第4話 暴かれた“正体”
ある村が襲撃をされている―――その
それであるが故―――それだからこそ、彼女は他人と
そして今―――彼女は
けれど、
「お…おい―――な、なんだあの耳は……」 「オレ達の耳より……長い?」 「いや待て、あの耳はエルフのじゃねえか?」
人々が―――ヒューマンが疑問に思った事を口にする、自分達にはない長く尖った耳―――
その途端に
「あ、あ―――ち、違うんだ…こ、これには訳が……」
「ふざけんじゃねえ!何がどう違うんだ、現にお前のその耳はエルフのじゃねえか!」 「おおよ、今まで[勇者]様だと思ってたのに…そうか、そう言う事か、今、村を襲っている化け物共はお前が引き入れたんだな!」
今までの“
「ヤレヤレ―――フレニィカ、なにをやってんだお前は、よ。」
「ベレロフォン?!丁度いい処に…聞いてくれ、このエルフの娘がこの村を襲っている奴らを引き入れたんだ。」 「そうだ、今までオレ達を
「おいおい、待て待て―――ちょっと聞くがそいつは本当なのか?」
「何を言っている!あの長く尖った耳が何よりの証拠だろう!」
「ふうん―――じゃ、一つ聞くが、そこの小娘がエルフだって事は間違いないんだな。」
「ああそうだ!だからこいつを……」
「エルフは確か“魔族”の一種属だ、オレ達ヒューマンが使っている言語の形態とはまた違う言語を使う…そう言う事でいいんだな。」
「ああ…そうだ、だから―――」
「にしちゃ、
そこに現れたのは[英雄]ベレロフォンでした、そしてフレニィカを目の
『今まで自分達が信じていた[勇者]様が、実は“魔族”だった』
のだと、しかしそれにしては相当妙な事でした、それと言うのもベレロフォンが語ったように、長らく“人類族”と“魔族”とが衝突していると言うのは、まずその
「あ、あれ…?そう言えば何でオレ達―――」「お互いが喋っている事が判ったんだ?」
「ま、そこんところを疑問に思うのは判らんとまでは言わんが―――お前達、身内同士で争っている場合か?オレ達ヒューマンの村が滅ぼされようとしているんだぞ。」
その
「また…助けられてしまったな、お前に。」
「バカ野郎が…自分一人で出来るもんだと思い上がるな、今までお前が対処できていたのは、お前より“格下”だったからだろうが、その事が判っておきながら今回も同じような対処法で臨むなんて…」
「済まない―――反省をしている…それよりどうしてお前が…」
「(…)『虫の知らせ』―――ってヤツさ、それにオレはもう、
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
少し、
それにその能力の
それに…今、
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
その日のオレは、いつも通りに[英雄]としての
そんなある日―――オレがいつものように見回っていると、どこか近くで
だが、そんな事はオレの
「大丈夫か?おま―――…」
「うわあぁぁ…怖かった、怖かったようぅ……み、皆が、私の事を嫌うの……嫌って、憎んで、その果てに
その事に思い悩んだオレは、女神ヴァニティアヌスの
{“人類族”―――ではないとは言え、よくかそけき
「あんた、オレが何をしたか判ってんのか?ヒューマンではない―――」
{“魔族”―――だからですか。 どうやら
「何の事を…言っている?」
{
その時オレは
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
そしてこの後、容易にこの
「[英雄]ベレロフォン、あなたが
「本当も本当だ、オレ自身と女神の名に誓って嘘は言わない。」
「何故なのです、ベレロフォン…あなたほどの[英雄]が何の気の迷いで―――」
「なあ『ロクサーヌ』、オレは一体何に対して容疑を掛けられているんだ、『人に
「そんな事が―――けれど、だからと言ってわたくし達“人類族”ではない者を……」
「言っている事は判る―――判るよロクサーヌ、オレも今まではそう理解をしていた、
「ならば―――」
「だが、気付いちまったんだ、この世の
「そうですか―――判りました…わたくしはあなたのその意思を尊重したいと思います。 しかしながらわたくしが所属する『教会』の教義までは変えられる事は
「ああ、世話を掛けるな[異端審問長]ロクサーヌ。」
オレと
それにオレには思う処もある、先程オレは『一部のヒューマンには
『教会』の方では上げられた報告にさぞや
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それと話しは変わるが、オレがフレニィカの窮地に駆け付けたのは何も『虫の知らせ』などではない―――そう、やはりそう言った
その時のオレは丁度“休息”を取っていた、[英雄]たるオレでも連日に
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
「起きて、ベレロフォン。」
「―――ん…ああいつの間にか眠っちまっていたか…それよりどうしたヴァヌス。」
「[勇者]が窮地に立たされようとしている、彼の者がここで
「ああ……そう―――か…(ん?)」
「私の管轄とは違うが、そうも言っていられない事態―――
「な…なあ、ヴァヌス―――だよな?お前…どうして―――」
「私の事情は後でよく説明してやる、ただこれは
「いや、そう言う事じゃなくてだなあ…ああいや、言っている事は判るが、どうしてお前が人語を
「そんな
『主神ヴァニティアヌス』―――?
それにヴァヌスからの
そしてオレは―――
「ヤレヤレ―――フレニィカなにをやってんだお前サンは、よ。」
――――〈・〉―――――〈・〉―――――〈・〉―――――
⦅状況、把握―――どうやら最大の危機は回避できたようだな。⦆
⦅ご苦労様“シギル”、手間を煩わせたみたいね。⦆
⦅そう思うのだったらどうして―――⦆
⦅その辺の言い訳をさせてもらうと≪認知の阻害≫を掛けられていたのよ、そんな事が出来るのは一兵卒の
⦅何?≪認知の阻害≫だ、と?では……⦆
⦅ええ、『魔女』が動き始めた…そう見ていいでしょうね。⦆
――――〈・〉―――――〈・〉―――――〈・〉―――――
今回の一連の事はこちらの
そう―――≪認知の阻害≫…そんな事が仕掛けられるのはこの“
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
ただ―――こちらとしてはそうも行かないと言った処か…確かに『
それと…自己弁護ではあるのだが、私自身こうなるものとは思ってもみなかった……
「さて、それでは説明して貰おうか―――色々と、な。」
「(ウ~~…)その前に、何故この娘が?」
「私は今回もベレロフォンに
「ではとっとと感謝してとっとと去れ、私は彼に今回の事の
「(…)それよりお前―――
「やはり私は、お前の事は嫌いだ―――好きになれそうもない、何故なら変に
「(なっ?!)言ってくれるじゃないか、そう言う私もな―――」
「“私”の事が嫌いか?変な処で気が合うな…」
「まあまあーーーそれよりヴァヌス、これからオレに
「仕方がないな、お前がそう言うなら今回だけは特別だ、それに今私がやろうとしている事自体は、本来ならフレニィカ―――お前に付いている“担当”がするべき事なのだ。」
「私の―――“担当”?」
やはりそう言う事か…オレもどことなくだが、ヴァヌスが
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