-25 ガラテアとおかしなお茶会。①
*****
「一体どうして、こうなったんだ……?」
ぼくは困惑していた。
目の前の景色を見て状況を飲み込めず、ただただ戸惑うばかりであった。
カチャカチャ。
食器達が奏でる軽やかなメロディ。
トクトク。
ティーポットが唄うお茶のせせらぎ。
爪先を立ててくるりと回る、踊り子が口ずさむご機嫌な鼻歌のBGM。
長い髪が羽衣みたく緩やかにはためかせ、ステップを踏む度にその手にしたポットの注ぎ口からは、ぷかぷかと煙が上がるように一つ二つと水玉が上がる。
ふわりと跳ね上がったその水玉達は、直ぐ様床をびたびたに濡らすことはなく、シャボン玉みたく軽やかにふよふよと宙を浮いてテーブルの上を揺蕩っていた。
暫くは一定の高さを浮いていた水玉達。
いつしか緩やかな速度で降下し始める。
ゆらゆらと揺らぎながら落ちていって、向かった先はテーブル上のティーカップ。
人数分に用意されたそれらの縁に腰掛けるように身を寄せていくと、触れた瞬間、呆気なくぱちんと割れてしまった。
そんな小さなティーカップの中身は空。
高がシャボンが割れた程度、中身が満たされるハズもなく。
水面もなければ水滴すらない、そんな空のカップを前にしてぼくは、どうしたものかと見下ろしていた。
かちゃり。
不意に硬質な物音が立ち、そちらへ顔を向ける。
その何も中身の入っていないカップが配置された席には見知った顔。
黒髪の“彼”だ。
彼は手前に置かれたカップのハンドルを指先で摘まんだ。
そしてそれをゆっくり持ち上げていくと、縁に口付け、傾ける。
彼の喉から聞こえてくる、こくりと飲み下す音。
ぼくの目からも見えてくる、上下する喉仏。
やがてそれが唇を離れ、飲んだ後の一息にとすぼめた口から煙を吹いた。
まるで、温かな飲み物を飲んだような様だった。
まるで、そこに満たされていたもので喉を潤したかのような仕草だった。
どう見たってぼくの目には、そこにあるのは空のカップでしかないと言うのに。
「……無いと思うから。」
再び空のカップを見下ろしていたぼくに、隣の席の彼がぽつりと呟く。
「え?」
「無いと思うから、無い。有ると思えば、有る。」
彼はそう言うと、またカップを傾けた。
足を組んで、綺麗な所作で、上向いた顎の下で喉仏が揺れる。
口を離して、一息吐いて。
その一連を瞼を閉じたままで行う様はやはり、舌の上に転がしたものを染み入るように味わっているみたいだった。
「(ないと思うから、ない………?)」
ぼくは思わず首を傾げてしまう。
何処からどう見たって無いことに代わりはないのに、どうしてそんなことを言うんだろう?
