第7話 これからどうするか
「「「幹部!!!」」」
三人はバッとページをめくった。
セギーマンは急いで空中で幹部の体を捕まえた。
「幹部、もといミサエルよ。ああ、可哀想に。」
セギーマンは地に着くと元の姿に戻った。
「元の世界に帰り、あなた方を助けられるようこちらも動きましょう」
ここで今週分は終わってしまった。
三人は同時に顔をあげた。
「なあ、ちゃんと萌恵たちに謝りに行こうぜ」
芳雄が言った。
虎太郎と和正も頷いた。
「そうだね」
「うん、明日ちゃんと謝ろう」
三人は顔を見合わせ、互いに頷いた。
いつしか雨は止んでいた。雲をかき分け日光が徐々に姿を出し始める。
水溜りが光を乱反射して視界は明るくなり、6つの瞳が輝きだす。
三人は水を交わさずとも川の向きは一つにまとまっていた。
──次の日の昼休み。
「なあ、萌恵」
「何よ」
「この前は髪引っ張って殴りかかって…ごめんなさい!」
芳雄は頭を下げた。虎太郎たちも頭を下げる。
「あはは、もういいってば。さすがに一週間も経てば気にしてないよ」
萌恵は顔を上げて、と手をひらひらさせた。
「それよりさ、あんたら”先輩”から謝罪されたの?」
三人は顔を上げ静かに首を横に振った。
「ええ、可哀想に。酷い奴らだねそいつ」
萌恵は少し怒った顔で言った。
「やり返せばいいのに」
と女子の中の誰かが言う。
「いや、さすがにそれはしないよ。僕たちも望んでないし」
和正が苦笑いで返した。その時、
「あ、あの…」
三人の後ろの入り口から聞いたことのある声がした。
振り向くとあの”先輩”三人が立っていた。
「本っ当にすみませんでした!」
”先輩”三人が真ん中の男子から共に頭を下げた。
「あの…怪我とか無かったですか?それだけが心配で…」
左の男子がそうきく。
「ああ、気にしないでください。ちょっと痛かったくらいなので」
虎太郎が後頭部を右手でさすりながら言う。
「そうでしたか。…あの今後なんですけど、ジャングルジム半分ずつ使いませんか?」
右の男子が提案する。
「いいですね!そうしましょう」
和正が笑顔で答えた。
「あの、時々でいいんですけど…私たちも使っていいですか?」
萌恵がひょっこり顔を出しながらきいた。
「ええ、ぜひ!」「うん、もちろん!」
芳雄と真ん中の男子が笑顔で頷いた。
皆が笑顔で互いに笑い合う。
その時、教室の窓の外に大きな虹がかかった。
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