第8話 蹂躙された[勇者]
気が付くと、私は私の知らない場所にいた。
一面がショッキングピンクに
{ようこそ―――
「あ、あんたは一体何者だ?!それにこの場所は―――…見た事もない知らない場所だが『
{うふ、うふふふ―――なあにもそんなに警戒しなくても、
「私を―――『育てる』?おかしな事を言うものだ、親に育ててもらう期間は既に過ぎている、それに私は[勇者]だ―――[勇者]が強くなるには自らの手によって切り
{ふふふふ―――この
「(な、っっ―――!?)」
{
「私の為を思って…と言うのは判ったが、それはお断りをさせて頂きたい。 それにあんたの
{うふふふ―――あらあら勘が良いのね、取り敢えずは『そう』とだけ言っておきましょう。}
「ならば
{『許可』……そんなものなんて要らないのよ、
「いや、まだ終わりではない!大体なんだ、自己紹介とは言っても互いの名前すら明かしていないではないか、それ―――…」
{うふふふ♡なあんて威勢のいいことでしょう、[勇者]フレニィカちゃん。 ひとつだけはっきりと言っておいてあげるわ―――
「(な、っ!)な、ぜ…そんな事が―――」
{『言える』わよ、だって“ハガル”は『
その、
[勇者]に二度の敗北は許されていない…それが同じ相手なら尚更だ、それに私とて敗けるつもりで挑んでいない…だとしたらばだ、あの戦闘はこの女神の介入がなければどうなっていたというのだ?考えたくもない―――想像したくもない…恐らくヘレネはまたわざと敗北を演じようとしていたのか?!だがそんな事をして私が喜ぶとでも思っていたのか?私は…私は……手加減をされないと―――敵からの
ン・ふふふ―――あらあら、真実に
私は―――“真実”と言うものを知ってしまった…“真実”―――なんと残酷なものだろうか、敵からの
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
私は、[勇者]だ―――[勇者]だが同時に“女”でもある。
そんな私になんら容赦なく敵性亜人種のゴブリン共が群がりくる、私が無抵抗なのをいい事に、
当然のことながら私の
次々に押し寄せる
{(うふふふ―――さすがは[勇者]と言った処ね、この短い期間にすっかりと
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一方その頃、[勇者]フレニィカが
「な―――なんだって?もう一度言ってくれ!」
「簡単に説明をしてしまうとな、こいつが私に意見を求めてきたと言うのは
「女神ヴァニティアヌスに『主神』?と言う事は…」
「(はあ…)そう、今回事を起こしたのはヴァニティアヌス様ですら
「だとしたら―――その名は?」
「(…)残念だけれど、その方の名を口にするのは、あの方の従属神であるヴァニティアヌス様の“使徒”如きである私達ではできない。 全く―――これだから上位の神格を持つ神と言うのは…好きにはなれないんだ。」
「どう言う事だ?ヴァヌス。」
「さすがにこれくらいは言わせてもらおうか。 あのな、神って
この事が単なる―――種属間や冒険者の間で起こされる問題なら
「無事…なんだろうかねえ、あの子―――」
「心配する事はないとは思うけど。」
「(…)あんたはお気楽だよ、こっちはこっちで丁寧に育てて来てるって言うのにさ、なのに何が気に入らなかったんだろうかねえ。」
「(~~)気休めにしかならないとは思うけど…多分あの方の事だから、気に入る、気に入らないの問題じゃないとは思うんだけどなあ、ただ単に興味が出て来た―――それだと思うけど。」
「あのさあ~!興味が出て来ただけで手を出されたくないもんだよ!それにあの方…手癖が悪いって言うし―――」
「(ん?)神なのに『手癖が悪い』?ってどう言う事なんだ。」
「(…)はああ~~~いーい?これから言う事は本当に気休めだぞ、だからあまりキツい事は言うんじゃないぞ。 多分、今回は心配するような事はないだろう…それに、今回の事が無事済むようであれば、あの子―――フレニィカは私達が心配するような存在ではなくなっているはずだ。」