彼の言葉の意味を解しきれず、ぼくはキョロキョロと目の前のカップを至る方面から観察してみた。
………やはり、何もない。
試しに持ち上げてみる。
中身の無い軽さがハンドルを摘まむ指先から伝わってきて、尚更疑問符が頭に浮かぶ。
もしや物スゴく透明な液体でも入っているのかと思ったぼく。
それすらも無いのが解ってしまい、拍子抜けとなる。
「やっぱり何もないんじゃん」と肩透かしを食らいつつ、肩を落としてカップを置いた。
「おや、お客人。私のお茶会はお気に召さなかったかな?」
彼とは反対隣の方より、そんな声を掛けられる。
見上げてみれば、そこにいたのはグリモアだ。
さっきまでポットを片手に上機嫌にテーブル周りをくるくると回っていた艶やかな長髪のその人は、緩やかなウェーブを作っている地に付く程に長いスカートに隠れた膝へと両手を当てては身を屈め、首回り広めな襟を垂らしたその下で色白の滑らかな鎖骨を露にしながらぼくの顔を覗き込んでいた。
先程とは打って変わって人となりが一変してしまったこの目の前の人物、グリモア。
初対面であるハズのぼくに対しまるで知った仲のように、しかも“我が君”と仰々しい呼び名で偉く慕っていたと言うのに、それが今じゃたった今出会ったばかりの初対面らしく“お客人”と他人行儀な呼び方に戻っていた。
それだけでもこの人物の謎は深まるばかりだと言うのに、そんなぼくの疑問なんて置いてきぼりに、あれよあれよという間にお茶会の準備が進められていったのだ。
……そして今に至る。
只でさえ混乱することばかりな中で、突如開かれたそのお茶会。
その中心とも言える人物に横からそう訊ねられたぼくだけども、相手の何処か幼い子供の相手をしているみたいなその態度が少々癪に障って、ついムッとしてしまう。
しかし、そこで感情任せに怒ってしまってはそれこそ子供っぽいだろう。
だからこそぼくは噛み付きたいのをぐっと抑え、唇を尖らせつつも俯きがちに、グリモアへとこう言った。
「だって……カップの中、何も入ってないんだもの。」
何もないなら、飲めないよ。
そう言ってぼくは自分の前に用意されていたティーカップを突き出した。
少々乱暴気味に、相手の胸元へ押し付けるように出したそのティーカップ。
中身が入っていようものなら、押し付けた際にグリモアが身に纏っていたドレス、或いは真っ白なローブとも言えそうなその衣服を汚していたことだろう。
しかしそれはぼくがグリモアへ訴えた通り、ひっくり返そうとも水滴一粒と落ちない空である。
すると色鮮やかな瞳がぱちくりと瞬いた。
それから視線がぼくとカップを交互に見る。
そうして少しの間固まっていたグリモアだったけれども、それが次の瞬間、破顔した。
「ふ、ふふふっ、ふふふふふっ! そうか。そうかそうか、“
ならば仕方があるまいなぁ。
グリモアはそう言ってころころと笑った。
口元を隠しつつ、上品な仕草で面白可笑しそうにクスクス笑う。
そんなグリモアを見てぼくは、尚更ムスッと不機嫌さを増した。
「何だよ、何がおかしいってのさ?」
「いや何、少しばかり思い出し笑いをしてしまっただけさ。何せ、以前にもお前と似たような事を言っていた者がいたものだからね。………ふふ、そうかそうか……。」
それからもまだ治まらないのか、グリモアは尚もくつくつと笑い続けていた。
更には「いやはや……これでは私も、まだまだ人を理解したとは言い難いなぁ」……だなんて意味の解わからない事を口にして染々とつつ、顎を撫でてぼくの事を観察するようにじろじろと見て回ってきた。
それでいよいよ不機嫌さが極まったぼくの頬っぺたは空気を含めていき、ぷくーっと膨らんでいくのだった。
「ぼくのことバカにしてるつもり? 言っとくけどね、ぼくの名前は“お前”でも、“人の子”でもないし、そもそもそんな呼ばれ方をあなたにされる筋合いはないと思うんだけど。」
だってぼくには、ちゃんとした名前があるんだから。
ふん、と鼻を鳴らし、腕を組みながらにそう言うと、グリモアが「ほう?」と興味深そうに目を見開いた。
「そう言えば自己紹介がまだだったね。お前の事が気になるのは確かではあるが……折角の機会だ。私の方から名乗ってみせようか。」
グリモアはそう言うとその場から一歩二歩と後ろに下がり、ドレスのような、ローブのようなひらひらとしたスカート部分を左右それぞれ摘まみ上げると、カーテシーをするに頭を下げ──
「もう知ってるよ。“グリモア”でしょ?」
……下げ掛けた頭がピタリと止まった。
「……はて、私はまだ名乗った覚えはないのだが………既に誰かから聞き及んでいたのかい?」
姿勢を戻し、首を傾げるグリモアがそう言ってちらりと彼の方へと視線を向ける。
ぼくは首を横に振って否定する。
「ううん、あなたが自分でそう言ったんだ。」
「私が?」
「うん。確か……“最後の
ぼくが先程のことを思い出しつつ人差し指を顎に当ててそう言えば、グリモアが難しい顔をして何やら考え込み始めた。
それから深い溜め息を吐くと共に、頭が痛そうに掌を額に当てて、肩を落とした。
「あー……成る程、そう言う事だったのか……。お前も人が悪いね、そうならそうと、言ってくれたら良かったのに。」
そう言ってグリモアは恨めしそうにじとりとした目線を彼へと送る。
しかし彼は素知らぬ顔、一人黙々と寛いでいる。
むしろ、こちらが何を話そうが、何をしようが我関せずと言った様子であるくらいだ。
会話にだって入ってくる気配とて微塵もない。
一方でぼくはそれが何のことかわからず、こてんと首を傾げていた。
そんなぼくの方へ視線を戻したグリモアは、困ったように笑んでぼくの頭をポンと撫でた。
「お前が言うその“グリモア”とはね、私であって私ではないものなんだ。」
そうしてグリモアは意味を解せずきょとんと呆けるぼくに教えてくれた。
「私はね、所謂“多重人格者”と呼ばれるものなんだ。」
「多重人格?」
「そう。それは文字通り、一つの身体に二つ以上の人格や意思を持つものでね……各々が違った思考、違った趣向、目的、記憶、性格、名前……と、肉体は同じでも、中身が殆んど全く違う別人であるんだ。私はそれが複数もこの身体に宿していてね、時折入れ替わって出てきてしまうのさ。」
「へぇ……?」
「ああ。だからね、さっきお前が会ったと言うのも私ではない別人格の者なのだよ。」
「別人格………じゃあそれが“グリモア”で、あなたは違うの?」
ぼくがそう訊ねると、グリモアは困った顔をして唸った。
「ううむ………それが否定しようにも一概には言えないな。」
「何故?」
「私も“グリモア”だからさ。」
そう言うとグリモアは姿勢を正し、ぼくに頭を下げた。
スカートの裾を摘まみ上げ、気品ある淑女の如くカーテシーをして見せて、それからこう言った。
「では、改めて名乗らせて貰おう。私は“グリモア”──グリモワール・レメゲトン。」
顔が持ち上げられ、視線が合う。
きらびやかな極彩色の瞳がぼくを見詰め、何処か不思議とナイトくんを彷彿させるグリモアは穏やかな微笑みを浮かべて言葉を続けるのだった。
「神の
ばちくり、ぼくは目を瞬かせた。
「擬人………
「さ、私は名乗ったよ。次はお前の番だ。」
ぼくの戸惑いなんて気にもしないで、グリモアは急かすようにぼくに言う。
「私はね、お前の事がどうしても知りたいんだ。彼がどうしてお前と行動を共にしているのか、どんな関係なのか。知りたい事、聞きたい事が山程あるのだから。」
「……普通、そーゆーのって本人から聞くべきなんじゃ?」
「確かにそうだが、彼が素直に教えてくれると思うかい?」
「……………。」
否定し難いことを言われぼくが黙れば、同意を示すように「ね?」とグリモアが追い討ちをかけてくる。
ちらりと彼を見遣った。
依然として彼はそっぽを向いてツンとしたままである。
ぼくは渋々ながら頷いた。
「じゃあ先ずは名前だ。お前の名を聞かせておくれ。」
にんまりと笑む端正な顔が近付き、そう訊ねてくる。
互いの距離が一際縮まった際に、ぼくの目にその人の真横に長く尖った耳を間近に見た。
ただの人とは余りに違うその特徴に、ついぼくは少しばかり怯んでしまう。
しかし、それでも臆するものかとツンと澄まして顎を上向けると、ぼくは毅然とした態度で口を開くのだった。
「ぼくは“アーサー”。アーサー……──」
途中で言葉を止め、視線を反らして少し思案。
ちょっとばかし間を置いて、それから再び口を開くと、
「──
と名乗ったのだった。
「………えっ?」
ぼくの名前を聞いた途端、グリモアの少しだけ開いた口から小さく声が溢れる。
そしてぼくと、何故かぼくの後ろにいる彼を交互に見て、戸惑っているらしい素振りを見せた。
……? どうしたんだろう?
変なグリモアの様子に訝しげに眉を傾けるぼく。
釣られてぼくも振り返ってみた。
ぼくの後ろにいる彼は先程と変わらずスンと澄ました表情のまま。
一人空のティーカップを傾けていた。
その様子からやっぱりこちらを気に掛けているような素振りは見られないし、何ならカップを持っていないもう片方の手が、徐にテーブル上のクッキーへと伸ばされていくのが伺える程。
本当にぼくらのことなど無関心そうでしかない。
そこへ、グリモアが狼狽た様子で彼を指差した。
「え? え? アーサーって、そこの彼の名──」
ぴゅぴゅんっ!
不意に、ぼくの真横を掠めて何かが飛んでいったらしい風切り音が聞こえてきた。
えっ何? と思って振り返った頃には「うぐぅっ」と悲鳴が聞こえたのと、グリモアの身体が向こう側へと倒れかかっていくのが見えた。
何とか倒れるのは持ち堪えたらしいグリモアが、顔面を押さえながら海老反りになりかけていた身体を起こす。
その手が下りて見えてきたのは、何やらもごもごと口を動かしながら頬っぺたを膨らませている姿だった。
「むぐ………い、いひなり、はひを……!」
両頬を風船みたくぷくーっとさせたまま、上手く開けられないらしい口を爪先で抑えて何やら訴えているらしい様子のグリモア。
その視線の先にはぼくではなく、彼のようだ。
ぼくは今の一瞬で何が起きたのかわからなくて、もう一度彼の方を見てみる。
しかしそこにあるのはやっぱり相も変わらず澄ました顔。
やっぱりこちらのことには一切見向きもしないで、一人ティーカップに口を付けている姿しかぼくの目には映らなかった。
ぼくは一人首を傾げる
そして視線を落とせば、卓上のクッキーが数枚減っていることに気が付く。
きらびやかな平皿の上に盛り付けられたクッキー達は、お茶会が始まってからと言うもの、気が付けば何処からともなく出されていたものだ。
皿の上にて綺麗に並べられた幾種類ものクッキーは、先程見た時には誰も手を付けていなかったと記憶していたのだが、それが今になって数枚程ごっそりと姿を消していた。
今の一瞬で誰がそんなに……と思ったぼくだけども、直ぐ様その犯人に目星を付け、その皿の傍の席にいる彼へと視線を向けて目を細めるのだった。
「(ええ……? 幾らお腹が空いてるからって、このヒト、今の一瞬で纏めてクッキーを食べちゃったの?)」
そう思ってしまうのは、ついさっき彼がクッキーへと手を伸ばす様を見たからだ。
随分と食い意地の張ったヒトだなぁ……なんて思いつつ、やや引き気味にじとーっと彼を横目見た。
「(……そう言えば、)」
そこでふと、ぼくの頭に疑問が過る。
「(ナイトくんの姿が見えないや。あの子は一体何処にいるんだろう?)」
そしてぼくはくるりと辺りを見渡した。
どうやらこの空間には、ぼくと彼とグリモアの三人しかいないらしい。
「何処かの物影にでも隠れているのだろうか?」なんて考えてみたけれども、この空間にはこんなにも物で溢れ返っているのに、何処を見てと子供一人隠れられそうな都合の良い場所は見受けない。
「ならばあの物の山の中にでも埋まりでもすれば、身を隠すくらいは出来るのでは?」とも考えてはみたものの、あの物で埋め尽くして盛り上がった山々は、その麓から少し物を取ろうとしたところで全てが総崩れとなってしまうビジョンが容易く脳裏に浮かぶ程、酷く危うげに見えてしまう有り様のもの。
それからも幾つか可能性を思い浮かべては思考しても、どれも現実味に欠けてしまうものだから、結局ぼくは「多分あの子はここにいないのだろう」と考えるのを止めた。
