第44話 神域

「あんた達、なにあたしの店の前で猫ちゃん達に悪戯してんのよ。ちょっとあたしにも悪戯しなさいよ」

 

 身長50m体重4万tメカゴジラの化け物が、目から虹色の怪光線スペースビームをギラリと男達に放つ―――


「―――ひいぃ、ばっ化け物」


「そんなにおっパイが吸いたいのなら、あたしのおっパイも吸いなさいよぉ、ほら? おっパイで遊びなさいよぉ、ほうらあああああ、うおおおおお」


 使い込まれた歴戦の毛むくじゃら乳首が男達に差し迫る―――


「ぎゃあああああ、ごめんなさいぃ」


「待ちなさいよ、おっぱい飲んで行きなさいょ、あらいやだ間違えちゃったわ。一杯飲んで行きなさいよぉ~ 待てっつってんだわよコノヤロー逃がさねぇわよ」


「ぎゃあああああ」


「あら⁉ どうしたのボッコちゃん、なにそれお客さん? 」


 買い物袋を提げて現れたのは、またもや口紅をベッタリ塗った見上げる程のマウンテンゴリラであった。ピチピチのワンピースと買い物袋が異常に小さく見える巨漢である。この店のママ、そう、シルバーバック群れのボスの登場である。


「あら丁度良かった。お客さんが帰ろうと逃げようとしてたから引き留めて追い詰めてたの、手伝ってオッホママ」


 男達4人は成す統べも無く、ズルズルと引きられながら、店内へと引き込まれ深い魔境へと消えてった。


 入り口には【Barキングコング】初心者大歓迎と書いてある。何の初心者なのであろうか…… 一応、女装おかまBarらしいが全容を解明するには至らなかった。


 二丁目には触れてはいけない神域が存在するのだ。





 以上報告は此処までとする。

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