「(う・う・うぅ~~~)それもなんだか寂しい話しだよ―――あの子にはもうちょっと手をかけて私の手で強くしたかったんだけれどねえ~。」
「それより…ヴァヌスにしてみれば随分と予防線を張っているようにみえるな。」
「だから言ったじゃないか、『気休め』だって…今、私が
「ふむ、それは判ったが―――それは『
「はーーーい、残念ながらサービスサポートセンターは閉店でーす。」
「(は?)な、何を言っているんだ?ヴァヌス…」
「まあつまり、さ、帰って来ても
明確な答えはこの2人からは、なされなかったが―――それはそれでオレはどこか判ってしまうようだった…と言うより、答えたくないって何だかその答え自体がそら恐ろしいんだが…それにヘレネも『何があっても
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
その頃丁度私はゴブリン共から解放され―――また新たな脅威に晒されていた。
その新たな脅威とは、何本もの触手を“うねうね”とさせている『ローパー』―――それも1体だけではない、目に視えるだけで5体はいた…しかも触手は1体につき10本―――実に50本もの触手が代わる代わる私の
ゴブリン共の行為―――それ以上に
しかし―――不思議な事もあったものか…こんなにも
{(ン・ふふふ―――すっごお~い♡ ゴブリン共は耐えたとしてもローパーちゃん達まで耐えれたのは久しぶりだわ?それにこの子の
どうにか―――耐えうることが出来たか…しかし、
この部屋の一部が
私は[勇者]―――だが、『弱い』…本来なら幼い頃の私を窮地から
済まない―――ベレロフォン…私はどうやらこれまでだ、抵抗虚しく私はこのスライムの一部と生り果てて…成って、果ててしまうのだろう。
そしてそうした私の気を汲んだものか―――スライムは私の下腹部にある2つの内の1つの穴から侵入し、一気に―――!
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
それからしばらくして、私は目覚めた―――するとどうした事か、今までの
だが私の記憶は、あの
すると間抜けな私の対応をこれまで見続けていた名乗らじの女神から―――
{あっははは―――!いいわあ~
「な…何の事を?『最終調整』?『私が“強い”』?『組み込まれていなかった』?『老婆心』?『“耐性”』? 一体―――、一体何の事を?」
{
信じられなかった―――なによりあの“ハガル”が…ヘレネが『私の事を可愛い』と思っていたなど!いや…それよりこの女神のした事よりも『酷い目』―――って…想像したくもないなあ…「あ、あのひとつご質問が…『あれ』より酷い目ってあるのでしょうか?」
{なあに?いいわよ―――ああ、まあ…経験がなかったのだからこれから言ってあげる事は酷なのかもしれないのだけれどね。 『想像力の
「な―――なるほど…肝に銘じておきます。」
結局最後までその女神は自ら名乗る事はなかった。 だがまた一つの事を経験したお蔭でどこか私も一回り成長出来たと思われた。
そして、
{それでは―――
「…は?『褒美』―――ですか?」
{ええ、そうよ。
「あのーーー初耳、ですが?」
{へ?あら?
「今初めて聞きました…」
{(あっ…ちゃあ~)あ、そう―――まあいいわ、それより
「(―――)あ、ああーーー冒険者みたいな事ですか、あの連中も
{あ…ああ~~~そ、そうね(と、言うか『
「(…?)あのおーーー女神様?」
{(それにあの人達から無茶難題を吹っかけられて、その
「あ、の!女、神、様!?」
{えっ?あっ、はいなんでしょう。}
「あの、『褒美』の件はどうなったんで?」
{ああ~ごめんなさいね?ちょっと感傷に浸っちゃって―――コホン!では改めて…[勇者]フレニィカ、見事
肝心な事は話されないで、またも
{それは『美と愛と豊饒の女神の
言われるがままに装着した『美と愛と豊饒の女神の
{それともう一つ、『
女神ヴァニティアヌスの許可なく私を連れ去った―――その事を反省しているものと見え、その女神様はお詫びの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます