#3 初めての友達ができちゃった?!

キーンコーンカーンコーン


「うぅぅぅ〜。もう終わりだよ〜」


自己紹介も終わってもう帰る時間だ。でもまだ席を立つ気にはならない。だってあんなことしちゃったんだよ〜。自己紹介もろくにできず、途中で泣いちゃうんだもん。これはみんなから引かれて嫌われてるよね。


「‥‥ハァ‥帰ろ」

「ちょっと待って」

「え゛っ!?」


誰かが話しかけてきた?この僕に話しかけるなんてあんなやつかこんなやつしかいないだろうし。もしかしてお金?お金なのかな?お金渡したら返してくれるかな。でもそろそろ推しのグッズが出るからお金渡したくないな〜。てか教室でカツアゲって堂々としすぎぎゃない!?もうちょっと校舎裏とかじゃないの!?


「そんなに怯えた顔しなくても大丈夫よ。何もとったりしないわよ」

「えーと。僕に‥なんか用ですか?」


なんもとったりしない?じゃあなんのために声をかけてきたんだろう。中学の時とかは声かけてくる人なんてそういう人しかいなかったのに。


「あなた自己紹介から大変だったわね。あ、私は雪村加奈よ。よろしくね」

「えっ‥あっ‥よろしくお願いします。僕は花宮優奈です」

「ええ知ってるわ。あなたみたいな子見たことないもの。簡単には忘れないわ」

「えっ!?」


あんなの早く忘れて欲しい。思い出しただけで恥ずかしい。


「あなた面白いわね。私たち友達にならない?」

「え゛っ!?」


と、友達!?僕と?そんな人もいるんだな〜。って感心してる場合か!僕と友達になってくれる人なんてこの先いないかもしれないんだからここは…


「お、お願いします…」

「ええ、よろしくね。じゃあ一緒に帰らない?」

「え゛ぇぇぇぇぇ」

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