「(………ってことはまさか、このヒト、ナイトくん一人だけ置いてきぼりにしちゃったの?)」
だとすれば、なんて酷い奴なんだ。
最終的に考えられる事から、そう思ったぼくは彼を睨むように視線を送った。
「(可哀想に、ナイトくん。寂しがっていやしないだろうか。)」
頭の中にて想像するは、あの路地裏の最奥にあった物寂しい空間で一人佇むナイトくんの姿だ。
無邪気で素直なナイトくんの事だからきっと、彼の命令を受けて二言返事で留守番をする羽目となってしまったのだろう。
そんな友人を思えば早く戻ってやりたい気持ちが湧いてくるのだが……如何せん、どうやったらあの場所に戻れば良いのかなんてぼくにはわからない。
もっと言えば、ナイトくんが示してくれた“行くべき先”が何処かだってわからないのだ。
あれから結局辿り着いたのはこの、グリモアがいる謎の部屋だけれども、どうにもここにはナイトくんの言う、ぼくが“失くしたもの”があるとは思えない。
ここだって見渡す限りぼくが通ってきた通路その突き当たりの扉と、そこから続いているこの角の無い円の広場以外、他に行ける場所も無いようなのだから、終着点はここであっている……ハズ。
……勿論、それはぼくが途中で道を間違えていなければ、の話に限るが。
そもそもぼくが向かう先に、ぼくの望むものなんて本当にあるのだろうか?
だって、ぼくの望みはただ一つ。
大切な人が傍にいる、幸福であった嘗ての生活に戻りたい──“もう一度、大好きな爺やと一緒に暮らしたい”なのだから。
「(爺や……ぼくは、このままあのヒトに付いていって、本当にあなたにまた会えるのだろうか……?)」
あなたは確かに、ぼくの目の前で死んでしまったハズなのに……。
そんなことを考えていると、ぼうっとしていたぼくに彼の真っ黒な瞳がギョロリと向いた。
思わずびくっと小さく跳ねる肩、そっぽへ向ける視線。
咄嗟のことだったからつい挙動不審な行動を取ってしまった。
気まずくていたたまれなくてそんなことをしてしまったぼくではあるが、別段何も悪いことは何もしていない。
だと言うのに咄嗟にそんな行動を取ってしまうのは、表立って口に出せないことを胸の内にてほんのちょっぴり思っていた、と言うのもあったからだろう。
でも、多少は罰が悪くともその程度のことは何も気にする必要はないハズ。
何せ、口に出して言った訳でもなければ、胸の内に秘めたことなのだ。
そんなもの、口にもしなければ相手に伝わるワケがないのだから。
………だと言うのに、どうしてぼくは逃げるように目を逸らしてしまったんだろう?
それは、どうしてだかあの目を向けられるとどうにも落ち着かないと言うのが理由だ。
あの真っ黒な瞳は、見ていても何を考えているのかまるでわからないし、喜怒哀楽が見えてこないからちょっぴり気味が悪い。
その上、あの目に見詰められていると何だか自分の考えていることなんて見透かされているような気すらして、じっと見詰められていると妙にいたたまれなくなってしまうのだ。
……まぁ、でも、それはきっと自分の考え過ぎなのだろう。
何せ、胸の内の考えなんて全部が全部を相手に悟られる、何てことはあるワケがない。
だって他人の心を読むなんてそんなトンデモな芸当、きっと魔法でだって出来るハズがないのだから。
………ないよね?
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