#4 友達との帰り道

「ほら何やってんのよ優奈。帰るわよ」

「う‥うん」


ううぅぅ〜。一緒に帰るなんて初めてだよ〜。でも、そういうのって友達ぽい……多分?でも何話せばいいの?僕から話したほうがいいのかなぁ?でも会話被ったら嫌だし、話すこともないし、僕には無理ぃぃ。てゆうか、もう名前呼び!?コミュ強の人は違うな〜。


「ねえ、好きなこととかってある?」

「すっ好きなこと!?」

「そんな驚かなくていいのよ。落ち着いて」

「う‥うん。ありがとう」


好きなことか。Vtuberって言っていいのかな。Vtuberって言って引かれて「あっ、やっぱ無理」とか言われたら僕もう死んじゃうよ〜。でもまあもうあんなことしたしもう引かれてるか。もういっちゃおう!


「VLaboって知ってる?あの大人気Vtuber事務所の。僕…Vtuberが好きなんだ!」

「‥‥‥」


ほらもう引かれちゃった。まあVtuberが好きなんてみんなからしたら気持ち悪いよね。


「ご、ごめん。気持ち悪いよね。Vtuber好きなんて。こんな僕と友達って嫌だよね」

「嫌じゃないわ。むしろ好きよ。だって私もVLabo好きだもの。私も初めてだったのよ。Vtuberが好きな友達」

「そっそうなの!?」

「ええ!誰が好きなの?私は、1期生のネミちゃんよ。あのかわいい声。ネズミでちゅーちゅー言っててかわいいのよ」


雪村加奈さんの好きなのは、家入 ネミちゃん。VLaboに住み着いているネズミだ。いつもちゅーと言っていてかわいい。


「あーネミちゃんいいよね!あのちゅーちゅー言うかわいい声いいよね。僕は、ニトさんかな。あのまったりしたボイスとか最高だよ!」


僕が好きなのは、銀猫 ニトさんだ。銀色の髪でいつもまったりしている。猫だ。ほのぼのボイスでファンを癒してくれる。


「いいわよね。ニトちゃん。いやーよかったわ。初めてVLaboについて話せたんだもん。これからもよろしくね」

「うん!よろしく。じゃあ僕ここのマンションだから。またね」

「え!?優奈もこのマンションなの!?私もなのよ」

「そうなの!?」


まさか雪村加奈さんも一緒だったなんて。嬉しい…


「じゃあ、明日も一緒に登校しましょう。いいかしら?」

「う‥うん。いいよ」

「じゃあまた明日ね」

「うんばいばい」


ハァ…今日はよく話せたな。いい人だったな雪村加奈さん。友達になってよかった。

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