第2話ー進展
1年後---
「優斗くん、久しぶりだね」
「ああ、そうだな」
俺達はあの日以来、毎日のように一緒に遊んでいた。彼女は俺のことを信頼してくれていたようで、いつも笑顔を見せてくれた。でも、そんな日々も長くは続かなかった。
「なぁ、お前ってどこに住んでるんだ?」
「私?私はね、アメリカにあるマンションだよ」
「そうなのか?じゃあ、今度遊びに行ってもいいか?」
「うん、もちろんいいよ」
「ありがとうな」
俺達は、この日から友達になった。
そして、半年後。
「ねぇ、今日家に来てくれる?」
「うん、行くよ」
「やったー、ありがと!」
「別にお礼を言うことじゃないだろ」
「それでも言いたいの。だって嬉しいもん」
「そっか……」
俺はこの時、気付くべきだった。彼女の身に何かが起きようとしていることに……。
「お邪魔します」
「どうぞ、上がってください」
「おっ、ここがお前の部屋か〜」
部屋の中には沢山の本があって、どれも難しそうな本ばかりだった。
「すごい量の本だな」
「そうでしょ!私の宝物なんだよ」
そう言う彼女の顔はとても嬉しそうに見えた。
「あっ、そうだ。これあげるよ」
「これは?」
「それはね、魔法の杖なんだよ!」
「マジで!?これ貰っても本当にいいのか?」
「いいよ!」
--------マサチューセッツ工科大学:Scratch運営本部にて----------「ミッチェル・レズニック博士、大変です!!scratchのアカウント数が急激に停止、ウイルス化しています」
「何?どうこうことだ!?」
「それが、よく分からないのです。突然、誰かが世界中のコンピューターの回線をジャックして、世界中 のscratchのアカウントをハックしているようなのです」
「……わかった」
「うっ!!」
「レズニック博士!!」
「大丈夫だ……問題ない……」
「よかった……、無事で……」
「それよりも、早く犯人を捕まえないと大変なことになるぞ」
「はい!」
「絶対に許さないぞ……」
こうして、新たな戦いの幕が上がった……。
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「なあ、お前ってさ、将来何になりたいんだ?」
「私はね、魔法使いになるのが夢なの」
「へぇ〜、そうなのか。凄いな」
「えへへ。まぁね、もっと褒めても良いんだよ」
彼女は得意げになって胸を張った。
「はいはい、凄い凄い」
「むぅぅぅぅ」
彼女は頬を膨らませて不満そうな顔をした。そして、少し間を空けてから話し始めた。
「優斗くんは、将来のこととか考えてるの?」
「いや、まだ全然決めてないよ」
「へぇー、そうなんだ」
「うん、そうなんだ」
「それなら、私たちと一緒に世界を救わない?」
「えぇ!?急に何言ってんだ!?」
「だって、優斗くんはこのままだと何にも出来ないまま大人になっちゃうかもしれないじゃん」
「そうだな。」
「わかった。手伝おう」
こうして、異世界のようなことが起こり始めた。
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