第35話 激突
「お姉ちゃんは、
「まぁね、ちょっと昔、色々あってね…… 」
六本木4丁目に有る【
「いちか君の仲の良い娘を連れて来て構わないから、少しこっちに遊びに来ないかい? 」
黒川から出勤前にそう連絡があり、今タクシーでライバル店の
「敵の本拠地に乗り込むんだから当然値踏みもされる。黒川さんの顔に泥を塗るような事だけは、避けなければならないわよ? わかってるわね? ちか? 」
「うん――― 」
「いらっしゃいませ。三条様と、愛咲様で御座いますね? 承っておりますどうぞ中へ」
インカムを付けた落ち着いた年齢のセキュリティ役の黒服が
「社長すみません問題が…… 」
時を同じくしてこちらは【Club クロノス東京】の店内。慌てた顔を強張らせ店長が社長に
「どうしたのかね? 」
「ケツ持ちの
社長は少し溜息を付くと、慌てもせずに指示を出す。
「相談役の
「あっあのっ、天城さんは歌舞伎町なのでは? 時間が掛かってしまうのではないのでしょうか? 」
「大丈夫です。彼は直ぐに来ますよ」
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