#2 入学式での嫌な思い出

時は遡ること1ヶ月前…


「何してんの?早くいくよわよ」

「む、むりぃぃ」

「今日は入学式なのよ、ママに可愛い姿見して欲しいのよ。ね、ママのためだと思ってお願い」

「わ、わかった。いくよぉ」


今日は入学式なのだ。僕の嫌いな行事で上位にランクインする。なぜかって?いや、僕はコミュ障だよ。初めて会う人がたくさんいるなんて、考えるだけでお腹が痛くなっちゃうよ。でもまあママのためでもあるし、それにコミュ障を治したいと思ってるから頑張るしかない。校門の前までくるとやっぱりお腹が…


「ゔぅぅ。やっぱり帰るぅ」

「もうここまで来たのよ。がんばりなさいよ。ママ見てるからね」

「うぅん。がんばる」


クラスを確認して、自分のクラスに向かった。僕のクラスはA組だ。


「ここか、僕のクラスは。」


ほんとに僕はここに入るのか。この後も自己紹介があるし、僕は生きて帰れるかな?

そんなことを考えてたら


「あの。通れないので入ってもらっていいですか?」

「あ゛っ。ごめんなさい」


最悪だ。こんな初日から謝ることになるなんて。これは、これから謝ることが多くなる予兆かもしれない。


「はぁぁぁ」


大きなため息をつきながら自分の席に座った。


ちょっとたったら先生が入ってきた。


「はい。席座れー。自己紹介やっていくぞー」


そう今日1番の問題。自己紹介…僕は話すのが苦手だから自己紹介は嫌いなんだ。

そんなことを考えてたら。


「次、おい次だぞ」

「はっ、はい!」

「えぇーと。花宮優奈です。‥‥‥趣味は、読書で‥‥特技は特にな『もう少し大きい声で話してよ』え゛っ!?ご、ごめんなしゃい」

「wwwwww」

「えぇぇと、えぇぇと」


えぇぇとどうしたらいいの?もう一回言う?もう頭が真っ白に…


「ハァ‥‥‥ハァ‥‥‥ハァ」

「はぁ。もういいぞ。席につけ」

「‥‥はい」


やらかした。自己紹介もできないとか絶対引かれてる。もう無理。学校に来れないぃぃ。


「ヒック‥ヒック」

『あいつ泣いてるよ。やばいな』


もう早く帰りたいよ。ママぁ。

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