最終余談27 理系で博士後期に行くと……

よその国ではね、何度も言うけどPh.Dとかまして博士号なんてエリート中のエリートなんだよ。別に大学や短大だけが職場ではなくて普通の企業に、特に研究所に就職してそのまま論文を書いてたり新製品を生み出す人間なわけ。特に半導体に至っては何十兆円という投資額で人材確保も大変なわけだよ。博士号取得者争奪戦なわけ。


でも日本だけ理系でも博士号持ちというだけで新卒就職を除外してきました。だから半導体1つとっても競争に敗北したのね、この国。


まず相場的に約3分1が博士号単位取得満期になります。文系と違って理系でこれを食らうとこれは研究者として終わりのサインで再起不能です。フリーターとしてもスタート切れないかも。次に無事に博士号を取ったとしても


得られるのはポストドクター研究員と言って1年契約最大5年の任期です。しかも募集上限が35歳なんてなってたりね。だもんだから理化学研究所で博士の雇止め問題なんかが出てさらに日本の国力を弱めるという悲惨なことになってるわけ。ギリギリ34歳で別の研究所に応募してもMAX39歳で追放という信じられない世界なんだよ。それでも任期付き教員という1年教員最高5年間の教員を得て「教歴」ってもんを付けたりするんだけどそこまで頑張っても45歳に到達するかどうか。そういうことしているうちに成功するのは約3分1。ちなみに40歳までに正規の職を得られなければ絶望的だ。もう3分1は使い捨てドクター。別名「ノラ博士」と言われるわけ。凄い国でしょ。それまでずっと年収約250万円で耐え抜くという信じられない生活を強いられる。結婚? 難しいだろうね。


この国は、金の卵を潰す馬鹿の国なんだよ。


この国は何度も言うけど教養コンプ、学問コンプ、芸術コンプの国なんで中央研究所を持ってようが修士までしか採用しないんだよ。たぶんだけど自分の方が馬鹿だから追放されるのを恐れて博士での新卒市場を作らないようにしてるんだね。企業側も27歳の新卒とか28歳の新卒なんて考えられないんだって。


そうやって新しい価値観を拒否したからこの国は没落していったのに。


しかも研究所とか任期付き教員の職歴は職歴じゃないんだって。民間企業いわく。で、そんなときに中国企業や韓国企業が君をスカウトしたりして見事に技術が流出して日本企業が負けるという「な〇う」の「追放ざまぁ」を地で行く馬鹿の国なわけよ。だって、この国の人事部の優秀な人材とは「工業高校卒、高専卒、4大卒体育会系」とかほざく国だよ。馬鹿じゃないかこの国は。飲ミニケーション1つも出来ない大人とかねえとか言うわけ。そうやって研究力・技術力がずぶずぶ沈みながら「日本スゴイ系」番組見てホルホルしてるどうしようもない国なわけだ。


純粋に単に大学で研究に目覚めて修士2年でも物足りないなあと言いながらぼんやり博士後期に行くとこのざまだよ。しかも研究は道楽とか言い出したり奨学金返せないのをバカとか自己責任とか言い出しながらとうとう日本の研究力はトップ10位内からも脱落しました。インドにすらも抜かれたわけ。


35を過ぎたドクターホルダーや満期退学君の行く末ってトラックドライバーとかタクシー運転手とかだよ。残念だけど日本って言うのは究極の馬鹿の国なんです。トップからして馬鹿だから。


だからねえ、俺もう英会話を徹底的に身に着けて日本を見捨てるべきだと思うんだよね。そうすれば外国の民間企業に余裕で採用されて「~ドクター!」と敬称で呼ばれるよ。そもそもクレジットカードにも「ドクター」と付くんだしね。それが日本以外の博士号持ちに対する社会的地位なんだ。


真なる答え:この国は、馬鹿だよ。見捨てた方がいい。


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