0 異世界のすゝめ。

【異世界のすゝめ】




 第一条 人類、魔物と争うべからず。




 魔物とは、すなわち人類にとって常軌を逸した生命体である。


 それは、目を見張る程の怪力を持ち、刃も通さぬ鋼の如き肉体を纏った幾数幾種/多種多様の特性を持った別破格の種族。

 時には超常の力を振るって地を割り空を裂く程の能力を備えた、個々各々が覇者たらしめん存在である。


 そんな存在だが、人類にとって彼らは無視する事は出来ぬ“隣人”でもあった。


 街の外、人類手付かずの大自然。

 そこには人類以外の数多の生き物が住み、そして当然魔物達も蔓延っている。

 人類が繁栄を望むのであれば、決して避ける事の叶わぬ障害こそ、大自然の脅威の象徴たる魔物達であった。


 だがしかし、我々人類は彼らの逆鱗に触れてはならないと忠告しやう。

 人類の存続を望むのであれば、何よりも彼らを害そうなどと言う思考は今この場を持って即刻排除するべし。


 ここは神と崇められし異形が大地を闊歩し、“魔法”なる人知を越えた数多の奇跡の所業がさも当然の如く行き交う世界。

 そこでは人類こそがこの星の支配者であるなどと、決して驕り侮ってはならないのだから。





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