第2話

「のどが渇いた……」


空に点在する太陽が燦々と僕を照りつけ、周りには何も無い。

食べ物ももちろんない。水なんてもっての外。


「オアシスはどこじゃ……」


死ぬのかな。

ここがどこかもわからずに。

いや、ゲーム内なのはわかる。


「なのにこの感覚……まるで、リアル……」



《ボウアアアアアアッ》


「ひぃぃぃっ」


何か奇怪な叫び声が聴こえた。

聞き慣れない……いや、むしろ聞き慣れた声。


「魔獣!?」


荒野……砂漠地帯といえば、サンドワームやジュエルスコーピオン。

それに、砂漠地帯なのに毛むくじゃらな……


《ボゥガァアッ》


「牙獣レッサーパンドラゴン!?」


レッサーパンダをモデルにした、フサフサな毛を身にまとい、地中に住む地属性ドラゴンの派生系……牙獣レッサーパンドラゴン。


初期装備で荒野という砂漠地帯に迷い込み、何も出来ない知らないまま親玉レベルのモンスターに出会う……。


「こんなチュートリアル、無理ゲーだああああっ!!!」

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