第5話

あー、また1週間が始まってしまった……。

「おはよー!さちー!」

「おはよ、麻里亜」

「……ん?今日は圧あんまないね、どうかしたの?……あ、月曜日だからか」

「自問自答じゃんw まあ間違ってはないけども」

「合ってた?ラッキー」


――8時7分……


まだ神楽くん来てない……。いつもこのくらいに来るはずなんだけどなぁ。まあ10分までに来ればいいんだけど。ってゆーか、私そんなに圧あんの?ほんとに。みんなに「圧が強い」と言われ始めて早3年。圧出してるつもりないんだけど……。

「おはよ」

「うわっ?!おっ、おはよ」

「……どした?そんなに動揺して」

「……なんでもない」

いきなり話しかけてくんなし……。びっくりすんじゃん……。

「……遅刻ぎりぎり、セーフ……」

「ほぼアウトでしょ……」

ま、この安堵してる顔が可愛いんだけど……。

「……顔赤い」

「えっ?!そっ、そう?」

えっ、やば、顔赤くなってる……?……意識しちゃってんのかもなぁ……。

「はい席座れー」



――放課後……


「桐谷も部活か?」

「うん、お互い頑張ろ!」

「だな」



――部室にて……


「おはようございます!部長!」

「おはよー」

この子は志崎桃香。言い忘れてたけど、この子こそが、我が演劇部の副部長だ。

「今日から一年生、来てくれるんですよね!」

「そうだね……一年生だけで27はやばいわ……」

「ですねぇ……。私達でまとめ上げられるのでしょうか……。まあ、でも、部長がいてくださるから大丈夫ですよね!」

「なにそれー。そんな人まとめんの得意じゃないよ?」

「大丈夫ですよ!私が精一杯サポートします!」

「ありがと、頼りにしてるよ、副部長」

27人も入るんだよなぁ……。

「……あの、演劇部の練習場所はここですか?」

「そうだよ!ようこそ演劇部へ!」

うわぁ、コミュ力たけー、桃香……。

「部長、どうするんですか?歓迎劇先にやります?それとも自己紹介からですか?」

「うーん……歓迎劇先やっちゃおっか」

「わかりました!……そしたら椅子27個用意しなきゃですね……。」

「あ!確かに!よし、急いで準備しよう」



――5分後……


あー、疲れたー……。

その後も続々と一年生(二年生も)来て……。



――10分後……


……あっと言う間に人がいっぱいに……。もう揃ってんのかな?

「1、2、3………………27人全員いるね」

「じゃあ、始めますか」

「そうだね……。一年生の皆さん、演劇部への入部ありがとうございます。これから新入生歓迎劇を上演します。これから見てもらう劇は……」



――40分後……


パチパチパチパチ……


無事に終わったー……。まあ、照明も音響も超少ないんだけどね。

「ありがとうございました。質問等あればお答えします」

「あのっ、いいですか……?」

「うん、どうぞ」

質問ってまじか、静香……。成長したなぁ……。

「台本って先輩方が作ってるんですか?」

「基本的に自分達で作ってるよ。この台本は私が創作!」

「そうなんですね……。ありがとうございます……」



――15分後……


結構質問あったなぁ……。まあ、意欲があっていいことだ。

「じゃあ自己紹介していきましょう」



――30分後……


さすがに多いなぁ……。やっと終わったよぉ……。

「先輩!あの名言、言っちゃってください!」

「何言ってんのさ梨花〜w」

この子は佐藤梨花。二年生の後輩。いきなりぶっ飛んでること言う子。

「あるじゃないですか!本番前に毎回言ってくれる言葉!」

まじで何言ってんだこの子は……。

「え、気になるー!」

「それなそれな!」

うわぁ、なんだこの言わなきゃいけなそうな雰囲気は……。

「ほら!一年生もこう言ってることですし!」

「分かったよ……。『舞台に再演はない』……同じ台詞、同じ動き、同じ心……。こんなことは時間を戻す以外にないから……まあ、やってれば分かるから一緒にこれから頑張っていこう」

『はいっ!』


(拍手)


……なんで拍手されてんだろ……。

「流石です、部長!かっこいいです!」

「そ、そう?ありがと」

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