その四〇 ついに、実がついた!
ついに、実がついた!
幼い頃、一番、成長の早かったナスの木。
それなのに、なぜか、実をつけることのなかったナスの木。
成長の遅れていた他のナスが気温の上昇とともにグングン成長して肩を並べ、順調に実をつけはじめたというのに、ただ一本、実をつけることのなかったナスの木。
他の木々に追い抜かれ、ひとりさびしく佇んでいたナスの木。
そのナスの木がついに!
実をつけた!
それも、一度に三つも!
ここに至るまでいったい、いくつの花が実をつけることなく空しく散っていったことか。
せっかくの追肥も意味がなかったのかと何度、肩を落としたことか。
なんで、この木だけが実をつけないのかと、どれだけ首をひねったことか。
しかし、ついに実をつけたのだ。
序盤で威張り散らして反感を集め、主人公にあっさり追い抜かれてそのまま退場する噛ませキャラかと思いきや、追い抜かれたことでついに本気をだしたのか。いやいや、見事、逆襲に転じるとは見直した。
すでに八月半ば。夏野菜の季節はすでに真っ盛り。しかし、ナスは十月まで収穫出来る。まだまだ遅れを取り戻し、トップでゴールを切るための時間は残されている。
さあ、成長一番手の意地を見せ、主役の座を手に入れることは出来るのか⁉
要注目だ!
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