第4話

静香、演劇部入んのか……。大丈夫なのかな……?

……いや、今はそんなことじゃない、今日は神楽くんと図書館で待ち合わせしてんだもんね。……あー、やばい、舞台に上がるときの10倍は緊張してるよ……。割と緊張しない方なんだけどなぁ……。(舞台では)

「お待たせ」

「あっ、神楽くん……」

「行こう」

「……」

「……?」

「……あのっ……!」

「……ん?」

「……その……すっ……」

あー、でも、いきなりじゃ駄目かなぁ……。ちょっと前置きしとくか……。でも何で言おう……即興苦手だからなぁ……。……あっ!

「空いてる?今日!」

「あぁ、学習室?結構空いてると思うけど」

あー、もう!いつ言えばいいんだよー!帰り?帰りに言う?もうそれでいいや、そうしよう、うん。

「じゃあ、行こっか」

「うん」


――3時間後


……利用時間、終了……。あー、やばい、また緊張してきた……。

「帰ろう」

「う、うん」

いつ言えばいいんだろ……。人気のない場所に誘おっかな……。……ってか何?告白って?ついに頭おかしくなってきた……。緊張とかあんましないのになぁ……。

「……神楽くん」

「どした?」

「この後時間大丈夫?」

「まあ」

「……ちょっといい?」

「いいけど」

あぁ、もうやばい、こういう時ってなんて言えばいいんだよ……。普通に好きです、とか?……ベタだけどそれにしよう、変に言って失敗したら嫌だし。

「…………あのっ……!」

……えっ、待ってめっちゃ恥ずいじゃんっ……!顔から火が出そうってこのことか……。

「あっ、壮良くんにさちじゃーん!」

はっ?!なんだこいつ、人の告白の場に……!

「……今桐谷と話してっから、後にしてくんね?」

「えーなんでよー」

「なんでもくそもない。早くどっか行ってくれ」

「そんな言い方なくなーい?沙耶、悲しいなぁ……」

「……なんだよそれ……。とにかく、俺は桐谷に用があるんだ。大和には関係ない」

「……分かった」

うわぁ、かっけぇ……。もう沙耶どっか行っちゃった……。

「それで?なんか話あんじゃねーの?」

「……え、あぁ……うん」

……うわ、やっ、やばい……緊張が……。これを舞台だと思えば……大丈夫だ、大丈夫……いつも通りいつも通り……これは舞台、これは舞台……よし。

「……神楽くんのことがっ……好きです……っ!」

……うわぁー!!!言っちゃったし!どうなっちゃうんだよー!絶対駄目だこれ!すみませんでしたー!!!!!

「…………なんで先に言っちゃうかなぁ……」

「……えっ……?」

「……俺からも言わせてくれ……俺は、桐谷のことが、好きだ……!」

「……!」

……えっ?!ええええええええ?!かっ、神楽くん、私のこと、好きだったの?!……これ、現実で合ってるよね?大丈夫だよね?夢じゃないよね?手つねってみよ。……いった!ゆ、夢じゃない……!

「…………付き合って……くれるか……?」

「……もちろん!喜んで……!」

……やったぁ……!今日から夢のリア充ライフが始まるんだ……!

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