第2話 「人間性」という観点から見たリーダー性 

人としての正しい物事に対する感じ方・正しい在り方とは。


<引用始め>

「子供の美術」佐藤忠良(彫刻家)

(「大きなかぶ」の絵を描いた人)

https://external-content.duckduckgo.com/iu/?u=https%3A%2F%2Ftse1.mm.bing.net%2Fth%3Fid%3DOIP.8k_aeOxSIFXgkHj9A28GOQAAAA%26pid%3DApi&f=1&ipt=37064c61404b00ca46d272ef460d36372fb6162b9492ab93001ef4a3e762d608&ipo=images


  「図画工作の時間は、上手に絵を描いたり物を作ったりするのが目当てではありません。

  上手に書こうとするよりも、見たり考えたりしたことを、自分で感じた通りに描いたり作ったりすることが大切です。

  真剣に絵を描き、物を作り続けていると、上手になるだけでなく、人としての感じ方も育ちます。

  この繰り返しの中で自然の大きさがわかり、どんな人にならなければならないかが、わかってきます。

  これが目当てです。」

<引用終わり>


注 <原文はなるべく漢字を使用しないで、ひらがなで書かれています。(描く → かく、目当て → めあて)。また、すべての漢字にふりがなが振ってあります。読者に小学生を想定した文章です。>


  この素晴らしい文章を大学日本拳法に当てはめてみれば;

「真剣に大学日本拳法をやっていると、自分自身を正しく引っ張るリーダーとしての人格を涵養することができ、また(キャプテンだけでなくすべての部員が、上級生としての立場で)チームをまとめ・引っ張るリーダーとしての資質も育ちます。

  個人の利益と集団の足並みを揃える(矛盾の克服という)戦いを繰り返す中で、社会や国家よりもずっと大きな、大自然の魂に触れることができ、そういう大きな人間になるためにはどういう道を歩むべきなのかが、わかってきます。

  それが目当てです。」


  ということになるでしょうか。

(私の学生時代は、同期たちから「真剣みがない」「緊張感がない」と、耳にタコができるくらい非難されていたほどですので、人より長く大学にいたにもかかわらず、リーダーどころか人格の完成も未完のまま実社会に出ることとなりました。まあ、それはそれで、人格が固まっていない分、入社した会社や業界に即対応できた、というメリットもありましたが。)



   彼や彼女たちのブログから私が感じたことは、彼らが「個人で真剣に日本拳法に取り組み、同時に組織としての日本拳法というものを真剣に考えて戦っていた」という点であり、その真摯なまじめさによる「4年間の全力疾走」であったからこそ、「人としての感じ方」が育ち、「あるべき人間」になれたのでしょう。

  それは「思いっきりぶん殴る+審判の判定」という(一本取られる=殺される、というくらいの)日本拳法的真剣勝負の世界で あり、プレーとかゲームという感覚の一般的なアマチュアスポーツとは、かなり違った趣があります。


  そんな真剣勝負の世界で、小手先の技術や試合の駆け引きの巧拙に走らず、あくまでも鍛えに鍛えた自分自身の精神的強さをベースにした戦いのアルゴリズムを確立した彼や彼女たちには、試合結果や段位といった光の当たる部分以上の、目に見えない存在感が感じられます。


  試合や段位という目に見える世界の闘争(explosion)も楽しいでしょうし、「内面への爆発・燃焼=implosion 内向爆発」を4年間辛抱強く続けてきた、という点にも大きな価値があるのではないでしょうか。


 ブログのような簡易的な表現の場という制限のなかで、また、スマホの小さな画面からの入力で、あれだけの情熱と理路整然とした理念が伝わってくる文章を(誤字脱字もなく、一発勝負で)書けることに、40年前の会社員時代から、A4かその倍くらいの画面で作文をしてきた私には驚異というしかありません。

人間の思考とは、目の前に広がる景色や道具に大きな影響を受けるものです。

  もし私が、彼らと同じように、練習の後の電車や大会の後の新幹線や深夜バスの中で、スマホを操作して文章を書いたとしたら、起承転結でつながるまとまりのある長い文章など書けないであろうし、それ以上に、深く広く掘り下げた内容、様々な次元や位相によって物事を分析するなんてことは絶対にできません。

  ところが、彼らはあんなに小さい画面の、しかもタッチパッドというフラットなツールを操り、極めて短時間で、4次元的な立体的で・中身の濃い・情熱的な文章をきれいにまとめ上げている。

まさに知性の賜物と言えるでしょう。知性(高性能のCPU・大きなメモリー、そして優れたOS)があるから、道具が貧弱でも知力でカバーできる。

やはり、「真のリーダー」には、ガッツと根性ばかりでなく優れた知性と豊かな感性が必要なのです。

  そして、知性といい知力といい、それはやはり、彼や彼女たちの「真剣味」「真面目さ」あってのことだと思います。

  

  一方で、

○  思いっきりバカになれる(人の目や見栄とか体裁など気にしないで、自分の信念で行動する)。これもリーダーの一つの大切な条件でしょう。昨年の中央大学のキャプテンは、これを日本拳法の試合で実行したわけです。

https://ameblo.jp/nichidaikenpo/image-12712074159-15036556402.html

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