第22話 僕ハアナタヲ見ツケテイマスカラ
僕が感じていた不公平感。出会い系サイトとネット小説投稿サイトでの共通項。それは、男よりも女の方が単純にチヤホヤされることが多いという現実。これは真実であり真理であり。僕はネット小説投稿サイトでは、女性の書き手が嫌いだった。いや、あんまり好きではなかった、が正しいと思う。ツイッターとネット小説投稿サイトを連動している書き手ならよく分かる。それっぽいかわいいアイコン。これは男の書き手にも共通して言えることかもで。男性の書き手でツイッターも頑張っている人は、アニメっぽいアイコンの人が多いと思う。アイコンって願望が現れるものだと僕は思っていて。シュールを狙っている人はアイコンもシュールであり、かわいいかわいいに憧れているんだなあって人はかわいいかわいいなアイコンであり。自分の顔をアイコンに使っている人だって、奇跡の一枚のような画像を使う。今は画像でさえもいくらでも加工は出来る。書こうはしない。世界中の人が日本の美少女アニメ好きなのは、もう人間はそういうのが好きなんだと痛感することもよくあることで。とにかく僕は、出会い系サイトで散々、男女不平等の現実に打ちのめされた過去があったので、そういう、それ以外のことで、チヤホヤされているのを見ると、意地悪な見方でみてしまう。だって、たった一行とか二行の日記でも、お疲れ様ですー!いいねえー!最高です!って扱われる女性の、どこにいいねを見出せばいいのか分からなかったし。そういう露骨なのを見ていると、本人のハードルを周りが勝手に上げてるってことだろう、とも考えられるし。たった二行の日記でそれだけの評価だと、いざ、原稿用紙二枚分ぐらいの日記を本人が書こうと思っても、え、どれだけのレベルの日記を書けばいいの?となると思う。学校のマドンナ的な、気の強い女生徒会長が、召使いのような男をたくさん引き連れているのに似ている。
この作品を応援しました。
チヤホヤされてる女性の書き手と、チヤホヤされないその人。僕のたった一度の応援とは言えないような励ましの引用RTに、嬉しい、と心からの呟きをしていたその人。僕はその人の何を見ているのだ。悩む。出会いは顔や名前は関係ない。そう思うように理由を探す。じゃあきっかけは。今は異性としてその人を意識しているのは事実であり。でも、きっかけとなったのは、その人の作品、書いた物語に尊敬の気持ちを持ったことであり。不純ではない。でも、今は不純だらけ。ライバルの少ない、推しかよ。何度も時事系列を整理する。時事系列は大事であり。好き、だから、感想を送ったのではなく。いい、と思ったから、感想を送り。好き、だから、評価したわけでなく。いい、と思ったから、星を送ったわけであり。でも、その人のことを評価しているのは僕だけであり。迷う。焦る。リアルの恋愛なら、もっとのんびりすると思う。でも、この恋は、焦る。のんびりなんてしてられない。蜘蛛の糸である、その人のツイッターアカウントは、いつ消えてしまうか分からない。そうなると、その人と連絡を取る術は、二つのネット小説投稿サイトしかない。まさか、感想やコメント欄に愛の告白を書けるわけがなく。そんなことをしたら、すぐに運営から垢バンを食らうのは火を見るよりも明らかであり。
三億のアカウントの中から私を発掘してください
こんな時に、こんなハッシュタグがツイッターでは流行り。また、その人がそれをRTすることが増えて。それを見ては、僕は見つけていますから、三億の数字は分かりませんが、僕はあなたを見つけていますから、と、僕の中の武田鉄矢がずぶ濡れになりながら、走るトラックに飛び出しながら、叫ぶ。そのままトラックに轢かれて、異世界を夢見ながら、そうそう現実は上手くはいかないよ、異世界なんかないから、と意地悪な僕と、おふざけが好きな僕が、自分を茶化す。そしてこの物語はもうすぐ終わる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます