呼び止められてしまったと言うのも、自身ですら抑制の
けれどしかし―――確かにその
『―――っ、へへ…強ええなあ、あんた。』
「騎士や傭兵風情が私に
[勇者]ではない騎士くずれや傭兵では
それが当然―――実力の見合わない者が自分より強者と対峙した時どうなるのか…それは自分が一番よく判っていた―――こ、と…
『あいつから聞かされていたのとはほんのちょっと違ったみたいだなあ、ま―――今のあんたの実力がどれくらいのものか見させてもらったんだが…』
「―――待て、今何と言った!『あいつ』…『あいつ』だと!?『あいつ』とは一体誰の事だ!」
『…フッ、『あいつ』と言やああいつの事に決まってんだろ、それより喜べ―――あいつと対等に渡り合えるようにしてやる…この、わたしがな。』
“何”だ―――“何”の事を言っている…?この者―――『白銀の鎧に身を包んだ騎士』は…それに『あいつ』?あいつとは…まさか!?
しかしこの『白銀の鎧に身を包んだ騎士』はこれ以降一切の容赦が無くなった、そうこの者はその言い分通りに私を『見て』いたのだ、『実力』の程を…一体どれくらいの加減をしてやればいいのかを。
『ひとつ言っておいてやるが…このわたしに『お上品さ』を求めるなよ?わたしの剣の流派は“戦場での剣”―――『殺人剣』だからな。』
「(な…)何の事を言っている―――『殺人剣』?『流派』だと?」
『ああそうさ…わたしの流派は生き残る事が前提―――それも“戦場”でな、“戦場”では型に
「そ―――そ、んな…流派が」
『“ある”んだよ、しかもそいつはわたしの家で
「ま―――待て!それは誰なのだ…お前にそう言ったのはどこの
けれど私がそう言った処で『白銀の鎧に身を包んだ騎士』は何も答えてくれなかった、ただ容赦なく無慈悲なモノが飛んで来るだけ―――
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
―――その、また一方で―――
カラタチもまた不思議な場所にいました、そこはどこかにある
すると―――
『おや、これは珍しい事もあったもの、まさか生きている者がこの様な処にいるなどと…もしかして迷いでもしましたのか。』
「え…はあ―――あの、それよりここはどう言った処なのでしょう。」
『迷ったと言うのならこのわっちめが
「(“賃”?)あの…それって―――」
『この河を渡る為に必要な“賃”―――しめて“六文”也…』
その瞬間、
『ようやく…あんたさんがいる場所、判ってもらえて助かると言うものです。 そう―――ここは死者の国『
「当たり前です、私は自らが望んでこの場所に来たりはしません、それに―――」
『不思議と元には戻らない―――或いはまた同じような事が繰り返されない…そう言った処でしょうか。』
「あなた……一体?何故そんな事が―――」
『『判る』…ええ判りますとも、なにせわっちらはその様に仕組まれているのですから。』
この女性の態度が前とは明らかに違って来た―――死者の国である『
『では、始めるとしましょう…あんたさんも多少の
「何をこれから始めなさろうとしているのかは判りませんが、先程から『聞かされている』とか『仕組まれている』等と言った様な他人を
『あら、
「いえ、どうあっても話してもら―――(あッ?!)」
その女性は刀を帯びていました、恐らくあの刀で私の様な迷いの
しかし
―――それにしても抜刀の気配すらなかったというのに、なのに“いつ”?―――
『その様子ではあんたさんがいつ斬られたか判ってないようですなあ、まあそれも当然ですか…なにしろあんたさんは“
「(【神威】!)まさか…あなたは―――」
* * * * * * * * * *
「『
『そう言う事さ、この
私達の前に立ちはだかったのは、その
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