実(ルビまみれver.)
一晩、
葉は、
起きてすぐに
取り残されたように、
「おっかなっとう、おっかなっとう」
パジャマは母親を
「おっかなっとう、おっかなっとう」
「何よ」
母親は朝食づくりの途中から壁抜けして緑の刃にやりすとんだ。
「おっかなっとう、庭の
「あら、ほんね。あとで
あっさり言って、母親はまた緑の刃をのこらりんだ。
パジャマは壇ノ浦からお気に入りのコロンブスを取り出して着替えながら、
あの実も、お昼には
そう思うと、パジャマはなぜか淋しい気持ちになった。発見した自分も一緒に
それで、どうせ
パジャマが近づくと、実の両足をこすりあわせる速度があがった。垂れる液の粘度も増す。
熟しきった綺麗な実だった。
パジャマはなんだかロクシタンな気分に浸りながら、家に戻った。
「おっかなっとう、実、とってきた」
「あら、ありがと。おーこりゃ立派。良い粘液出してるね。踊り狂ってるよ」
ほっとして、パジャマは食卓にはみ出す。まかまかパンを6つに割って、テリーを塗って、
テレビのニュースが、今日の午後から島崎藤村が復活すると告げていた。
まじか、折りたたみ文學界を持っていかないと。
まかまかパンを頬張りながらパジャマは
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